家族心理士・家族相談士ってどんな仕事なの?

カウンセリングのスキルが注目されています。

看護師の職場は医療機関以外にも広がっています。企業・学校の医務室や福祉施設もその例です。

こういったところではナースとしての本来の仕事である看護以外の仕事も任されます。

最近になって特に重要視されているのが、「カウンセリング」の能力です。

従業員や学生、お年寄りなど、あらゆる年代・立場の人たちに、精神面でのトラブルを抱えることが増えています。また、企業など側でも対策の必要に迫られています。

カウンセリングの資格の中で、最も本格的なものとしては「臨床心理士」があります。看護師の資格と合わせて持っていれば、これほど心強いことはないでしょう。

ただし、臨床心理士の資格を取るには、心理学関連の大学院を終えるなど、高いハードルがあります。

臨床心理士以外に同種のものは

①数日間で、カウンセリングの概略が理解できるような講座や資格

②カウンセリングの中でも特にジャンルを限って、集中的にノウハウや知識をつける講座や資格

などがいくつも用意されています。カウンセリングに対する関心の高さの反映でしょう。

家族相談士

②のうちのひとつが「家族相談士」です。

この「家族相談士」の講座・資格制度は、「日本家族心理学会」と「日本家族カウンセリング協会」の両者が協力して運営しています。

始まったのは1992年で、制度の目的は「家族への心理的な支援のできる専門家を養成し世に送り出すこと」です。

この資格を取るには、まずは「日本家族カウンセリング協会」が用意した講座を受講します。

平成27(2015)年の場合で、5月~11月、主に土曜日・日曜日で21回の講座がありました。ほとんどが13:30~15:00、15:15~16:45の2時限です。

会場は東京都文京区の日本女子大でした。

講座内容をいくつかピックアップすると、「夫婦関係の心理学」「家族ライフサイクルと危機管理」「家族と社会問題(いじめ・非行)」「家族臨床事例」などとなっています。

これを修了して、さらに書類審査(12月下旬)、筆記試験・面接審査(2月初旬~3月初旬)にパスすれば、はれて「家族相談士」となります。

また、「家族心理学の領域で、研究実績及び臨床実績を有する」場合は、講座を受けずに、書類審査から始めることもできます。

この「家族相談士」の資格を持ち、ノウハウを身につけることで役立つ職場としては、企業や学校の医務室、介護・福祉関連の事業所、行政機関内の福祉関連部署など様々なところが考えられます。

家族心理士

また、この「家族相談士」には、「家族心理士」という上級の資格も用意されています。

こちらは書類審査と面接審査などで合否が判断されます。

「家族心理士」の審査を申請するための条件は……

・家族心理臨床研修センターが実施する「家族心理士研修課程」を修了後、1000時間以上の家族援助の臨床経験がある者

・大学院博士前期課程(修士課程)において、家族に関する心理・臨床領域における研究により修士号を取得し、かつ 1000時間以上の家族援助の臨床経験がある者。

・「家族相談士」の資格を取得した後、家族に関する心理・臨床領域について研究し、2年以上 1000時間以上の家族援助の臨床経験がある者

……などとなっており、特に臨床経験が重要視されています。

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