企業看護師は新卒でもなることはできるの?求人探しは大変?

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新卒でいきなりは、可能性はゼロではないが、かなり難しいです。

病院勤務の看護師は大変だというのは、看護学生の頃から耳にしていると思います。そして、企業看護師は楽だということも。。。となると、「病院勤務から始めるのではなく、新卒で企業ナースになろう」と考える人が出てきてもおかしくありません。

1.募集が少ない

もともと企業看護師の欠員自体が多くありません。

2.はやく埋まってしまう

しかも、企業側は求人として出す前に、ツテなどを使って欲しい人をさっさと決めてしまうこともあります。

たまに求人が出ても、たいていは転職サポートの非公開情報となってサイト登録者だけが目にすることができて、すぐに採用が決まってしまいます。人気業種ですから募集もすぐに締め切りとなります。また、看護師求人サイトのエージェントも以前から登録している人で、採用されやすい企業側に要望にあった人を優先に非公開求人を教えていきます。

新卒だと、採用のための試験や面接にさえ進めないし、求人があることすら知りようがないことがほとんどです。

※企業看護師は大きく分けて4つの職種があります(⇒企業看護師の種類はこちら)。ここではその内で人気の高い産業看護師についての内容です。

3.企業の医務室は経験者を求めている

これは、「臨床などの経験を重視する」「独り立ちしている看護師が欲しい」からです。

どこの会社の医務室でも、看護師は1人~2、3人です。保健師も常勤の医師もいなくて、医務室の仕事は看護師1人で全部こなすというところも多いです。

看護学校を出たばかりでまだ半人前であっても、誰もサポートしてくれる人はいない、ということです。

また、看護師採用の権限を持っている人事部長や総務部長、あるいはそれより上の役職の人たちは、看護や医療の事をしらない一般の人です。自分達ではよくわからないため、転職のプロのエージェントにすべてお任せ、ということも。この点でも新卒では不利です。

他の診療科や病院での勤務をはじめは探したほうが早いです。

また、産業保健師で働きたいと考えている場合でも新卒での状況はほとんど同じです。

産業保健師と企業看護師(産業看護師)は違うの?

4,新卒ならここがねらい目

ただ、それでも探してみるのならば、ある程度の数のスタッフがいるような大きい会社の医務室がねらい目ですし受かりやすいでしょう。

中には、「病院勤務に染まっている人よりも、新卒の方がいい。まっさらの状態で医務室の仕事を覚えて欲しい」という考え方をしているところもあります。

そういうところならば、新卒ということが逆に強みになります。

ただ、こういったところに採用されるには、少しでも数少ない企業看護師の非公開求人に触れるために、看護師求人サイトに登録しておくこと。

そして病院勤務より楽そうだし、良さそうといった理由では採用はされませんので、企業看護師をやりたい理由、自分が役に立つということをしっかりとアピールする必要があります。

まずは一般の病院で働きながら、非公開求人が出たら教えてくれるサポートサイトに登録しておいて、チャンスが来るのを待つ(希望を伝えておけばエージェントが教えてくれます)、というのが時間を無駄にせず、賢い方法です。

5.募集が見つからないのはなぜ?

医療イメージ

企業看護師の募集はなかなか見つかりません。

理由は

①そもそも、企業看護師自体が少ない

②いったん企業看護師になると、なかなか退職しない

③空きが出ても、求人を出さずに、ツテを使って後任を選ぶことも多い

④求人を出すにしても、転職サポート業者を使う。その業者は非公開求人にしてしまう

といったことが考えられます。

5-1.大企業にしか医務室はない

社内に医務室があって、しかもスタッフが常駐している……というところは、そこそこの大企業になります。

しかも、その大企業の組織の中でも、本社や大きい支店・支社、工場などに限られます。少ない人数しかいないような出先部署までは医務室は作っていません。

しかも、おいている看護師は、多くても数人です。「医師も保健師もおらず、看護師が1人だけ」ということも珍しくありません。

さらには、「看護師にするか保健師にするかを迷ったけど、結局保健師が採用された」ということもあります。「医務室はあっても、看護師はいない」なんてことになります。

5-2.離職者が少ない

企業看護師は、体力的に無理をしなくていいので、中高年になっても続けることができます。離職者が少ないので、空きがなかなか出ません。

空きが出てもたいては1人だけです。それ以上の人数になるのは、医務室を新設した時ぐらいです。

大々的に募集する必要はありません。だから、ツテを頼ったり、転職サポート業者を使うことになります。

これにはもうひとつ理由があります。ほとんどの場合、採用の権限を持っている企業側の人は医療や看護には全くの素人です。看護師の良しあしだって、自分たちだけでは判断できません。

ですから、転職サポート業者などに助けを求めるのです。

転職サポート業者の方でも、「採用の候補になるような人は条件が限られている」と考えています。非公開求人にして、特定の人にだけ話を持ちかけることになります。

このような状況です。本気で企業看護師になろうというような人しか、求人を目にすることしかできないのです。

6.スキル

ナース

企業看護師(産業看護師)の仕事に必要なスキル、資格は何?看護知識・専門知識はどれくらい?

