デイサービス看護師で働く!仕事内容・役割・給与。転職前にわかる業界おまとめ

     

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今いる病院やクリニックからの転職、あるいブランクの後の復職となると、まずは医療機関に目がいってしまうかもしれません。

ですが、医療機関以外で看護師を必要としている職場がどんどん増えています。

その内のひとつが「デイサービス」です。

医療機関での勤務と比べると、お給料などの待遇や仕事内容にはメリットもあればデメリットもあります。個人的な向き・不向きもあります。

中にはデイサービスへ転職して、「自分が考えていた働き方はこっちの方だった」「自分にはこっちのほうが合っている」という看護師さんも出てくるでしょう。

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1.デイサービス看護師の仕事内容

1-1.デイサービスとは

日本語でいえば「日帰り通所(つうしょ)介護」となります。それを行うところ、つまり看護師さんからいえば職場となるのは、「デイサービスセンター」です。

一般的には「老人デイサービス」と「老人デイサービスセンター」を指します。

利用者は「65歳以上(特定の疾患に関しては40歳以上)で、要介護認定を受けた人」です。

「要介護認定」は、寝た切りになっているような最重度の人までレベル分けされています。

ですが、デイサービスを利用する人は、外出して、通ってくるわけです。入院もしていません。軽度の人だけと考えていいでしょう。

それらの人たちに対して、「入浴」「食事」「リハビリ訓練」「生活上の相談と指導」「健康チェック」などを提供します。

「老人デイサービスセンター」以外には、「地域活動支援センター」も忘れてはいけません。

3種類ある「地域活動支援センター」のうち、「II型」と呼ばれるものは、対象が老人から障害者に変わるだけで、「老人デイサービスセンター」とほぼ同じサービスを提供しています。

こちらも転職の選択肢のひとつに考えるようにしましょう。

*デイサービスセンターの経営者・経営形態

デイサービスセンターを経営しているのは、地方自治体(市町村)を始め、医療法人、社会福祉法人、民間企業、NPO法人、生協、農協など実に様々です。

病院や老人ホームなどと併設になっていることも珍しくありません。ただし、単独での設置・運営が増えつつあります。

1-2.仕事仲間は様々な職種の人

「老人デイサービスセンター」は、利用者が10人以上の場合、「常時配置の看護師」が必ずいなければなりません。

「常時配置」は、「利用者がいるときは、最低でも1人は看護師もセンター内に勤務している」と考えればいいでしょう。

そのほかのスタッフも含めると、利用者30人以上では、次のような決まりになっています。

・生活相談員(1人以上)、看護職員(1人以上)、介護職員(4人以上)、機能訓練指導員(1人以上、看護職員等との兼務可)を、サービス提供時間帯に常時配置

・生活相談員または介護職員のうち1名以上を常勤とするほか、非常勤職員で対応も可

つまり、「生活相談員などいろいろな職種・役割の人が同僚になる」「看護師(看護職)は必ずいなければならないけれど、その看護師は非常勤(パート・アルバイトなど)でもかまわない」ということです。

1-3.具体的な仕事内容

このように様々な職種の同僚と、協力しあいながら、利用者の介護をします。

その中で、看護師が任される最も主な仕事は、利用者の健康チェックです。

といっても、先に申し上げたように、利用者には重症者はいません。必要なのは基本的なバイタルチェックぐらいです。

この結果で、「熱があるようなので、今日の入浴はやめておきましょう」「下痢が治ったようなので、食事は普段通りに戻します」といったことになるわけです。

また、「アレルギーのある人の食事に注意を配る」、「服薬中の人の飲み忘れがないようにする」といったことも任されるでしょう。

ただ、こういったことだけで、一日の仕事が埋まるはずはありません。

その職場ごとに違いはあるでしょうが、「介護職員の手伝いをする」と考えておいた方がいいでしょう。

というよりも、実際のところ「看護のこともわかる介護職員」ぐらいの位置付けになることが多いようです。
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2.デイサービス看護師の給料

