胃管の挿入のポイント~苦手な看護師が多い、隠れた難関

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胃管挿入も、なかなかうまくいかないということで、悩んでいる看護師さんが多いものの一つでしょう。

理由の一つには、患者さんが嫌がる、苦しがるという点があります。

また、患者さんの症状や体の特徴からも、簡単にできる場合とそうでない場合がはっきりと分かれます。すっとできないことがあるということですね。

とはいえ、ちょっとしたコツをつかむことスムーズにいきはじめます。

また、この胃管挿入も大学病院では、主に若手の医師の仕事にされています。看護師はノータッチです。

もちろん、診療科によってはどんな病院でも全くかかわりがありません。

こういったところで育った人は、胃管挿入がネックになって、転職先の幅を狭めたり、あるいは転職した後に苦労をすることになります。

少ないながらも機会のある人は、しっかりとマスターするようにこころがけ、苦手にしないようにしたほうがいいでしょう。

ポイント①準備するもの

まずは、当然のことながら、胃管です。

胃管を使う目的、患者の体格、男女の性別などで種類やサイズが決まります。

あとは、潤滑油、カテーテルチップ型シリンジ、固定用テープ、聴診器、ハサミなどです。また、ガーゼ、手袋、エプロン、マスクなどはディスポーサブルのものを用います。

ポイント②スタンダードプリコーション

ほかの措置でも必要だが、胃管の挿入なので一層の注意をというのが、このスタンダードプリコーションです。

つまり、せっけんや消毒剤、洗剤などを使っての細菌除去です。というのは、胃管の挿入は、患者へも看護師へも感染症の危険性が高いからです。

手袋やエプロンなどもディスポーサブルのものを使うのはこのためです。

また、日ごろから、つめは短く切っておくマニキュアはしないということを心がけておく必要もあります。

ポイント③患者や家族への説明

患者本人や付き添いの家族への説明も、スタンダードプリコーション同様に、ほかの措置でも必要だが、胃管の挿入なので一層の注意をです。

というのは、患者が協力しないと、入るはずの胃管もすんなり入りません。また、苦しむこともあるので、その様子を見て、患者本人や家族が騒いでしまうことだって、可能性としては高いのです。

それ以外に事前の準備としては……

1.処置用シーツを胸に当てる。(衣服を汚さないため)

2.ガーグルベースンを患者自身に持ってもらう。(嘔吐への備え)

3.体位はセミファウラー位が基本。(頭部と上半身が15~30度)

……です。

ポイント④挿入

1.管の先端に潤滑油を塗る。

2.指をペンを持つような形にして保持する。

3.入れていく角度は顔面に対して垂直。でないと、鼻甲介を傷つける可能性が高まる。

4.咽喉にあたって止まってしまうようならば、患者さん自身に飲み下してもらう。この際、あごをやや引き気味にしたほうが飲み下しやすい。

5.口腔内を確認して、管が曲がっていたり巻いていないか確認する。

ポイント⑤挿入後の確認

管を全部入れたといって、それだけでは全く安心できません。目的の位置(基本的には胃)に届いているかどうかの確認が必要です。

また、失敗して入れてしまう可能性が高いのは、気管です。

このチェックには、まずカテーテルチップ型シリンジを使います。正しく胃管が届いていれば、シリンジを接続したら、胃液が逆流してくるはずです。

次にこのシリンジを通して、胃に空気を送り込みます。ちゃんと届いていれば、聴診器を通して、胃の中の泡の音が聞こえるはずです。

最終的にはレントゲンを撮り、医師がその画像で位置を見ます。

ポイント⑥挿入後の固定

胃管のチューブにはガイドワイヤなどとよばれる針金が入っています。ある程度の硬さがないと、チューブが奥に進まないからです。

挿入後はこれを抜きます。

また、固定用テープを使って、チューブを顔面で固定します。

7センチほどの長さに切り、縦に切り込みを入れます。この切り込み側でチューブをぐるぐる巻きにし、残りで患者さんの鼻に張り付けます。

また、もう一か所、ほおあたりでも固定すると抜けにくくなります。

ポイント⑦うまくいかない時は

もし、うまく入らなければ、何度もやり直しをすることになります。当然、患者さんの不快感や苦しさは増すばかりです。

工夫の一つとしては、体位を変えるがあります。

最初に試したのが、セミファウラー位ならば、ファウラー位にします。つまり、もう少し上半身を立ててみます。

また、局所麻酔用のゼリーを使う場合もあります。これで痛みや不快感が軽減されます。

また、看護師さんそれぞれが自分の経験から工夫している場合があります。

たとえば、チューブを冷凍庫で凍らせておくチューブに蒸留水を入れるというのがあります。

これはチューブを固くする重くするということで、操作をやりやすくする方法です。

また、気管チューブを使う方法もよく知られています。

気管チューブのほうが太くて硬いので、通しやすいのです。

先に気管チューブを入れ、胃管はその中を通すのです。それで、十分に入ったら、胃管は残して気管チューブだけを抜き去ります。

気管チューブが一本消費してしまうので、使い古したものを用意するということが多いようです。

ほかにも裏ワザとして伝えられているものはいくつかあります。それだけ皆さん、苦労をしているということですね。

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