医務室で働く看護師に必要な知識は広い範囲になります。場合によっては、「看護師の枠を越えるようなこともある」と思っていたほうがいいでしょう。

①健康診断のデータ管理と、それを元にした健康指導

②ケガ人・急患への応急処置

③生活指導・健康相談

④メンタルケア

⑤保健・衛生の指導

6-1.健康診断

医務室の看護師に最も期待されている役割が健康診断です。

「健康診断を企画・計画する」「準備する」「実施する」というだけでは終わりません。

「診断で出たデータを管理する」「そのデータに基づいて、従業員の健康管理に役立てる」というところまで、面倒を見なければなりません。

「そんなに太っていたら、体に悪いですよ」も雑談では済みません。具体的に一緒になって対策を考えることになります。

健康全般の知識も必要になってきます。特に最近問題になっているのが生活習慣病です。

一般的な病院であれば、実際にこれらの病気になった後からが看護師や医師の出番です。

ですが、医務室であれば、それを予防することのほうがむしろ役割でしょう。

となると、「生活習慣病」だけではなく、「予防医学」の知識まで必要になってきます。

6-2.ケガ人・急患への応急処置

ケガ人や急患は、職場が店舗であろうが、事務所であろうが、出てくる可能性はあります。それが製造業の工場となると、特に可能性が高くなります。

救急医療の知識が必要です。

ただし、その後の本格的な治療は病院で行われます。まずは、応急処置が万全になるようにしなければなりません。

6-3.生活指導・健康相談

これも医務室ならではです。「胃が痛い」「最近体調が悪い」から、「よく眠れない」「ストレスが多い」といったことまで、看護師さんに持ち込む従業員もいるでしょう。

ひょっとしたら、「すぐに病院に行ったほうがいい」なんてことになるかもしれません。

こういったことにもアドバイスできるように、広く健康に関する知識を付けておく必要があります。

6-4.メンタルケア

これは③の一部と考えたほうがいいかも知れません。

最近は長引く不況のせいで、労働条件が悪化し、そのためストレスを抱えている従業員もたくさんいます。

休職・退職だけではなく、具体的にうつ病などに掛かる人だっています。

こういった人の相談相手になり、予防を考えるのも医務室の看護師の仕事です。

6-5.保健・衛生の指導

これは本来は保健師の仕事です。ですが、保健師がいなければ看護師に任せるところが多いようです。

7.資格

ナース

企業看護師の仕事に就く際に何らかの資格は必要ということはありません。看護師免許、経験があれば求人に応募でます。

「企業看護師になるにはどんな資格が必要か」を考える前に、「企業看護師」「産業看護師」などの定義をしっかり把握しておきましょう。それによって必要となる資格が変わってきます。

まず、「企業看護師」です。

①事業所(会社、工場など)の医務室の看護師
②医薬品メーカー・医療機器メーカーに勤務
③治験関連で勤務

病院以外の一般企業や事業所に勤務する場合のこれらすべてをひっくるめて「企業看護師」と呼びます。

7-1.産業看護師

企業看護師のうちの、会社や事業所の医務室に勤務する看護師のことを特に「産業看護師」といいます。

(最も多いのが、この産業看護師です。なので、「企業看護師」と言えば、そのまま「産業看護師」のことを指していることもよくあります。)

企業内医務室での仕事は非常に多岐にわたります。

参考 ⇒ 企業看護師(産業看護師)の仕事内容ってどんなことをするの?

保健師がやるような仕事までカバーすることが多いです。ですから、保健師の資格も併せて持っていれば就職に有利になったり、応募先が広がります。

また、メンタル面でのカウンセリングも重要な仕事です。ですから、心理カウンセラーの資格なども役立ちます。

⇒ 産業看護師の詳細はこちら

7-2.クリニカルコーディネーター

医薬品メーカーなどにいる看護師は特にこの「クリニカルコーディネーター」として働くことが多くなります。

そのメーカーの製品をPRしたり、説明する仕事をしています。営業マンと組んで、病院やクリニックにその会社の製品を売り込むのもこのクリニカルコーディネーターです。

特に資格の条件はありません。ですが、求人の際には、「看護師」「薬剤師」「臨床検査技師」などの資格所有者に限定されることがほとんどです。

勤務先次第ですが、英語ができると有利になることが考えられます。最先端の資料を読む必要があったり、海外とのやりとりも必要になる場合があるからです。

また、事務仕事が多くなりますので、エクセルやワードなど基本的なパソコン操作はできなければ話にならないでしょう。

パソコンは資格を持っていなくても、実際に使えれば問題はありません。ですが、資格があれば、履歴書や面接でアピールするのに役立ちます。

⇒ クリニカルコーディネーターの詳細はこちら

7-3.治験コーディネーター(CRC)

「治験」とは「医薬品や医療機器の承認を国など得るために行う臨床実験」のことをいいます。

当然、医薬品メーカー、臨床実験をする病院、国などとの連絡・調整が必要になります。それを行うのが、治験コーディネーターです。

これは治験コーディネーター専門の会社に所属して派遣される形と、病院のスタッフとして勤務する形などがあります。

資格や英語、パソコンに関しては、クリニカルコーディネーターと同様です

採用されるには、医療現場での実務経験が重視されます。また、協調性、マネジメント能力など、一般的な社会人としての能力も高いレベルが要求されます。

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