産業保健看護専門家制度(登録者)

1.由来

産業看護師とかかわりの深い団体に、「日本産業衛生学会」があります。

これまで「産業看護講座Nコース」「産業看護職継続教育基礎コース」といった講座・資格制度を運営してきました。

講座の内容は「産業看護師の歴史」「企業が産業看護師を必要とする理由」などでした。

この講座・資格制度を解消・発展させる形で平成27(2015)年9月から始まったのが、「産業看護師専門家制度」です。

「産業保健師専門家制度」も同時に始まりました。あわせて「産業保健看護専門家制度」という呼び名も使われています。

2.目的

「日本産業衛生学会」は、新制度の目的を……

・全ての労働者に質の高い保健サービスを提供するため、産業保健チームの一員として、産業医による産業保健サービスの提供が困難な職場へもサービス提供を可能とする

・そのために、産業領域現場の保健師および看護師の育成および実践能力の質の担保する

・産業領域現場の保健師および看護師が、自立して継続的に自身の実践能力を高めていくための継続教育の支援を行う

……としています。

3. 3段階性

これには、下から順に「登録者」「専門家」「上級専門家」の3つ段階が用意されています。

いきなり「専門家」などになることはできず、「登録者」からこの順番にステップアップしていくことになります。

4.試験

登録者になるには筆記試験に合格する必要があります。

試験範囲は……

衛生管理者・保健師の国家試験程度の難易度・ファーストレベル準備講座の講習範囲(保健行政論、公衆衛生看護学、労働衛生等)

……です。

いきなりこの試験を受けることも可能です。

5.準備講座

もうひとつ、ここにあるように、試験の前には「ファーストレベル準備講座」も用意されています。これで試験の出題範囲を具体的に知ることができます。

まだ新しい制度なので、「準備講座」も第1回目が平成27年11月28日に予定されています。申し込みは11月13日までです。

5-1.会場

1か所しかなく、東京工科大学・蒲田キャンパス(東京都大田区)です。

5-2.内容

①出題範囲に応じた講義(9:00~16:00)

②マークシートを利用したテスト体験(16:00~17:30)

……となっています。

受講料は①日本産業衛生学会産業看護部会員3,000円。②日本産業衛生学会員5,000円、③それら以外10,000円です。

5-3.有効期限

この登録者の試験にパスしても、有効なのは5年までです。それ以降は1回のみ更新できます。

このように更新回数が限られているのは、「登録者」があくまで「産業看護師専門家」になるための手続きという扱いのためです。

5-4.基礎研修50単位

また、登録者となった後、専門家の試験を受けるためには「基礎研修50単位」を修める必要があります。

もし、従来の制度である「産業看護職継続教育基礎コース」を受講・登録しているならば、この「基礎研修50単位」はすでに履修したものとして扱ってもらえます。

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