眼科看護師へ転職!仕事内容・給料・資格は?面接前にわかる業界おまとめ
眼科の募集を見て、仕事内容をチェックしていると、イメージがわきにくい・混乱するということはないでしょうか。
実は同じ眼科といっても、病院やクリニックごとに診察・治療の対象がかなり異なります。もちろん、そこで働く看護師さんの仕事内容も給料の額も違ってきます。
特にほかの診療科からの転職の場合、それらの区別をしっかりつけておかないと、思っていたのと違ったとなる可能性も高いです。ここでは眼科でのお仕事のいろいろをまとめました。
目次
1.眼科看護師の仕事内容
いろいろなパターンがある眼科
「それらの区別」に関しては、まずは次の3つに分けて考えればいいでしょう。
①病棟がある。入院設備があり、手術もする
②外来だけ。手術はするが、日帰りで済むものだけ
③外来だけ。手術はなく、内科的な診察・治療だけ。手術の必要があるときは、ほかの病院・クリニックを紹介する
1-1.病棟がある
眼科だけの専用病棟・内科や皮膚科など、ほかの診療科と混合病棟・病棟のスタッフと手術室のスタッフがしっかり分かれているところ・病棟のスタッフと手術室のスタッフ分かれていないところなどがあります。
特に注意が必要なのは、手術室のスタッフと病棟のスタッフが分かれていないところです。
ほかの診療科のほとんどは、内科系・外科系・手術室は別々のスタッフが担当しているはずです。
ところが、眼科の場合、同じ医師・看護師が、普段の診察もすれば、そのまま手術を担当する形になっている病院が少なくないのです。
この場合、もちろん看護師は、病棟看護師の役割も、手術室看護師の役割もカバーしなければなりません。
この眼科の手術にははっきりとした特徴があります。
扱う病気は、白内障・緑内障・網膜剥離が代表的なものです。内容的には簡単で、ほとんどが30分や1時間で終わります。
その分、数をこなします。病院によっては、1日に10件近くになるよう場合もあるようです。
その件数分だけ、手術の準備・執刀医のサポート・後片付けを繰り返すことになります。かなりの忙しさ・慌ただしさになることは覚悟してきましょう。
もちろん、スタッフが分かれていればそれぞれ、病棟看護師、手術室看護師としての仕事だけになります。
1-2.外来・手術あり
経営規模は大きくなく、外来担当のスタッフと、手術担当のスタッフは区別がない場合がほとんどです。
つまり、「医師の診察のサポートといった一般的な看護師の仕事」プラス「手術室看護師の役割」をすると考えておきましょう。
検査について
眼科の場合、視能訓練士という検査・機能回復訓練の専門家の資格があります。
ただし、この人がいるのは、ある程度規模の大きい病院・クリニックだけです。
いない場合、検査も看護師の仕事になります。そうしても、法律上も何ら問題はありません。
1-3.外来・手術なし
このパターンのところに勤務する場合、最も主な仕事が検査になると考えておいたほうがいいでしょう。
視力検査・眼圧検査・眼底検査・視野検査など、眼科の検査は多く、使う機器はほかの診療科とは違うものばかりです。
ですが、転職した人の多くは、「最初は覚えることが多くて、戸惑うかもしれない。だけど、操作は複雑ではなく、やることの範囲もはっきりしている。すぐに慣れる」と話しています。
転職のハードルには考えなくていいでしょう。
2.眼科看護師の給料
このように、眼科の場合はいろいろな職場の形態・仕事内容があります。それに応じて、給料の額も異なってきます。
ただし、それぞれの職場の形態の中では、給料に関しての大きな特徴はありません。
つまり、「病棟勤務ならば、内科や外科などほかの病棟勤務と、同じような基本給になり、手当の種類も変わらない。月給や年収も一般的」「手術室勤務ならば、キーになるのは手術手当などの手当類。これが手厚いところを選ぶのが、高給への近道」ということです。
注意が必要なのは、外来専門の場合です。
高給を狙うのならば、専門性の高い手術を中心にしている病院やクリニックという手があります。
レーシック専門のところが典型です。
レーシック手術は健康保険が適用されず、診察代・手術代などが自由に決められます。そのため、経営手腕次第で、利益が大きくなります。
そのたくさん稼いだ分の一部が看護師にも回ってくるのです。
ただし、こういったところは、「看護師に求めるレベルも高い」「患者の便利を考えて、土日や遅い時間にも診察していることがある」ということは承知しておきましょう。
3.眼科看護師に必要なスキル・知識
眼の構造や働き、眼のトラブル・疾病についての知識が必要なのは、いうまでもないでしょう。
それ以外では、糖尿病や感染症、神経系の病気についての知識も求められます。
というのは、それらが原因となって、眼のトラブルになっていることも多いのです。
中でも糖尿病に関する看護の経験は重視されます。求人広告にも、「糖尿病看護専門看護師の資格所有者は優遇します」と書かれているような場合まであります。
