保健師の中途採用はどう?年齢制限はある?転職に有利なスキルはこれ。
保健師さんは30代くらいで違う職場へ転職したい、激務の職場で体がつらくなった、という人は多いです。その際、中途採用を考えるときに気にしないといけないいくつかの確認項目があります。
②何歳まで応募可能か
③採用されたとして、長く働くことができるか
といった3点です。
保健師には「行政保健師」「学校保健師」「産業保健師」「病院保健師」がありますが、それぞれに中途採用の状況が違います。
保健師の仕事内容は公務員(行政)保健師、学校保健師、病院保健師、産業保健師で違う?
1.産業保健師
1-1.募集はあるの?
最大のネックがこの点です。
産業保健師とは、「企業の医務室で働く保健師」です。医務室があるようなところは、大企業・一流企業に限られます。しかも、いても1人か2人というところばかりです。その上なかなか辞めません。
これを保健師や看護師で取り合っています。たまに空きが出ても、個人的なツテで埋まってしまうことも珍しくありません。
狙うのならば、長期戦の覚悟が必要です。いくつかの転職サイトに登録し、募集が出てくるのを待つようにしましょう。社会福祉法人、訪問看護サービスの企業はデイサービス業のために求人は増えています。大手企業内健康管理室は、求人数が限られ激戦区です。
健康相談、健康診断など社員の健康サポートが業務です。
1-2.年齢制限は?
中堅・ベテランの保健師さんが歓迎されます。“ママさん保健師”がむしろ有利になることもあるでしょう。
「1人か2人しかいない」ということは、新人ではなく、現場経験者を求めています。ちゃんとキャリアを積んできた人ならば、30代40代、場合によっては50代でも問題はないでしょう。臨床経験がある、キャリアも長いという点はプラスに評価されますが、定年までまじかという年齢なら苦戦はするかもしれません。
1-3.長く働ける?
もちろん、この点もOKです。病院勤務の看護師・保健師のような激務にはなりません。定年まででも可能でしょう。大手企業であればその会社の規則に即した定年制度が適用されます。健康管理室勤務でもベテランの方は重宝されます。
2.行政保健師
2-1.募集はあるの?
募集はかなりの数があるでしょう。なんといっても、保健師の中で最も多いのが行政保健師です。
ただし競争率は地域によってかなり違いがあります。都会は看護・保健系の大学が多いこともあって、保健師の資格を持っている人が集中しています。競争率も高くなります。今後さらに地域包括支援センターなど地域医療に力を入れていくので、需要が高いです。保健所や市町村保健センターの募集は定期的にありますが、狭き門ともいえます。
2-2.年齢制限は?
年齢制限はかなり厳しいです。具体的には30歳前後です。ただし、都道府県や市町村ごとに決めますので、これよりも上のところもあれば、下のところもあります。
「中途採用」というよりも、「新卒も中途も一緒にして試験をする」といった感じです。
2-3.長く働ける?
定年まで続けられます。
3.学校保健師
3-1.公立
公立の小中高ならば、採用するのは都道府県や市町村です。この意味では行政保健師と変わりありません。ですが、学校保健師の採用は別扱いにされています。
募集はあるの?
お役所のやることですから、募集はちゃんとオープンにされています。「転職サポート会社を使わないとわからない」ということはありません。ただし、あまり募集が表には出てこず、ツテなどで決まってしまうのは、産業保健師と同様です。
年齢制限は?
年齢制限は、その行政団体によりバラバラです。厳しいところは「35歳未満」というところもあれば、緩いところは「50歳未満」というところまであります。
最近は年齢制限を緩めるところが増えています。今は35歳未満の採用条件でも、2、3年後には40歳や45歳でもOKとなっていることもあります。転職を長期戦で考えている人は、時々はチェックをするようにしましょう。
長く働ける?
定年まで続けられます。
3-2私立
私立の小中高の場合は、なにからなにまで独自に決めています。年齢制限なども、一つ一つチェックする必要があります。大学ならば私立も国公立も、いずれもそれぞれが独自に決めています。
求人数は限られますが、転職支援サイトを通じていち早く求人に応募できるようにしておくことが必要です。学校法人は好条件のものが多く激戦。
3-3.大学保健師
大学は国公立と私立で求人の掲載されるところが変わります。大学の保健室勤務を希望する人は多いので、ここもいかに早く大学の募集にタッチできるかが一番大切なポイントになります。求人先の大学によって条件は大きく変わります。大手の私立はやはり好条件が多いです。
4.病院保健師
大手の総合病院に募集が多いです。 病棟経験のある看護師時代を過ごしていたなら、保健師転職でも有利です。 病棟勤務なので、患者さんにも積極的にかかわります。
募集の数は地域差でピンきりですが、こまめに募集情報をチェックしていれば求人自体は見つかるでしょう。病院ごとに定年は大きな差はありません。医療機関毎に条件は変わります。
5.高齢者ケア
保健師の求められる新しい職場として高齢者ケア、介護の現場でのニーズが高まっています。ただの看護師よりも、看護経験が長くてより専門の知識も持った保健師のほうがよりニーズが高いです。高齢者ケアの施設はどんどん増えていますし、それに応じて保健師の求人も伸びているジャンルです。
5-1.訪問看護ステーション
訪問看護の拠点となる事業所は民間企業が運営するケースも多く、数は多いです。いろいろな看護業務を利用者の自宅へ足を運んで行います。ただ、経営する側は医療の専門家ではないために看護感の違いや働きスタイルでも一般の病院と差があります。各看護ステーションごとにカラーは大きく変わるので、転職の際には詳しく内情を知っておくことが大切です。訪問看護業務は今後増えていくことが予想されます。要支援者のサポートも必要となります。
