大学病院の看護師で中途採用は不利?採用に年齢制限はある?転職前の重要ポイント!
採用されるかどうか?となると、やはり年代層により、有利・不利があります。
目次
1.年齢制限
大学病院への転職には年齢制限はありません!ただし、「適齢期」はあります。
この適齢期なら、比較的採用されやすいです。
ただ、もしその年齢を過ぎてしまった・・・という看護師さんでも、簡単にあきらめる必要はありません。
そのハンディキャップに負けないだけのセールスポイントを持っていれば、年齢上で不利な点は十分にカバーできます。
1-1.応募条件に、「年齢制限はない!」
インターネットでは、「年齢制限」に関しては間違った情報も出回っています。まずは、それに振り回されないようにしましょう。わざわざ「看護師専門・転職支援サイト」などとPRしてあるようなものでさえ、そうです。例えば
・大学病院や公的病院の年齢制限は35歳ぐらいのところが多いです。
・中には、全く年齢制限を設けていないところもあります。
といったものです。
年齢制限を設けることは、「雇用対策法」で禁止されています。もし、「35歳まで」などと求人情報に出していたら、それだけで法律違反となります。
求人広告に年齢制限はないのが一般的です。また「女性のみ」とか「男性のみ」といった制限がないのも同じ理由です。
看護師の就職・転職のアドバイスをするサイトの多くが「看護師の求人には、年齢制限を設けていないところがたくさんあります」としていますが、これは間違いです。「たくさんある」のではありません。そもそも、求人には原則的に年齢制限はありません。
これは看護師に限らず、どの職業でも同じです。「雇用対策法」で決められています。「年齢や性別にかかわらず、均等な機会を与えなければならない」とされているのです。
どこの大学病院でも、応募条件に「○歳まで」と書いていることはないはずです。その大学病院の定年にさえ引っかからなければ応募できます。
2.どの年代が採用されやすい?
採用されやすいのは、20代後半です。大学病院という特殊な事情から、この年齢層が薄くなっているのです。
大学病院の場合、教育制度が整っています。そのため、新卒で5、6年過ごした看護師は民間病院などからも引く手あまたです。
民間病院からすると、即戦力として仕事を任せることができ、しかもまだ若い看護師を好条件で誘います。事実上の“引き抜き”です。
大学病院側も看護師の年齢構成や平均年齢は気にしています。「特定の年代だけが少なくなるようなことは避けたい」と考えています。
ですから、抜けた分を途中採用で補おうとします。20代後半であれば、民間などの一般的な大病院・有名病院よりも、大学病院への転職の方が容易なぐらいです。
ですから、学校卒業後、ずっと民間病院などにいて、物足りなさを感じている人は、この年代での大学病院への転職は狙い目です。
ただし、最初に申し上げたように、募集には「○歳まで」といったようなことは書いていません。どの年代が歓迎されるかは、自分の方で判断しなければなりません。
2-1.大学病院が欲しがる20代後半~30代前半
年齢制限はしないが、大学病院側が本音では希望している年代はあるのは確かです。
ズバリ「20代後半から30代前半の年代層」です。「仕事は一通りの経験があり、しかも、まだ若い」という年代ですね。
これは一般的な総合病院でも同じです。ですが、大学病院はより深刻です。この年代の層が特に薄いのです。
「いろいろ勉強する必要があるので、最初の就職先は、教育熱心な大学病院で」という新人看護師がたくさんいます。それが3~5年たつと、「給料が高いなど待遇のいい民間病院が見つかった」「夜勤は思った以上に大変だった。入院設備のない診療所のほうがいい」などの理由で辞めていきます。
その穴埋めが必要なので、20代後半から30すぎを主に探しているのです。
3.適齢期なのに採用されないのはなぜ?
