ICU看護師で働く!転職前にわかる業界仕事おまとめ求人探し

     

患者に話し掛ける看護師

 

ICUは最先端の医療現場としてやりがいも大きく、志の多いスタッフが集まります。看護師としてもっとレベルアップしたいという人が知っておきべきICU現場の知識をここでまとめました。

1.ICUも2つある

ひとことに「ICU(Intensive Care Unit、集中治療室)」といっても、2つのタイプがあります。

1-1.Gneral ICU(ゼネラル アイシーユー)

内科・外科を問わず、集中的な治療が必要な患者を対象とするもの

この場合、下の②と区別するために、「Gneral ICU(ゼネラル アイシーユー)」といった呼び方をしているところもあります。以前はこの「Gneral ICU」タイプがほとんどでした。

1-2.特定の分野限定のICU

②「特定の診療科の中に、さらにICUを設ける」のふたつのタイプがあります。今は増えています。

例としては、次のようなものがあります。

・外科系集中治療室(SICU、Surgical Intensive Care Unit)
・冠疾患集中治療室(CCU、Coronary Care Unit)
・脳卒中集中治療室(SCU、Stroke Care Unit)
・脳神経外科集中治療室(NCU、Neurosurgical Care Unit)
・呼吸器疾患集中治療室(RCU、Respiratory Care Unit)
・新生児集中治療室(NICU、Neonatal Intensive Care Unit)
・母体胎児集中治療室(MFICU、Maternal Fetal Intensive Care Unit)

総合病院の場合、②があるとしても……これらのうちのいくつかを作って、それ以外はすべて①でカバーする……というのが一般的です。

1-3.HCU(High Care Unit)

また、ICUに次ぐものとして、「HCU(High Care Unit)」があります。日本語では「準集中治療室」「集中管理病棟」「重症室」「重症患者病棟」などと呼ばれています。

一般病棟とICUの中間的な存在です。

就職・転職の対象としては、各種のICUのほか、このHCUあたりまで意識しておいたほうがいいかもしれません。

2.ICU看護師の仕事内容

ICUも病棟の一種です。

病棟の看護師の仕事は、大きく分けると、「日常生活の介助」と「医師の診察・治療のサポート」です。

ICUも例外ではありません。ですが、一般的な病棟と比較すると、「医師の診察・治療のサポート」の比重が増え、「日常の生活の介助」の比重が減ります。

病棟の中でも、ICUは「一般的な病棟では対処しきれない重症の患者をカバーする」ということで特別な存在なのです。

「診察・治療」は絶え間なく行われています。なにしろ、「集中治療室」と名前が付いているぐらいですから。

たとえば、投薬にしても、「食後」や「何時間おき」だけではなく、常に行われていることも多いです。点滴は回数も多く、量も増えます。

急変する患者さんも多いのは、いうまでもありません。緊張感の高い職場であることも確かです。

ただし、急変した患者さんがいても、実はそうは大騒動になりません。

というのは、医師や臨床工学技士などのスタッフもすぐに対応しますし、装置や備品類もすぐに使える状態になっています。急変があることが前提で、態勢が作られているのです。

異変を察知するためのモニター機器だけ見ても、たくさんの種類が使われています。心電図検査機器、SpO2(パルスオキシメーター)、Aラインモニター(観血的動脈圧測定機器)、CVPモニター(中心静脈圧測定機器)などがあります。

「それらが示すデータから、いち早く異変を見つけ出す」というのも、看護師の仕事になります。

ただし、いくら機器が発達しても、患者さんの変化をすべてキャッチできるわけではありません。直に接している看護師による観察も、一般の病棟以上に大切になります。

一方、食事・排便・清潔ケアなどのお世話はしたくてもできないことも多いです。すでに日常的な生活は、ほとんどできなくなっていることも多いですから。

これらのお世話をする場合は、治療の合間を縫ってやることになります。

患者さんは意識がなかったり、たくさんの装置類を身に着けていたりなどで、このお世話には一般的な入院患者とは違う難しさがあります。

また、「患者本人のお世話の比重が低い」という代わりでもないのですが、家族への対応が重要になります。

患者さんは自分自身でできることは少ないです。家族のうちのだれかが、つきっきりになっているケースも多いでしょう。自然と家族との接触が増えます。

「集中治療室に入った」ということで、「かなり危ない」といやでも認めざるをえない状況です。家族も不安な気分や焦りを抱えています。こういった人たちにも、状況を説明し、協力してもらわなければなりません。

3.ICU看護師の給料

給料の特徴も、まずは一般的な病棟との比較で考えるのが理解しやすいでしょう。

その特徴としては、「夜勤手当は多め」というのがあります。

というのは、ICUは「夜勤の72時間ルール」の例外扱いです。つまり、夜勤の回数制限がありません。

時間あたりの割増額はほかとは変わりませんが、夜勤をする回数が多い分だけ、夜勤手当が多く付くことになります。

ただし、実際に回数が多くなるかどうかは、病院の方針次第です。

最近増えつつあるのは、「夜勤専門の看護師を使うことで、一般的な勤務(日勤・夜勤を交互にする)の看護師たちの負担を減らす」というパターンです。つまり、「夜勤の回数を抑えている」ということです。

