男性看護師のやりがいは?需要、年収はどれくらい?

男性看護師の募集も増えています。現場では、男性看護師の姿も珍しくなくなってきています。

1.男性看護師はどのくらい増えている?

数が少ないとしばしば話題になるのが、男性看護師です。ですが、着実に増えていることには間違いありません。

1.男女比

1-1.現在

厚生労働省の資料(平成24年)によると、看護師全体に占める男女の人数と割合は……

正看護師
男性=63,321人、6.2%
女性=952,423人、93.8%
准看護師
男性=23,148人、6.5%
女性=334,629人、93.5%

……となっています。

大まかに「正看護師も准看護師も、15人か16人に1人が男性」ということになります。

1-2.10年前

ちなみに10年前(平成14年)は……

正看護師
男性=26 ,160人、3.7%
女性=677 ,753人、96.3%
准看護師
男性=22 ,726 人、5.8%
女性=370 ,687 人、94.2%

……です。

・准看護師

准看護師はそれほど大きな変化はありません。准看護師の制度はしばしば廃止が検討されるぐらいです。

・正看護師

これからの変化を考えるには、正看護師の数字を見るべきでしょう。

正看護師に限っていうと数は2.4倍、比率は1.6倍ほどになっています。

2.どの診療科に多い?

2-1.精神科

以前から男性看護師の比率が高かったのが、精神科です。どうしても病気の症状から、「暴れだす」「情緒が不安定」といった患者が多く、腕力が必要だったからです。

2-2.集中治療室、手術室

やはり腕力が必要になりがちなところです。

2-3.泌尿器科、形成外科、皮膚科

「男性固有の悩み」で訪れる患者が多いところです。「たとえ看護師であっても女性には見られたくない」という気持ちをくんでのことです。

ただ、今ではこういった特定の診療科や部署ではなく、いろいろなところに進出しています。

「どこかに集中的に男性看護師を置く」というよりも、「女性看護師の中に一定比率男性看護師を交ぜる」というのが最近の傾向です。

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男性看護師の必要性

男性看護師といえば、以前は「女性社会の中での全くの少数派」「特に必要としているのは、精神科など腕力を期待されるところばかり」というのが一般的な理解でした。

ですが、徐々にではありますが、人数も比率も高くなってきています。と、同時に、内科、外科といった一般的な診療科にもどんどん進出しています。

「ひとつのフロアや部署には必ず1人は男性看護師も所属させる」といったことを意識的にやっている病院も珍しくなくなりました。

こうする理由はいくつかあるでしょう。

①どんな診療科でも、どうしても力仕事がある。また、機器類の操作なども男性の方が得意

②女性ばかりの職場環境ではギスギスしがちなので、“中和剤”としての役割を期待

③整拭・排泄の世話などの際、女性看護師だと恥ずかしがったり、遠慮する男性患者がいる

……といったあたりが代表的なものです。

男性看護師の悩み

ただ、実際に配属されてみると、やりにくいこともあるのは事実のようです。なんといっても、患者さんらの方ではまだまだ、「看護師は女性」という思い込みも強いのです。

たとえば、患者さんの方から、性別を理由に「担当を変えてくれ」といわれるのは、男性看護師ばかりです。

また、「女性ばかりの職場に放り込まれて、心細い思いをした」という人だって珍しくありません。

とはいえ、最初に申し上げたように、着実にその存在感を増してきています。また、数が増えるに従って、悩みを共有できる相手も増えてきているようです。

男性看護師のやりがい

「患者やその家族が信頼をよせてくれている。感謝の言葉もありがたい。患者の症状が改善していくのが、自分自身の喜びにもなる」

「一生懸命やったことを、患者やその家族も理解してくれる。元気になった姿を見ると、また次もがんばろうと思う」

「スキルを獲得し、知識もつけていくことが、患者の幸せにもなる。直接的に人の役に立つ仕事だと思う」

男性看護師らのインタビューや座談会をみると、こういったところが「仕事のやりがい」の代表的なものでしょう。

こうやって見ると、やりがいに関しては「特に男性だから」といって、女性看護師とは変わらないように見えます。

 

ただ、特に男女を意識しての回答もみられます。

たとえば……

「女性はどうしても非力なので、体力・筋力面で頼りにされる。ただ、それだけではなく、精神面でも男性の役割を、患者からも同僚からも期待されているのをひしひしと感じる」

……といったところが代表的なものでしょう。

「男性の役割」をもう少し具体的にいえば、体力面としては……

「患者さんを運んだり、体の向きを変えてあげたりといった時には、患者さん、家族、女性看護師からは心強く思われる」

……といった回答がよくあります。

また、精神面としては……

「男性の患者さんからすると、話しかけたり、お願いするのに気を使わなくていい」

…といったものがあります。

これら以外では……

「操作の難しい機器類があると、女性看護師から頼りにされる」

……といったこともあるようです。

こうやって見ると、「やりがいについては男性看護師だからといって、特に変わることはない。ただし、現場の中では男女で役割分担をしているところもある」といったところのようです。

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