もし、自分がその年代なのに、「何度応募してもうまくいかない。転職が決まらない・・・」「看護師転職サイトに登録した。なのに、いつまでたっても声がかからない」というときは、もう一度状況を見なおしてみないといけません。
ひょっとしたら先方の病院が求めている人材は、「専門性の高い看護師」かもしれませんし、「主任クラスの経験者」かもしれません。
大学病院側のニーズに合っていないのに応募してもやはり難しいです。
あなたの「看護観」に問題がある可能性もあります。
「看護観」は面接で聞かれるだけではありません。小論文が採用試験にあり、そのテーマになっていることも珍しくありません。
日々の仕事に追われるだけでなく、看護自体について十分に考えたことがあるかどうかです。大学病院は特にこれを重要視するのです。
4.40代以降で採用されるには
40代やそれ以降でも、大学病院への転職に成功している看護師さんたちもいます。
よくあるパターンは、「それまでは、ほかの大学病院に勤めていた」「専門性の高いスキルや知識を持っている」「看護師長・看護部長などの管理職の経験者」などです。
このなかで、比較的対策をしやすいのは「専門性を高める」ことですね。
どうしても大学病院にこだわりがあるなら、「認定看護師」や「専門看護師」の資格をとってから、転職をする!というのも選択肢の一つです。
また、「特に専門性はない。なので、うるさいことはいわない。若い子たちと同じ扱いでいいや」と簡単には考えないほうがいいです(これでも採用されることはあります。看護師不足は大学病院にまで広がってきましたから・・・)。
でも、大学病院は夜勤に加え、勉強会や研修も多く、かなりの激務です。「果たしてこれだけの厳しい職場をこなすだけの集中力と体力が、40代の自分にあるか?」という点は冷静に考えてみないといけません。
5.大学病院の看護師採用のポイント
大学病院への転職はいろいろな面でハードルが高いと考えている人も多いです。
「あまりに激務。よそのペースに慣れていると、ついていくのが大変そう」というイメージも強いです。また、「そもそも募集自体がないのでは」と考えている人が多いようです。
5-1.大学病院への応募は春先を選ぶ
大学病院への途中採用は随時あるわけではありません。
時期としては、4月からのスタートを前提に、それに合わせての求人が多くなります。中には秋あたりにもう一度ある場合もあります。
どちらにしろ、通年ではなく、きっちりと時期を決めていることが多いです。
というのは、大学病院の場合、新卒者、途中採用者を問わず、看護師さんへの教育をとても熱心にやっています。しかも、ちゃんとスケジュールや体制を組んでいます。
一人や二人のためにこれを動かすことが難しいのです。そのため、途中採用者もこのスケジュールに合わせることになります。
大学病院の中には、とりあえず契約職員(契約社員)で採用し、4月から正式の職員に変更するようなところまであります。
ですから、求人を探す、応募するといった転職活動は、春先など大学病院側が設定している時期に合わせて動くほうがスムーズに行きます。
もちろん、いま現在、よそに勤めているのならば、退職などの準備もこれに合わせます。
5-2.大学病院側がほしいのは即戦力
途中採用なのですから、即戦力になるような人を希望しています。特に最近は大学病院といえども、人手不足が深刻化している最近はその傾向が強いようです。
大学病院は、このように途中採用でも、再スタートがしやすいように受け入れ側でもきちんと準備をしているところが多いです。
ですが、「なんの準備もしていないような人が簡単に採用されるか?」というと、また別の話です。
大学病院側で欲しい人材があるのです。
たとえば、中堅やベテランの看護師がたて続けに退職したようなところは、その穴を埋めることを考えて、求人を出します。
そういった場合は、やはり総合病院などで勤務経験があり、若手の指導をしていたような人が採用されやすいでしょう。
5-3.その大学病院の得意分野と自分の得意分野を一致させる
大学病院ならではの特徴として、専門性の高い看護師を必要としています。
大学病院はどこも高度医療・先端医療に力を入れていますから、当然ですね。
ただし、特に力を入れている分野とそうでない分野があります。
この分野は大学病院ごとに違います。がん治療、ターミナルケア、心臓病などなど……いくらでもあるでしょう。
もちろん、看護師もそれに対応できるような人を求めています。
ですから、専門看護師、認定看護師などの資格を持っている人は、とても大きなアピールになります。もちろん、その大学病院が力を入れている分野と一致している必要はあります。
5-4.看護観を磨く
また、「看護観」も問われます。
これをチェックするため、応募の際に小論文を提出したり、採用試験の科目に小論文が加わることは当たり前にあります。
テーマは「個性とチームワーク」、「看護師のキャリアアップについて」といったようなものです。
急に思いつくようなことではありません。日ごろから、本気で看護の世界についてよく考えておく必要があります。
また、「そういう人でないと大学病院には向かない」ということでもあります。
5-5.資格があればやっぱり有利
また、この年代を超えても、「認定看護師」「専門看護師」の資格を持っている人は有利に転職活動を進めることができるでしょう。
大学病院では先端医療が行われています。専門性の高い看護師は特に必要とされています。
5-6.離職率はしっかりチェック
「募集がよく出ている」「簡単に採用される」というのは、「離職率が高い」ということの裏返しである可能性もあります。
お給料などがやたら高条件ならば、「そこまで看護師不足が深刻なのかも」といった警戒も必要です。
事前に十分かつ詳細な情報を集めておかないといけません。
一般的な総合病院などで働いていて物足りなさを感じている人は、大学病院で働きたい!と考える人も多いです。
「忙しく毎日を送るばかりで、看護師としてのスキルアップや知識の蓄積ができていない」「もっと勉強したい」とスキルアップを考えるケースです。
大学病院では確かに専門性の高い仕事が待っています。研修や勉強会も頻繁に開かれています。
ですが、こういったたくさんの研修や勉強会が負担になるような人もいます。「自分はそういったことに向いているかどうか」は事前にきちんと考えてみる必要があります。
6.どんな性格が向いている?