2-1.正社員(正職員)の場合

給料はあまり高くありません。

理由は、看護師の世界ではよくあるものです。

つまり、「夜勤は全くないし、残業も少なめ。なので夜勤手当・残業手当がない。その分、どうしても病棟勤務などよりも安くなる」です。

また、全体のスタッフの中でも、看護師はほんの数人です。ですから、「ポストが上がって、役職手当がつく」ということも期待できません。

一応のメドとしては、月給で20万円から25万円、年収としては320万円~400万円を意識しておきましょう。

もちろん、年齢や経験などで、金額はさらに上下します。

ちなみに、看護師全体の平均年収は約470万円とされています。これと比較するとわかるように、「少しでも多くお給料が欲しい」という人には向きません。

ただ、「勤務はカレンダー通り。仕事内容も緊張度は高くない」「家庭との両立がしやすい」というメリットがあります。

「勤務状態・仕事内容を考えると、決して割は悪くない」という考え方ができるだけの金額ではあるでしょう。

2-2.パート・アルバイトの場合

先に見たように、定員10人以上のデイサービスセンターには看護師は必要です。ですが、パート・アルバイトしかいなくても、法律上もOKです。

このため、実際の求人を見ても、パート・アルバイトでの募集が正社員(正職員)と変わらないだけの数があります。

正社員と変わらず、月~金曜日の日中はずっと勤務になっている場合もあります。

実際に多いのは、曜日や時間帯を分けて数人で回す形です。こうやって、最低でも1人はセンターに詰めている形になります。

これらの場合の給料計算は時給です。一応のメドが1,500円~2,000円といったところです。

看護師一般のパート代・アルバイト代と比べると、いくらか安いか、ほぼ同じぐらいです。

3.デイサービス看護師に必要なスキル

はっきりいって、医療・看護行為は少ないです。看護師らしい仕事としては、バイタルチェック、服薬指導ぐらいですから。あとは、利用者次第でインシュリン注射などがあるかどうかです。

中には、「注射・点滴はありません」というのを求人広告でわざわざアピールしているところまであります。

問題になるのは、看護師としての業務以外の部分でしょう。

実際の現場では介護職員的な役割も期待されています。

食事や排便、入浴といった身の回りの世話や、あるいは「話し相手になる」といったこともこなすことになるでしょう。

たとえ、募集では「看護業務」などとだけ書かれていても、「介護職員的な役割も当然あるもの」と考えておいたほうがいいでしょう。
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4.デイサービス看護師の資格

デイサービスセンターで働くのに、「看護師資格以外に特に必要な資格」、あるいは、「取っておくと採用試験の時に有利な資格」というものはありません。

ただ、実際の仕事の上では、介護やリハビリまで任されることが多いです。

「自分での勉強」ということでは、カバーしておいたほうがいいでしょう。

また、給料面で正看護師と准看護師では差がつけられていることは珍しくありません。

「仕事内容や、実際の働きの上で差があるのか」は疑問に思う人も多いでしょう。現実に区別されることがあり、その場合、月給で2万円から3万円程度違うことが多いようです。

