復職するときのしておいたほうがいい準備や勉強は?
復職するには、もちろん、復職先の採用試験に通らかければなりません。そのために履歴書の書き方、面接の受け方などのノウハウは必要です。
それとは別に、復職のための就職活動をしていた皆さんが、「事前にこれをやっておけばよかった・やっておいてよかった」としていることをピックアップしてみました。
目次
1.勉強をし直す
「勉強をし直す」にはいろいろありますが、まずは「学生時代に使った教科書をおさらいする」ぐらいから始めるのがおすすめです。
一回はマスターしたことなので、取り付きやすいでしょう。
2.最新の医療・看護の情報を収集する
現役を続けていても、看護師は常に勉強が必要です。何しろ、最新の医療・看護技術は常に現場に入ってきています。
数年も離れていたら、すっかり“浦島太郎”の状態です。
医学・看護関係の雑誌や新しい本などを読み進めるようにしましょう。
3.復職支援セミナーを受ける
また、これは③と同時に進めてもいいかもしれません。
①と②は独学になります。③ならば、ちゃんと先生もつきます。
最近は看護師不足が深刻化しているため、医療機関や行政側でも、家庭に入ってしまった看護師さんを呼び戻すのに必死です。
復職のためのセミナーやプログラムもいろいろな種類のものが用意されています。
大きく分けると、看護師協会が主催するものと、個々の病院が主催するものがあります。
こういったものの中には、講義だけではなく、模型などを使っての注射や吸引などの手技を実践できるようなものもあります。
より復職に直結しているのは、病院主催のものです。ただし、どちらであっても、それを受けたからといって必ずしも、すぐに復職しなければならないようなものではありません。
自信が持てるまでいくつかのセミナーを受けることも考えましょう。
4.看護師転職サポート業者に登録する
そうやって自信が持て、復職への決意がかたまったら、④の看護師転職サポート業者に登録してみましょう。
業者ごとに、それぞれに抱えている求人案件が違います。自分の希望するようなものを逃さないためには、3、4か所登録しておいたほうがいいでしょう。
費用は医療機関側が払うので、複数登録しても自分の懐は痛みません。
担当者がすぐに決まり、二人三脚で復職のための活動を進めていくことになります。
この担当者との間には、相性も出てきます。その意味でも複数を登録しておくほうがいいです。何人か見れば、相談しやすい人も出てくるでしょう。
この担当者から、「どこの病院が病院内保育所が充実している」「ママさんナースにも働きやすい勤務体制になっている」といった細かい情報を仕入れるようにします。
5.家族と相談する
また、⑤に挙げたように、復職後はどういう生活になるかは、家族にはしっかりと理解しておいてもらう必要があります。
あなたが働くことで家計にはプラスになるでしょう。しかし、専業主婦時代に比べたら、家事の面では家族への負担がかかるのも確かです。
「そんな話じゃなかったはずだ」などといわれたら、家庭も仕事もうまくいきません。
特に子供がまだ小さい場合、「体調不良などのトラブルになったらどうするか」の対策は必要です。
できることならば、親類・友人・知人など、急なときに頼りにできる人を確保しておきます。
また、現実に少なくないのが、退職した際、「結婚のため」や「子供ができたため」は口実にしただけで、実際にはほかの理由があるパターンです。
「人間関係の難しさが嫌になった」「あまりの激務に体が悲鳴をあげた」などが本当の理由の場合もあるでしょう。「うつ状態になってやめた」だって決して珍しくありません。
こういった場合に気をつけるのは、「以前と同じようにはならない」です。
職場環境などは意識して以前とガラリと違うところを選んだほうが、失敗が少ないようです。
6.復職するときの事前準備
ブランクが長い人は、勉強し直すにしても、無計画に始めては、無駄になってしまう部分がたくさん出てきてしまうかもしれません。
「なにを勉強したらいいのか」から少し時間を掛けて考えてみましょう。
もし、見当もつかないようならば、最初に……
・復職支援セミナーを受ける
・すでにいくつか復職先の候補があるのならば、見学させてもらう
……というのもひとつの手です。
「復職支援セミナー」の場合、いくつかの種類があります。
病院などが開いているものの多くは、そのまま採用へと直結しています。
もし、「まだこれから考えてみる」というのであれば、地元の看護師協会などが開いているもののほうが、気が楽でしょう。
ただ、どちらの場合も多くは、2、3日程度の内容です。「これで十分」ということはなく、やはり「大まかなところを知るだけ」 と考えておいたほうがいいでしょう。
また、これらセミナーにもスケジュールの中に組み入れている場合がありますが、今の医療・看護現場の見学は大事です。
本を読んだり、ネットで調べたりして、イメージをふくらませるだけでは、限界があります。やはり実際に今の状況を見せてもらいましょう。
自分の知らない機器があったり、わかっているつもりの手技でも方法が変わっている可能性もあります。
たとえば、10年かそれ以上のブランクがある人がまず直面するのが、「電子カルテ」です。かつてはカルテといえば紙にかかれたものでしたから。
ほかの書類も多くがパソコンに変わっています。パソコンに自信のない人は、基本的な操作はできるようにしておきましょう。
ほかに気をつけることといえば……
・復職を意識し始めたのならば、医学雑誌を定期購読し、目を通しておく
・復職する診療科を絞り込む。その診療科の看護について勉強する
……などです。
また、多くの人が「学生時代に使った教科書やノートなどで復習する」というのをおすすめしています。
ですが、中には内容的に古くなり、当時の常識と今の常識が正反対になっている場合まであります。
これはこれでやるとして、ちゃんと最新の教科書類も手に入れて見ておくようにしましょう。
