復職支援セミナー(復職支援研修)について
「出産で退職したけど、もう一度、看護師として現場に出たい」
「働きたい気分はある。だけど、何年もブランクがあって、不安」
……という元看護師さんは多いでしょう。
そういう場合は、「復職支援セミナー(復職支援研修)」に注目してみましょう。
1.セミナーの種類は2つ
一口に「復職支援セミナー」といっても、大きく分けて2つのタイプがあります。
1-1.復職に向けての情報を提供するもの・心の準備をしてもらうもの
内容
・再就職するための心構え
・医療・看護・医薬品業界の現状
といった講習が中心になります。
つまりは……
・看護師不足はこのぐらいの問題になっている
・医療・看護はこのぐらいまで進んでいる
・看護師に任される仕事の範囲は、今と昔ではこれぐらい違う
……といった話と考えていいでしょう。講師の多くは現職の看護師です。
期間
午前・午後とも使い、2~5日間ぐらいのものが多いようです。
中には、最終日に「合同就業説明会」が用意されているものもあります。
復職のための情報が得られて、さらに病院など実際に求人を出す側とも顔合わせができるわけです。
費用
無料です。
1-2.基礎的な看護技術の再チェックのためのもの
内容
いくつか例を挙げると……
・採血・注射の演習
・感染予防
・急変時の対応
・医療機器の操作
・心肺蘇生術
……などがあります。
また、病院や福祉施設への「見学」や、患者さんを相手にした「臨床実習」が組まれている場合もあります。
「新人時代にたたきこまれたようなスキル・知識のおさらい」と考えておけばいいでしょう。
ただ、これらの項目すべてを一気にやることは、まずはありません。
「採血、点滴、吸引など」「心電図 不整脈と緊急度」といったようにテーマを絞って行われることがほとんどです。
期間
内容次第ですが、たいていは1日で終わり、時間も2、3時間程度です。講師は現職の医師・看護師、医療系大学の先生などです。
費用
無料のことが多いです。ただ、実習があるような場合は、看護職賠償責任保険の加入が条件になっていることがあります。この費用は自分持ちです。年間3,000~5,000円程度です。
2.参加資格
参加は「現在離職中で、就業先の決まっていない人」が原則です。免許は正看護師・准看護師があれば、どこでも大丈夫でしょう。中には、助産師や保健師まで対象にしているところもあります。
また、注目しておいて欲しいのは、②の「基礎的な看護技術の再チェックのためのもの」の場合です。「復職後1年(2年)以内」としているところも多いです。
つまり……
「復職し、実際に看護師をやっている。だけど、やはり注射や採血は不安」「いまさら、新人みたいなことを尋ねにくい」といった場合、もう一度勉強し直すこともできる
……ということです。
3.セミナーを探すには
①の場合も、②の場合もよくあるのは、各地の都道府県看護協会、都道府県や市などの地方自治体が主催しているものです。大学病院や民間の大手病院のものも珍しくありません。
中には、看護師専門の転職サポートサービスが行っているものもあります。
どこが主催しているものであっても、セミナーを受けたからといって、必ず復職しなければならないようなものではありません。逆に、うまく使えば、実際の復職活動と研修を同時に進めることもできます。