大学保健室の看護師の業務内容は?
大学の保健室に看護師として勤める場合、その仕事内容や特徴は、企業の保健室とかなり似通っています。
ですが、相手が従業員ではなく、学生さんが中心です。主な違いはそこから来ます。また、忘れていはけないのが、学生さん以外に教員もいれば、職員もいることです。年代も様々でしょう。
ですから、事務系企業の医務室と同じだけの仕事内容もこなす必要があります。
目次
1.業務内容
具体的な業務内容といえば
①病気やケガなどの応急処置
②定期健康診断の手配と実施
③健康相談
④簡単な検査など
といったことです。
1-1.病気やケガなどの応急処置
ほとんどの大学で保健室の勤務は看護師ひとりきりです。常勤の医師もいないでしょう。
看護師が2人、3人といるのは、よほど大規模な大学か、体育大のようにケガや健康の対策に特に力を入れているところだけです。
また、キャンパスが複数ある場合、「看護師がいるのは、本部があるようなメーンのキャンパスだけ。ほかのキャンパスは休憩用ベッドと救急箱が置いてあるだけ」といったことも多いです。
大学では大勢の学生が学び、また、スポーツなどに打ち込んでいます。そのため急患が出たり、ケガが出ることもあります。
保健室に駆け込んできたり、逆に看護師さんがその場に駆けつけることになります。
といっても、ここで行われるのは、あくまで応急処置までです。本格的な治療が必要ならば、病院へと送り込むことになります。その「病院へ送るかどうか」といった判断は保健室勤務の看護師さんに任されるでしょう。
1-2.定期健康診断の手配と実施
先程いったように、「看護師はキャンパスにひとり」というだけではなく、多くのところで「大学全体でひとり」です。
自動的に保健室の看護師さんが、大学全体の健康診断の責任者になります。
実施の時期、検査項目といった健康診断の内容を企画する必要があります。当日はもちろん自分が中心になって、健康診断を進めていきます。
1-3.健康相談
中心となる相手は学生さんですから、20歳前後の若者特有の内容も多いでしょう。
「バイトと学業の両立が難しくて、心身ともに参っている」「慣れない一人暮らしを急に始めたので、体調管理ができない」といった人が保健室を訪れます。
性に関することも相談内容に含まれてくるでしょう。
さらに学生に加えて、教員・職員がいます。これらの人は年代もバラバラで、中高年もいます。そういった人たちからの相談も受け付けることになります。
1-4.簡単な検査など
これは「バイタルチェック」程度のものを考えておけばいいでしょう。
検査機器もそろっていませんし、本当に必要があれば、やはり病院に送ることになります。
1-5.その他
1-5-1.メンタルケアも重要
最近は学生も、教員・職員も、メンタル面でのトラブルを抱えている人がたくさんいます。カウンセラーの基本的なノウハウぐらいは必要とされるでしょう。
1-5-2.留学生、外人も
また、大学によっては、かなり異なりますが、留学生、外国人教員がたくさんいるようなところもあります。
こういったところに採用されるには、語学力が大きなアピールポイントになります。健康相談も英語などで行うことも考えられますから。
1-5-3.パソコンは必須
健康相談は今の時代でしたら、メールでやり取りすることは珍しくありません。また、「健康だより」といった学内向けのパンフレット類を作ることもあるでしょう。
さらには、事務上の書類を作る必要もあります。何しろ、自分自身が保健室の責任者なのですから。
エクセル・ワードなどの基本的なパソコンソフトを使えるようにしておかないと、業務に差し支えるでしょう。
2.大学保健室(医務室)の仕事で必要な看護知識・専門知識はどんなもの?
大学保健室で必要とされる知識は看護に関するものだけではありません。
また、その大学ごとに必要とされる知識も微妙に異なっています。
2-1.看護知識
まず看護知識についてです。
一般的な大学であれば、特に歓迎されるのは臨床関係、なかでも救急医療の知識と経験です。
というのは、大学では20歳前後の若者が数百~数千人学んでいます。また、大学によっては、体育会系の運動部の活動が盛んなところがあります。
また、忘れてはいけないのが、教員・職員です。大学によっては、60代・70代といった高齢の教授がたくさんいるところもあります。
こういった人たちが、急病になったり、ケガになったりといったことは、深刻ではないことまで含めると毎日のように起きています。
それらに対処するのが保健室であり、そこに詰めている看護師さんです。
ただ、救急医療経験者しか採用されないということではありません。3~5年、あるいはそれ以上の臨床経験があれば、十分アピールしていいでしょう。
資格・免許の面では正看護師でも准看護師でも特に区別されることはないようです。
2-2.保健師資格は有利
また、必要とされる専門的な知識は看護関係だけではありません。
本来の看護師の仕事としては範囲外になるのですが、保健に関する仕事もたくさんあります。学生や教員・職員の「健康管理」の仕事までカバーする必要がある、ということです。
実際の募集要項を見ても、例えば早稲田大学の場合では、
・看護師資格を有する方 ※保健師資格を有する方がより望ましい
・看護師または保健師としての実務経験を5年以上有する方 ※産業保健、臨床、学校保健、いずれの経験でも可
といったように「保健師」としての知識・スキル・能力が尊重されていることがわかります。
もし、募集要項には
・保健師もしくは看護師資格を有する方
とだけあっても、保健師の資格も持っている方が有利になると考えておいたほうがいいでしょう。
3.カウンセリングに関する知識
また、同様に看護師本来の仕事の範囲には入りませんが、「カウンセリング」に関する知識やスキルは必要です。
というのは、大学の世界でも企業などと同様に、精神面のトラブルを抱えている人が増えています。
その精神面のトラブルの典型的なものをひとつだけ挙げると鬱(うつ)があります。
鬱に悩んでいる学生や教員・職員の相談相手になることも医務室の看護師さんには期待されているのです。
これまで病院勤務しかしていないのであれば、自分自身でも「カウンセリングを担当するような能力があるかどうか」はわからないでしょう。
もし、大学保健室への転職を意識するようであれば、カウンセリングに関する資格講座を受けておくのもひとつの方法です。
「メンタル心理カウンセラー」「メンタルケアカウンセラー」「メンタルケア心理士」など様々なものがあります。
いずれも受講期間は短く、これらだけで十分にカウンセラーとしての能力がつくようなものでないのも事実です。
ですが、感触はわかります。また、これらの資格を持っていることで、面接などの時に「ちゃんと保健室の仕事に興味を持っている」「思いつきで応募したのではない」というアピールになります。
より本格的なカウンセラーの資格としては、「臨床心理士」があります。こちらは指定の大学院を修了するなどの条件があります。
資格を取るためのハードルは高いものの、本当に持っていれば強力なアピールポイントです。
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