残業手当については、実際に働いてみて、「意外に少なかった」という人もいます。

一般的な病棟であれば、「急変した患者さんがいたので、帰りの時間になっていたけど、そのまま残った」「今日は特にやることが多かった。それらを片付けているうちに定時を過ぎた」ということでの残業がしばしばあります。

ところが、ICUでは急変患者が出ることを前提に態勢が整えられ、勤務者の数やスケジュールが管理もされています。「予定外の勤務になる」ということが少ないです。その分、残業手当も付かないことになります。

これは「予定が立てやすいというメリットと引き換え」と考えれば、納得がいく人も多いでしょう。

福利厚生

また、よその医療機関との比較をする場合に、見落としていけないのが「福利厚生」です。

「家賃補助が出る」「寮や社宅があって、自分で借りるより安い」「育児手当が出る」「病院が所有する保養施設があり、格安で使える」といったことをいいます。

「病院内に職員も使える食堂がある。安くてメニューも豊富」といったことも、この福利厚生の一種です。

給料ではありませんが、もらえる金額が実際に増えたり、出費を抑えることができます。給料がその分高いのと同じことです。

この福利厚生は、一般的に経営規模の大きいところほど手厚くなります。診療所などではほとんど期待できません。

ICUがあるようなところは、大きな病院が多いです。そこへの就職・転職ですから、この福利厚生は少し欲張りになって、高いレベルを求めてもいいでしょう。

4.ICU看護師に必要なスキル

よく、「ICUで扱う疾病には診療科の区別はない。診療科いくつ分ものスキルや知識が求められる」といわれます。

ですが、これはあまりにアバウトな話です。

最初に申し上げたように、ICUにも①「内科・外科を問わない」、②「特定の診療科の中に、さらにICUを設ける」のふたつのタイプがあります。

「診療科いくつ分ものスキルや知識……」というのは、もちろん、①の「Gneral ICU」タイプの場合です。

②であれば、特定の看護分野についての専門性の高さが求められます。

転職するにしても、すでに経験を積んだ人ならば、同じ看護分野のICUを選んだほうが、再スタートもスムーズにできるでしょう。何よりも、それまでの経歴を面接・履歴書でのアピールポイントにもでき、採用もされやすくなります。

たとえば、産科からならば「新生児集中治療室(NICU)」や「母体胎児集中治療室(MFICU)」、脳外科からならば「脳卒中集中治療室(SCU)」「脳神経外科集中治療室(NCU)」といったぐあいです。

また、一般には、「ICUの仕事は緊張感が高い。重症患者ばかりなので、気が休まらない」「看護師にも手際の良さと、素早い判断力、ミスの少なさが求められる」とされることが多いです。

ですが、両方の経験者からは、「一般病棟のほうが緊張感が高い」といったように、全く逆の意見も聞かれます。

これもやはり、「ICUは最初から急変に対応できるように態勢が整えられている」というところから来ています。

もちろん、手際の良さなどは必要です。ですが、一般病棟での勤務経験があり、問題なく勤まっていたのならば、これを理由にして転職に慎重になる必要はないでしょう。

ただ、重症患者を扱うICUならではの大変さがあるのも事実です。

・やることが多いので、同じだけの勤務時間でも仕事内容の密度が濃い。疲労度も高い

・使う機器類が多いので、「機械は苦手」といった言い訳はできない

これらのことは意識しておきましょう。

5.ICU看護師の資格

看護師がスキルアップ・キャリアアップするには、「資格を持つ」というのが有力な手段のひとつです。

ただし、これは必ず通用するわけではありません。病院の中には資格の価値がわからず、「持っていてもなくても、ポストも給料も同じ」というところが少なくないからです。

ICUのような専門性の高い職場でも例外ではありません。

ですから、資格を意識するのならば、「今勤めている病院は資格についてどう考えているか」をチェックし、「場合によっては、「資格を取る準備と同時に、転職も進める」といったことも考えたほうがいいでしょう。

その資格としては、財団法人・日本看護協会が主催する認定看護師・専門看護師がよく知られています。

それぞれ、21、11の看護分野で用意されています。

認定看護師

認定看護師の場合、①の「Gneral ICU」タイプであれば「集中ケア認定看護師」があります。

②の「特定の診療科の中のICU」の場合だと、そのものズバリなのは、「新生児集中ケア認定看護師」ぐらいです。

ですから、それ以外の診療科(看護分野)の場合は、「集中ケア認定看護師」で考えるか、それぞれの看護分野に近い認定看護師を目指すことになるでしょう。

専門看護師

専門看護師の方は「急性・重症患者専門看護師」の1種類だけです。

専門看護師の場合、「その看護分野の中でも、さらに自分でテーマを定める」といった形になっています。①②のどちらであっても、この「急性・重症患者専門看護師」でカバーされています。

これらは日本看護協会の試験をパスする必要があります。ただ、合格率は高いので、この試験自体はそれほど高いハードルにはならないでしょう。

認定看護師、専門看護師、資格があると給料はアップする?