ただ、いくら事前に勉強しても限界があります。また、病院・診療所ごとに方針も違えば、ノウハウも微妙に違います。
「肝心なところは現場に入ってから勉強し直す。職場の先輩や上司に教えてもらう」と割り切る部分も必要です。
ですから、復職先を選ぶ際に、「中途採用者にもプリセプター制度を採用しているかどうか」は大事なチェック項目です。
つまり、「教育係の先輩がついて、マンツーマンで指導してもらう」ということです。
ブランクの長い人は、これがある方が安心でしょう。
ネット上では「ブランクが心配な人は、“ブランクOK”の募集を選びましょう」といったアドバイスも見られます。
ですが、これは少し用心が必要です。
ブランクのある看護師へのフォローに自信のある所の場合もあれば、「深刻な人手不足、とにもかくにも看護師に来てほしい」というところもあります。
後者の場合、教育係をつけるような余裕もなく、ひとりで現場に放り出される可能性があります。
信頼できる看護師転職サポート業者を使って、しっかりと事前に調査しておく必要があります。
7.看護師が復職するときの注意点
看護師が復職するときに、チェックしなければならないポイントはたくさんあります。
ざっと挙げるだけでも
①勤務形態を選ぶ
②職場環境・人間関係は良好か
③スキル・知識など、最新医療・看護へ追いつくにはどうするか
④復帰先を医療機関(病院、診療所、クリニック)にするか、それ以外にするか
⑤応募先のチェック
などです。
7-1.勤務形態
復職するには、なにも正社員(正規雇用)に限ることはありません。あえて、パート、アルバイト、契約社員などの非正規雇用を選ぶ手もあります。
正社員のメリットは、「定年まで勤めることができる」「月給制で、多くの場合ボーナスや退職金もでる」などです。
一方、非正規雇用の場合、雇用期間は数年に限られたり、1 ~3年程度で更新する必要があります。
給料も時給制です。ボーナスや退職金もありません。トータルで見ると、正社員よりも低い収入になるでしょう。
ただし、「勤務は日勤のみ」「一週間のうち、月・火・水のみ出勤」といったように、勤務時間にいろいろなバリエーションが考えられます。
「家事の時間も十分に取りたい」「子供と一緒にいる時間を少しでも長く」というのであれば、非正規雇用も考えてみる必要があるでしょう。
7-2.職場環境・人間関係は良好か
一方で、「子供も手のかからない年代になった。バリバリ働くぞ」という人もいるでしょう。
パート程度の勤務ならば、それほど問題にはならないかもしれませんが、本格的復帰となると、職場の人間関係も気になるところです。
あまりにブランクが長いと、復職先の同僚は全部若い人たちで、上司までが自分よりも年齢が下になる場合もあるでしょう。
こういったことを割り切れるかどうかも考えてみなければなりません。
また、「まだ子供の手もかかる。それでも、今の時点で本格的に復職したい」という人もいるでしょう。
そういった人は、「託児所などは充実しているか」「職場の人は、ママさんナースに対して理解があるか」といったことも重要なチェック項目です。
最もシンプルな判断方法としては、「若い人から中高年まで、どの年代の看護師もまんべんなくいる」「ママさんナースもたくさん働いている」というのがあります。
7-3.スキル・知識など、最新医療・看護へ追いつくにはどうするか
ブランク期間が10年以上あっても、復帰している人は珍しくありません。また、医療機関側(病院、診療所、クリニック)でも歓迎してくれます。
それぐらい今の看護師不足は深刻なのです。
ただし、いくら向こうで手招きしてくれても、自分のほうで、「最新の医療・看護に関する知識を身につけないと」「注射や点滴、吸引などの手技のコツを忘れている」といったように不安が残る場合もあるでしょう。
こういった場合は、自分で「看護師復職セミナー」などを事前に受けておくことも考えられます。
また、大規模な病院、特に大学病院などであれば、ちゃんと病院側で復職のためのプログラムが用意されています。
特にブランク期間が長かったり、以前の勤務が短期間で終わってしまったような人は、こういった復職のための教育が充実しているところを選ぶ必要もあるでしょう。
7-4.復帰先を医療機関にするか、それ以外にするか
「実務経験をしっかりと積んでいる」「ブランク期間もそれほど長くない」という人限定ですが、医療機関以外に復職する手もあります。
企業や学校の医務室、福祉施設、行政機関など、看護師経験者を求める職場も増えています。
また、訪問看護ステーションという選択肢もあります。「訪問看護師になる」ということです。
確かにブランクがあるのはマイナスです。
ですが、こういった中には、「主婦としての生活も知っており、子供を育てた経験もある」「少し年配の人のほうが、人間関係をうまくやってくれる」と、ママさんナースということをプラスに評価してくれる職場もたくさんあります。
7-5.応募先のチェック
ブランクがあると、「本当に雇ってくれるところがあるのか」と不安になるものです。
いくら自分が応募できる求人があったからといって、飛びつくのは禁物です。
例えば、いつも募集が出ているようなところは、それだけ人の定着率が悪いことが考えられます。
そういった所に復職して、すぐにやめることになっては、自分の経歴にマイナスになります。
それ以降の復職活動の際に、「こらえ性がない人」「自分のところに来てもらっても、またすぐにやめるかもしれない」などみなされる可能性もあります。
看護師転職サポート業者などを使って、十分に情報を集める必要があります。
その上で「自分の希望の中で、譲れないものと、譲ってもいいところをしっかり区別して、応募先の条件をチェックする」「問題が隠れているかどうか調べてみる」といった用心深さも必要です。
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