ですから、「取っておいたほうがいい資格」は強いていえば、「正看護師」です。

5.デイサービスで働くメリット・デメリット

5-1.メリット

実際にデイサービスで働いている看護師さんがよく挙げるメリットは、次のようなものです。

・精神的な負担が少ない

すでに申し上げたように、「要介護の人が利用する」といっても、自宅での生活ができ、外出も可能な人たちです。

命の危険性と隣り合わせのような人は来ません。

・仕事内容が割と楽

看護師らしい仕事といえば、バイタルチェックとそれ以外が少しあるぐらいです。

穿刺(せんし)があっても、せいぜいインシュリン注射程度です。点滴もありません。

「看護師の手技」といわれるスキルに不安のある人も問題はないでしょう。

利用者の中に、コンディションが悪いままセンターに来たり、来ている間に急変する人がいないわけではありません。その時は、看護師の出番です。

ですが、そうしばしば起きることではありません。また、自分がやることといえば、救急処置と病院への同行ぐらいです。

本格的な治療や看護は必要ありません。

・カレンダー通りの休みが取れる。夜勤がない。

土日は休みです。センター自体がやっているのが、日中だけなので、夜勤はありません。

「一般のOLのような生活もできる」というかたちですね。

・利用者とじっくりと向かうことができる

病棟勤務だと、常に仕事に追われ、患者さんとじっくり向き合う余裕はなかったかもしれません。また、激務のせいで疲れ、患者さんに向ける表情も余裕がなかったような人もいるでしょう。

外来勤務だったのならば、順番待ちしている患者さんを全員診るだけで四苦八苦だったかもしれません。何しろ、「3分医療」という言葉もあるぐらいですから。

一方、デイサービスは、ゆっくりと時間が取れます。また、利用者はいずれも常連さんです。

楽しく話もできるでしょうし、そうすることも仕事の一部です。

5-2.デメリット

・看護師としての仕事が少ない

ここまでの話でももう何回か出ていますが、看護師らしい仕事はあまりありません。

仕事上の手ごたえが感じられず、「なんのための看護師資格か」と悩んでしまう人もいます。

かといって、本当に看護師としての仕事がないかといえば、そうも言い切れないのです。

というのは、多くのところで医師は勤務していません。また、いくら「利用者には、重症者はいない」とはいえ、健康上の問題を抱えている人たちです。

本当にたまのことでしょうが、様子のおかしい利用者には、自分自身の判断で対処しなければなりません。

このため、新人や経験の浅い看護師には勤まりません。

つまり、「中堅以上の看護師が求められる職場なのに、看護師の経験が生きる場面が少ない」というジレンマを抱えることになるかもしれません。

・スキルアップができない

看護師らしい仕事が少ないのですから、スキルアップには不利なのは当然のことでしょう。

そもそも、ケアセンターは医療機関でさえありません。

ですから、病院・クリニックなどへ転職する場合、ケアセンター時代の経歴はほとんど評価されない可能性があります。

・役割分担が難しく、職場内の人間関係が複雑

ケアセンターには、「生活相談員」「介護職員」、「機能訓練指導員」といった職種の人たちもいます。

しかも、その仕事範囲が明確に分かれているわけではありません。

「医療や看護は全くの素人なのに、介護職員がこっちの仕事まで口出しをする」といったことでやりにくさを感じている看護師さんの話も聞きます。

また、経営規模が小さいところも多く、スタッフの数もしれています。

「意思の疎通が取りやすい」という方に出ればいいのですが、「いったん人間関係がこじれると、逃れていくところがない」という方に出る場合もあります。
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6.デイサービスへの転職の注意

デイサービスセンターを経営しているところは、実に様々です。

病院などの医療機関、老人ホームなどの福祉施設も経営している法人ならば、まだケアセンターへの理解も深いでしょう。

一方で、全く畑違いの分野からの新規参入もあります。介護を「将来性のある事業」と考えているのです。

こういったところは、「経営者が介護のことも、看護のこともほとんど理解していない」という可能性も高いです。

また、経営規模も小さいことが多く、経営者の個人的な考え方が運営にも大きく影響します。

ストレートにいってしまうと、「ハズレのところもある」ということです。

そのため、求人広告に出ているだけの情報で応募するのは、少し危ういです。

情報を収集することが大事です。

ただ、ケアセンターは小規模なところまで含めると、かなりの数があります。自分での情報収集は十分にはできないでしょう。

そういった部分は、看護師転職サポートをうまく使いましょう。「どういったところを希望しているか」を伝えるだけで、担当者がそれに合っているところをピックアップしてくれるはずです。

こういった手順でいくつかに候補を絞り込み、できれば、事前に見学させてもらいましょう。

自信のあるところほど、喜んで見学を受け入れてくれます。この申し込みへの対応の仕方自体も、「応募していいかどうか」の判断のひとつになるはずです。

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