禁煙支援認定ってどんな資格?

たばこの煙には、4,000種以上もの化学物質が含まれています。

今の時点で有害とわかっているものは200種以上です。発がん性物質だけでも、そのうちの60種以上あります。

毛細血管を破壊し、呼吸器疾患・循環器疾患・歯周病など数々の疾病の原因にもなっています。

喫煙は、長生きするというだけではなく、健康な日常を送るためには、大きなマイナスです。

当人にとっても大問題です。さらには受動喫煙という形で、たばこを吸わない家族や職場の同僚にまで危害を及ぼします。

そのため、厚生労働省は平成14(2002)年、「健康増進法」を定めました。この法律では…

「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努め なければならない

……とされています。

会社(事務所、工場)の中でも、禁煙や分煙をすることが法律の上でも必要になったのです。

禁煙・分煙をすすめる際に指導的な立場になったり、禁煙をしようという人をサポートするための専門家を育てるために作られた資格が「禁煙支援認定」です。

この制度は「日本禁煙科学会」が主催しています。

資格は3種類あり、順に「初級禁煙支援士」「禁煙支援士」「上級禁煙支援士」となっています。

①初級禁煙支援士

・認定講習会等に参加して「 参加点2点」を取得

・「筆記試験」に合格

②禁煙支援士

・認定講習会等に参加して「参加点5点」を取得

・「筆記試験」に合格

・「実績レポート5点」を提出

③ 上級禁煙支援士

・禁煙支援士(中級)取得者(年会費支払済)

・過去5年間で、参加点12点以上(内、6点以上は学術総会参加による)

・学会誌「禁煙科学」に投稿したり、日本禁煙科学会が主宰する場での発表を行い、教育研究点30ポイント以上を取得(有効期間限定なし)

ここ出てくる「認定講習会」には、「日本禁煙科学会学術総会」(3点)、「全国禁煙アドバイザー育成講習会(2日間)」(3点)、「子どもの禁煙研究会」(1点)などがあります。

資格の有効期間は5年です。継続するには、それぞれ一定の点数やポイントを取り続ける必要があります。

看護師さんがこれらの資格を取るメリットとしては、企業の医務室などに勤務する「産業看護師」となる場合に、面接などで「社内の禁煙・分煙の担当者になる能力があるとアピールできる」という点があります。

また、すでに産業看護師となった人でも、禁煙・分煙についての知識を持ち続けるのにも役立ちます。

さらには、病院勤務でも役立ちます。

この資格に必要な知識は、特に禁煙外来に配属された場合には、医師だけではなく、看護師さんにもなくてはならない内容です。ほかの診療科であっても、患者さんの禁煙をサポートすることは、治療に大きなプラスになります。

禁煙外来おまとめ (制度の仕組み、看護師の仕事内容)

 

 

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