大学医務室(保健室)で働く看護師の年収・月収はどれくらい?
大学保健室に転職したら、給料は今(病院勤務など)と比べてどうなるか?という点は気になるところです。
目次
1.給料は下がる?
1-1.一般的
一般的にいって、手取りは下がることが多いです。というのは、夜勤はまったくなく、残業も少ないので、その分のお手当がないからです。
ですが、体は楽です。また、急な呼び出しもありません。「休憩時間が飛んでしまうぐらい、毎日仕事に追われている」という状況もありません。
「決していい給料ではない。だけども、割は悪くない」といったところです。
1-2.雇用形態でいろいろ
ただし、今の時代、大学保健室で採用されている看護師さんの雇用形態は様々です。
どういった身分(雇用形態)で採用されているかで、かなり年収・月収は変わってきます。
2.正規職員
会社でいえば「正社員」に当たります。特別な事情がない限り、定年まで勤めるのが前提になっています。
「保健室を大学が直接運営」し、しかも「大学に正規職員で採用される」という2つの条件が必要です。
給料は「基本給」プラス「残業代などの各種手当」で計算され、月給制です。
年に2回、ボーナスがあるほか、数年勤めれば退職金が出るのが一般的です。
転職直後の金額でいえば、月給で20~25万円、年収で400万円前後が平均的なところでしょう。
もちろん、その大学ごとの規定や、自身の看護師としてのキャリア、年齢などで違ってきます。
また、福利厚生をフルに受けることができるのが、ほかの雇用形態と比べての大きなメリットです。
通勤のための交通費補助も上限が高いほか、職員住宅や寮が用意されている場合もあります。
住宅手当として、月々3万円以上が出るような大学もあります。住宅手当がない場合に比べて、実質給料が3万円以上高いのと同じようなものです。
3.契約職員・嘱託職員・パートなど
「契約社員」や「パート」などの言葉に決まった定義はありません。
ですから、これらの言葉で募集されていたならば、それぞれに条件をしっかりとチェックしなければなりません。
雇用期間にしても様々です。「1年ごとの更新」「2年までで、更新はなし」など様々なパターンが考えられます。
給料は時間計算が基本です。1,500円から2,000円といったところです。
ボーナスは基本的にありません。運が良ければ、「寸志」などの名目で数万円出ることが考えられる程度です。
福利厚生はほとんど期待できません。職員住宅・寮が利用できないだけではなく、住宅手当もありません。
勤務日や勤務時間は様々なパターンがあります。
「週に5日のフルタイム」と正規職員と変わらないような場合があるかと思えば、「水・木のみ」や「平日の午後のみ」といったものも見られます。
家庭重視のママさんナースならば、まず検討してみる働き方でしょう。
ただし、「水・木のみ」などの条件は自分の方の要望を聞いてもらえることは少なく、たまたま一致している必要があります。
4.そのほか
付属病院があるような大学の場合、保健室も付属病院が管理・運営していることがほとんどです。
保健室担当の看護師は、付属病院から派遣します。
ただし、まれにではありますが、大学病院看護師の募集と一緒にして、保健室担当の看護師の募集が出ることがあります。
月給の計算方法、雇用形態などは、その大学付属病院の規定通りになります。
また、保健室の業務を丸ごと、外部の民間病院に委託する大学も出てきました。
看護師を雇うのも、大学ではなく、その民間病院です。やはり月給の計算方法などは、その病院の規定次第です。
大学保健室で働くときの勤務体系。残業はある?
大学保健室で働く看護師さんの雇用形態には、「正規職員」と「非正規職員」があります。
一般的には、正規職員の方を望む人が多いでしょう。給料は月給制ですし、定年まで勤めることができるなど、身分も安定しています。
一方、非正規職員の場合は、給料は時間給制で、雇用期間も限定されています。
ただ、非正規職員の場合の勤務体系は、大学ごとに様々な形が採られています。選択肢が多い分、看護師さんの中には、「むしろこちらのほうが働きやすい」という人もいます。
「どちらになっているか」「どのような勤務体系になっているか」は、募集の時にしっかりと示されているはずです。それぞれの特徴をつかんで、自分に合っている方を選ぶようにしましょう。
1.正規職員
会社でいえば、「正社員」です。
勤務形態は、「フルタイム」になっていると考えていいでしょう。
この場合の「フルタイム」とは……
・勤務日は原則として月曜日~金曜日。土日祝日は休み。大学祭など大きな学校行事があれば休日出勤の可能性もある。その場合は振り替え休日がもらえる
・夏休み・正月休みなどは、世間一般のカレンダー通り
・勤務時間は大学によって多少の違いはあるが、「午前9時~午後5時」といった形。もちろん夜勤はなし。残業はまれで「事務仕事などが立て込んだら、あるかもしれない」といった程度
……です。
「一般的なOLさんの生活」と考えたらいいでしょう。病院のローテーション勤務で疲れきった人には別世界ですね。
2.非正規職員
「非正規職員」には、「契約職員」「臨時職員」「パート」「アルバイト」などが含まれます。
これらの用語はしっかり区別はされていないようです。
ですから、募集している案件ごとに、その条件・内容をチェックする必要があります。
「契約期間」にしても、「契約職員」の場合も「パート」の場合も、「1年ごとの更新」「3年までで、更新はなし」などがあります。特に決まった形はありません。
勤務日や勤務時間は、正規職員とほとんど変わりがないフルタイムの場合もあります。これは「契約職員」としている場合にやや多いです。
「パート」や「アルバイト」としている場合は、時間や曜日を限定して募集されることが多いようです。
例えば、「平日の午後のみ」「月・火・水の朝から夕方まで」といったような形です。
大学保健室の勤務はほとんどのところで1人です。多くても2、3人です。
自分が勤務していない曜日や時間帯は、別のパートさんやアルバイトさんが入ることになります。
「土日が休み」「夏休み・正月休みなどは、世間一般のカレンダー通り」などについては、正規職員と同じです。