また、転職を考えている人の中には、「注射や点滴の際の穿刺(せんし)が苦手」などの理由で、眼科に注目している人もいるかもしれません。
確かに眼科はほかの診療科と比べて、やや特殊です。ですが、看護師の基本的な手技といわれることは一通り必要です。
検査や治療の際に、注射や点滴もあります。内科などと比べて、やや出番が少ない程度に考えておいたほうがいいでしょう。
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4.眼科看護師の資格
看護師がスキルアップ・キャリアアップするための資格としては、専門看護師・認定看護師が代表的なものです。
それぞれ11分野、21分野について設定されています。それらの中に、眼科に直接関係するものはありません。
これらの受験資格には、それぞれの分野での看護経験も求められます。
ですから、「眼科で働きながら、資格も取って、キャリアアップ」という手は事実上無理です。
一方で糖尿病看護認定看護師・手術看護認定看護師などの資格所有者や、そこまでいかなくても、臨床の経験のある看護師は、眼科でも大歓迎されます。
つまり、「すでにほかの看護分野で資格を持っていたり、勤務経験のある人は、それらを転職の際にアピールポイントにできる」ということです。
視能訓練士
また、眼科にかかわりの深い資格に視能訓練士があります。眼の検査や訓練の専門家です。
一般からの受験には3年以上の教育課程を受ける必要がありますが、看護師の資格所有者は1年で済みます。
ただし、転職の際に有利か・資格があることで給料が上がるか、といったことではあまりプラスになりません。
看護師資格だけで視能訓練士の仕事範囲はほぼカバーできるからです。
もし、この資格を取るのならば、自分自身の勉強のためと割りきったほうがいいでしょう。
5.眼科で働くメリット・デメリット
5-1.メリット
病棟・外来のどの勤務形態であっても、共通するメリットがあります。
看取りがない
眼科で対象にしている疾病は、そのまま死に至るものはほぼありません。つまり、看取りの必要がないということです。
これは救急やICUなどでの勤務をプレッシャーに感じる人には大きな魅力でしょう。
休日
また、家庭との両立を考えるママさんナースや、長いブランク後でまだ本格的な復帰に踏み切れない人たちに人気なのが、③の手術のないクリニックです。
こういったところは、「休日はしっかりカレンダー通り。夜勤はなく、残業も少なめ」です。
ただし、患者があふれていて、「いつも診察時間内に終わらない。残業が多い」というところもあります。この点には注意が必要です。
人間関係が楽
これは特に、メインの仕事が検査になっている場合にいえます。
眼の検査は、ほぼ1人で担当します。医師や同僚の看護師と連携しながら、という作業はあまりありません。
ですから、職場の先輩・後輩、上司・部下もそれほど意識しなくていいのです。
5-2.デメリット
これはメリットと裏表の関係になるものが多いです。
物足りない
「1人でやる作業が多い」ということは、「ベテランになっても、ポストが上がったり、部下をたくさん持つことがない」ということでもあります。キャリアアップを考えている人には物足りないかもしれません。
給料が安い
また、「夜勤がない。残業が少なめ」という職場を選んだ場合、「夜勤手当・残業手当がない」ということになります。
スキル低下
先に、「看護師の基本的な手技といわれることは一通り必要」と申し上げました。ですが、出番が少なくなるのも確かです。
スキルが落ちるかもしれません。
転職に不利
また、やはりメインになっている仕事内容もかなり特殊です。
これらのために、よその診療科への転職を考える場合、あまり経歴を評価してもらえなかったり、うまく採用されてもスムーズに職場に入っていけない可能性があります。
6.眼科への転職の注意
ここまでに申し上げたように、眼科の看護師の場合、職場ごとに仕事内容のパターンがたくさんあります。
ところが、求人広告では、しっかりとそれを表示されていないことが珍しくありません。
「病棟・手術室兼務」などとあり、実際もその通りならばいいでしょう。
中には、「病棟」と書かれているのに、手術室と兼務だったり、あるいは「眼科病棟」が眼科と皮膚科の混合病棟だったりといった例もあります。
このような状態ですから、職場に関する情報収集は、ほかの診療科よりもさらに大事になります。
これらはなかなか自分では集めにくい情報です。また、どうしても見落としも出てきます。
信頼できる看護師転職サポートを利用していれば、問題はかなりなくなります。担当者に自分の希望をしっかり伝え、それに合った情報を集めてもらいましょう。
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