公認ヘルスカウンセラーという資格ってどう?
1.産業看護師に欲しい資格
看護師の転職先は、医療機関だけではありません。企業や大学の医務室、あるいは福祉施設なども考えられます。
ただし、こういった職場では、看護師の資格や経験が生きるものの、仕事内容は看護師そのものではありません。
病院やクリニックの勤務では経験しなかったような仕事内容もあります。
そのため、できれば先に、そうでなければ後からでも身に付けておいたほうがいいノウハウ・取っておいたほうがいい資格があります。
これらのノウハウや資格があることで、スムーズに新しい仕事に入っていけます。採用面接の際にも、相手から「ちゃんと仕事内容を理解して応募してきている」という印象を与えることができ、採用の可能性が高まります。
2.カウンセリング技術が急務
今の時代、特に必要なのは、カウンセリング関連です。
企業でも大学でも、従業員や学生の「メンタルヘルスケア」が大きな問題になっています。
「ストレスを抱えている」「うつ病になった」「精神的に不安定で、仕事(学業)に身が入らない」といった人が増えているのです。
こういった人たちの相談にのり、サポートするのも、看護師出身者には期待されているわけです。
2-1.臨床心理士
このカウンセリング関連の最も本格的な資格としては「臨床心理士」があります。
ただし、資格審査を受験するには、心理学関連の大学院を修了するなどの条件があります。ハードルの高さもかなりのものです。
2-2.その他の資格
「とりあえずは、カウンセリングのイロハがわかる程度でいい」とするのが現実的な考え方でしょう。こういったものには、「公認ヘルスカウンセラー」「メンタルヘルスカウンセラー」「メンタルケア心理士」「産業カウンセラー」「心理相談員養成研修」などがあります。
2-3.公認ヘルスカウンセラー
たとえば、「公認ヘルスカウンセラー」の場合、「特定非営利活動法人ヘルスカウンセリング学会」が設けている民間資格です。
これには4つのレベルがあります。「ヘルスカウンセリング学会」では次のように説明しています。
・初級公認ヘルスカウンセラー
理屈通り行動を変えられない背後にある、隠れた未解決な感情の再解決を促し、健康問題の解決行動を専門的に支援する(行動変容版利用資格者、2014年まで有効)
精神化している悪性ストレスの気づきを促し、それを解消する本来のあるがままの自分の生き方を支援します。
・中級公認ヘルスカウンセラー
身体化、精神化、行動化している悪性ストレスの気づきを促し、それを解消する本来の自分の生き方を個別、あるいは集団で支援します。
・上級公認ヘルスカウンセラー
悪性ストレスをつくり出す潜在記憶や無自覚な行動脚本を見出し、本当のあるがままの自分で生きられるよう再脚本化し、行動目標化を支援します。
さらにこの上が「プロフェッショナル支援ができる」という「特級公認ヘルスカウンセラー(心理療法士・健康心理療法士)」です。
2-4.取得方法
初級・中級・上級の場合、まず、
「ベーシック行動目標コース(Basic)」
「自己成長コース(Development)」
「行動変容コース(Behavior Change)」
の3種類の研修をこの順番に受けます。
それぞれ期間は2日間です。
この後に資格審査を受けることになります。最初から中級・上級の審査を受けることも可能です。
3.まとめ
「公認ヘルスカウンセラー」「メンタルヘルスカウンセラー」などの民間資格はたくさんありますが、このレベルであれば、どれが特に有利になるというようなものではありません。「講座などの内容の面で、自分が興味を持てそうなもの」「費用が手の届きそうなもの」を判断材料にして選べばいいでしょう。