6.ICUで働くメリット・デメリット

6-1.メリット

ICUのメリットは、「仕事のやりがいの高さ」、「スキルがアップしやすい」、「将来性」といたところでしょう。

これらは、①の「Gneral ICU」であれ、②の「特定の診療科の中のICU」であれ、大きくは変わりません。

患者さんは重症で、しかも目の前の危機を乗り越えなければならない状態です。

これを逆に見れば、「治療の効果がすぐに表れる」「命の危険さえあった人が、自分たちの治療や看護で命を救われる」ということです。

これに看護師としての喜びややりがいを感じない人はいないでしょう。

また、この記事の中でも先にご説明したように、勤務時間の中での仕事の内容が濃いです。その分、スキルや知識は早く付きますし、内容的にも充実します。一人前になるのも早いでしょう。

それをうまく使って、「できるだけ若いうちに、ICUを経験しておく。それで鍛えてもらって、その後でもう一度看護師としての将来を考えなおす」というのも、賢明な将来設計です。

なにしろ、ICUで経験を積んだならば、そのあとはいろいろな道が開けています。

そのままICU看護師としてのエキスパートになりたいのならば、認定看護師・専門看護師などの資格を取るコースもあります。

また、「ICUがあるようなところは大きな病院が多い」というのは大事なポイントです。「働いている看護師も多い分、チーフ、看護師長、看護部長などのポストもたくさんある」ということです。

それらの地位を駆け上っていくことを目指すコースもあります。

さらに、「ICUの看護師は十分に鍛えられている」ということから、ほかの診療科でも大歓迎です。

「転職がしやすい」ということです。

①の「Gneral ICU」の経験者であれば、「内科系・外科系を問わず、様々な疾病の看護を知っている」ということから、町の中の規模の小さい診療所(医院・クリニック)、訪問看護センターはもちろんのこと、福祉施設、企業・学校の医務室といった医療機関以外への転職にも有利です。

②の「特定の診療科の中のICU」の経験者ならば、関連する診療科であれば、病棟、外来とも転職先の有力な候補になるでしょう。

6-2.デメリット

「やりがいが高い」と説明したばかりなのですが、一部にはやりがいが実感できない看護師さんもいます。

というのは、患者さんはろくに口も聞けない状態です。それどころか、意識さえないかもしれません。

いくらか良くなると、すぐに「HCU(準集中治療室)」や一般病棟に移っていきます。

「患者さんとじっくり話をする余裕もない」「すっかり良くなる姿も見てみたい」というのが不満として残るようです。

また、「72時間ルールの適用外なので、夜勤の回数が多い場合がある」ということは、やはり重くのしかかります。

「仕事内容も気に入っていて、月給やボーナス(賞与)などの待遇にも不満はない。だけども、体がついていかない」といって、退職したり、ほかの診療科に移っていく看護師さんがどうしても出てきてしまいます。

7.ICUへの転職の注意

ICUでは重症患者を扱うことから、看護師の仕事内容や待遇にも、「仕事がハード」「給料が高い」というイメージがつきまといます。

また、そのイメージのままに、具体的な例もなしに、ICU看護師の特徴の説明がされることも珍しくありません。

ですが、先にご説明したように、一般的な病棟看護師との比較であれば、必ずしも「仕事がハード」でも、「給料が高い」でもありません。

「夜勤の回数が多い」というのも、夜勤専門看護師を採用することで、その回数を減らしている場合もあります。

また、逆に自分のほうが、割りきって夜勤専門看護師になる道もあります。

「日勤・夜勤が入れ替わるよりも、夜勤ばかりのほうが体が楽」「昼間の時間がうまく使えるので、家庭との両立もしやすい」といったように、こちらにメリットを感じる看護師さんも意外に多いようです。

このように、イメージだけで考えていると、ほかの診療科以上に見誤ることが多いのがICU看護師です。

もちろん、仕事内容や夜勤の回数、待遇などは、その病院ごとに違います。ですから、「大変そうだ」などと敬遠する前に、一度しっかりと情報を集めてみましょう。

この場合、看護師転職サポートを利用するのもひとつの手です。

「実際の夜勤の回数」「残業になることが多いか少ないか」などは一般的な求人情報ではわかりません。その情報を看護師転職サポートの担当者から手に入れるのです。

ただし、どの業者でもいいわけではありません。中には病院に電話ででも聞けばわかる程度の情報しか持っていないようなところもあります。

ですから、まずは登録し、担当者とも会ってみましょう。その上で、候補となるような病院に何度も足を運んでいて、信頼できそうなところだけを残します。

ただし、業者の数は1社に絞り込まないほうがいいです。というのは、業者ごとに持っている案件が違います。3、4社ぐらい使っていないと、せっかくどこかの病院が好条件の求人を出していても、知らないままになる可能性があります。

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