介護施設で勤務するケースや、施設へ出向いていくというケースもあります。医療法人が運営元の場合のほうが働きやすいという声が多いです。
⇒訪問看護師で働く!仕事内容・役割・給料。転職前にわかる業界おまとめ
5-2.地域包括ケアセンター
地方の自治体が運営。市区町村などその地域に住んでいる高齢者を様々な形でサポートすることを目的とした公共の施設です。健康指導や介護予防などの知識が求められます。相談支援も業務のうちです。相談業務が意外と中心になることもあり、大切な仕事です。
社会福祉士、主任ケアマネージャーなどと一緒に働くことが多いです。
※居宅介護支援事業所
要介護認定をうけた高齢者のケアプランを考えるなどサポートするところ。これはケアマネージャーが高齢者宅へ足をはこんで家族と一緒にプランを考えるというスタイルです。直接には保健師の職場ではありません。
6.転職に欲しいスキル
保健師のスキルといっても、なんだかあいまいです。人によって意味しているものが違ったりもします。
ここでは2つに分けて考えましょう。
①働き始める前に身につけておいたほうがいいスキル。あるいは、働き始めてからでも、急いで身につけたほうがいいスキル。
②すでに保健師としての経験を積んだけど、もう一段上のレベルの保健師になるために必要なスキル。場合によっては、「もっといい条件の職場に転職するために必要なスキル」と考えてもいいかもしれません。
6-1.働き始める前に身につけておいたほうがいいスキル
看護学校時代にひと通りのことは学んでいます。ですが、実際に現場で働き始めると、多くの人が苦労することがいくつかあります。
6-1-1.衛生管理者
産業保健師で勤務する場合、衛生管理者の資格があると有利です。衛生管理者のうち「第一種衛生管理者」は、保健師なら申請するだけの簡単な手続きで取得することができます。50人以上がいつ事業所にはいなくてはいけないのが衛生管理者。
6-1-2.臨床関連の勉強
今看護系の大学であっても、学ぶ分野が増えすぎたせいで、臨床関係の授業時間がかなり削られて、いろいろな問題が起きています。
以前は、まずは看護師になり、その後で保健師の資格を取るというのが最も多いパターンでした。
ですが、今は4年制の看護系の大学に通えば、保健師と看護師の両方の受験資格ができます。そのため、看護師免許は全くの「ペーパードライバー」状態で、臨床の実戦経験がない保健師が増えているのです。
そして、いざ現場に出てもうまく働けない・・・ということで、多くの人が苦しんでいるという現実問題があります。このせいで、「保健師の離職率が高くなっている」という指摘まであります。つまり、仕事をこなせないために早くに辞めるてしまう人もいて、問題となっています。
こういったことは個人ではカバーしきれない面もあります。ですが、できる限りの準備や勉強をしてできないことをカバーする姿勢が必要です。「職場に入れば苦労するぞ」というのが事前に分かっているだけでも違います。
6-1-3.PC操作
保健師の職場は、企業や学校の医務室、保健所、役所の保健関係の部署などがあります。
どこにいっても意外に事務仕事が多いです。資料や報告書を自分で作る必要もあります。エクセルやワードといった基本となるパソコンソフトはひと通り使えるようにしておいたほうがいいでしょう。
6-1-4.コミュニケーション能力
コミュニケーション能力がネックになってしまう人もいます。「健康相談」は保健師の主な仕事の1つですから、コミュニケーション能力が必要なのは当然ですね。
気になる人は「カウンセリング」のセミナーなどに参加してみるのもいいかも知れません。
6-2.もっといい条件の職場に転職するために必要なスキル
単にスキルというだけではなく、資格として用意されているものがいくつかあります。取っておけば、職場での昇進や転職の際に、強力にアピールできます。
代表的なものは、「産業カウンセラー」と「養護教諭」あたりでしょう。
6-2-1.産業カウンセラー
産業カウンセラーとは、心理学のノウハウを使ってのカウンセリングをするスキルであり、資格です。特に企業の医務室などで産業保健師として働くときに役立つでしょう。健康増進や健康診断などの数値管理だけではなく、メンタル面のサポートが強く求められています。
6-2-3.養護教諭
養護教諭は早い話が、「学校の保健室の先生」です。小学校・中学校・高校の場合、保健師の資格だけでは保健室の先生にはなれません。さらに養護教諭の資格を持っていなければならないのです。
これら以外では、「介護支援専門員」「健康運動指導士」などがあります。
これらの資格を取っておくと、転職などを考えていなくても、日ごろの仕事内容を充実させることにもつながります。また、将来の可能性を広げておくためにも、積極的に挑戦したほうがいいでしょう。
7.勤務形態
7-1.正社員
正社員で働きたい場合は、募集数は少ないけれど、産業保健師、行政保健師がねらい目です。また、病院保健師も正社員募集のケースが多いです。
7-2.パート
看護ステーションなど大手の場合は、短時間だけ働きたいと言う場合でもOKのアルバイト、パート、派遣で募集しているところも多いです。
7-3.契約社員
契約雇用の社員募集も増えています。
8.転職サイトを活用する
保健師が転職するときは、いろいろな現場の可能性があります。ただ、ハローワークなどに出てくる求人は数は多いけれども条件自体は魅力的なものは少ないです。
看護業界専門の転職サイトには、企業側が優先的にいい条件の求人を出しています。少しでも早くいい人材を集めたいという企業側の狙いがありますが、サイト登録をしている人にしかこの非公開求人は見ることはできません。
自分の条件に合った納得の転職先を見つけるには、非公開求人をどんどん見て回ることがポイントです。
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