医療ミスを避けるための注意点
看護師に任される仕事の中で、もっとも医療ミスを起こしやすいのが、「処方・与薬」です。
「投薬方法の間違い・勘違い」「分量の間違い」「医薬品の取り違え」もあれば、「相手の患者さんを間違える」といったことも起こります。
また、医師の処方や指示が間違っていて、それに従ったばかりに、看護師さんが医療ミスの当事者になることもあります。
与薬事故防止の6R
これを防ぐためによく勧められているのが、「与薬事故防止の6R」と呼ばれる確認です。
①正しい患者(Right Patient)
②正しい薬剤(Right Drug)
③正しい量(Right Dose)
④正しい時間(Right Time)
⑤正しい方法(Right Route)
⑥正しい記録(Right Record)
看護師さんが医療ミスを起こしてしまう理由はいくつもあるでしょう。その中のひとつが、「自分のペースでは仕事をさせてもらえない」です。
いくつも同時に作業を抱えていたり、さらにその途中で医師からの指示が飛んでくることもあれば、ナースコールがあったり、患者さんが頼ってきたり……作業が中断することは常にあります。
どうしても、「どこまで確認したか」があやふやになってしまいます。
それによるミスを防いでくれるのが「6R」です。これも中断するようならば、もう一度最初から始めます。
これを薬剤の準備の際と、実際に患者さんに投与する前の2回行います。
ただ、この「6R」もあくまで基本で、最低限ということです。
病院によっては、これらの確認を必ず二人でやるようにしたり、対象を必ず指で差した上に、声を出して読み上げるといった工夫を義務付けているところもあります。
処方・与薬」の注意点
また、それ以外の「処方・与薬」の注意点としては
・患者さんのアレルギーのチェック
・与薬後の患者さんのコンディションの観察
・調剤された薬剤の管理(温度管理、遮光など)
などです。これらも看護師さんの仕事です。
また、「処方・与薬」に限らず、ほかの作業でのミスを防ぐための日ごろの心がけとして
・医薬品や医療・看護に関する勉強を欠かさない
・疲労をため込まないようにする
ことが必要です。
もし、医薬品や医療機器に関する知識があれば、それだけ自分の判断で医療ミスが防げます。
常に勉強が必要
医学の進歩はめまぐるしいので、ひょっとしたら、昔覚えたことが今では通用しなくなっていることさえあるかもしれません。
スキルや知識の中には「当時はそれがベストとされていたけれども、今では患者さんのためにならないと考えられている」とか「今は正反対のことをやるのが常識」といったものまであります。
常に勉強が欠かせないのは、看護師ならではの宿命と考えましょう。
医師の指示でも確認すること
また、医師からの指示が必ずしも正しいわけではありません。
「先生、この薬の分量は大丈夫ですか」「この機器の使い方が間違っているので、正しいデータが出ていない」といったように、医師に対してダブルチェックをするような立場にもなれます。
そうすることで、医師がするかもしれない医療ミスを防ぐことにもなります。
自分の体調管理がやっぱり大事
また、今の看護師不足の状況ではなかなか難しいのが現実ですが、疲労やストレスはできるだけ解消するようにしておきましょう。
「疲れきっている。寝不足。それで判断力が鈍っている。体も十分に動かない」といった状況では、普段ならばやらないようなミスも起こしてしまいます。