大学病院の看護師に向いている人は
②先端医療に興味がある人
③心身ともにタフな人・人間関係をうまくやれる人
特に大学病院だからということはありませんが、他の病院勤務と大きく違う点があります。
6-1.他の病院と大きく違う点
一般の病院の目的は「診療」です。大学病院の場合、これに「研究」と「教育」が加わります。
これは医師だけではなく、看護師も影響を受けます。目的が多い分、看護師の仕事も広範囲になり、忙しくもなります。
こういった職場環境をメリットと感じる人もいれば、デメリットと感じる人もいます。これは自分の性格によるでしょう。
6-2.向上心を持っている人
大学病院勤務では看護師本来の仕事に集中できる!という特徴があります。
近年は少し様相が変わってきました。それでも、今でも「注射や点滴、採血などは、医師が自分でやる」ということころがたくさんあります。
スタッフが十分にいる上、分業や役割分担がしっかりしているのです。
また、教育制度が整っています。新人だけではなく、ベテランも参加する研修や勉強会なども頻繁にあります。
これらを通して、看護師としての見聞を広げ、スキルをアップさせることができるでしょう。
また、一般の病院やクリニック、診療所では難病や奇病の患者を看護することも多くなります。
こういったことを「わずらわしい」とか「大変だ」とは思わずに、「日々新しいことに出会え、知識が増えるのが楽しい」「どんどん経験を深めている」と前向きに考える人には、とても充実した日々になるでしょう。
6-3.先端医療に興味がある
医学の世界は日進月歩です。それらの最先端にいるのが大学病院です。新しい治療方法や医薬品などは、まずは、大学病院で試されます。
一般の病院に広まるのはその後です。
これもまた、向上心が高く、新しいことを学ぶ、自分を成長させることが好きなタイプの人には、満足感が高いでしょう。
また、専門看護師や認定看護師の資格を取りたい人には特におすすめです。大学病院は、こういった新しい制度への理解があります。積極的に応援してくれるはずです。
6-4.心身ともにタフさは大事
大学病院は一般的にはいずれも入院設備があり、24時間体制です。当然、夜勤があります。1ヶ月の内に、日勤と夜勤がめまぐるしく入れ替わります。
この点は一般の病院でも、入院・救急に対応していたり、規模の大きいところには共通する点かもしれません。
人によっては、これで体調をおかしくし、意欲があっても仕事が続けられないようなことがあります。「何年やっても慣れるようなものではない。逆に年齢を重ねるごとに、疲労が激しくなる」といいます。
ただし、勤務が厳しい分、お手当がしっかりとつきます。年収重視の看護師さんにとっても悪くはありません。
また、規模が大きいと、それだけ組織や人間関係も複雑になります。
自分の周りの看護師だけでも、上司、同僚がたくさんいます。いずれは後輩や部下もできるでしょう。となると、今度は自身が先生役も務める必要があります。また、医師や検査技師などほかのスタッフもいます。
こういった人たちと良好な関係を作らないと、仕事の上でも差し支えてしまいます。時には相談を人に持ちかけたり、持ちかけられたりするようなこともあるでしょう。「人柄や人間性が試される」といえます。
7.採用にスキルは必要?
7-1.教育システム
一般的なことで結論をいうと、転職者の場合でも、特別なスキルは要りません。というのは、大学病院では教育システムがとてもよく整っているからです。
大学病院の看護師で働くにはどんなスキル(技術)が必要なのかな?と考えている方は、すでに民間病院などで働いていて、ある程度経験を積んでいて、転職を考えている方が多いと思います。
新卒の新人ナースならこれから身に付ければいいので、どんどん教えてくださいという姿勢が大切です。
大学病院での教育システムは新人だけを対象にしたものではありません。民間病院からの転職や、休職からの復職者をも視野に入れて考えられています。
これから必要になるようなスキルはそこで身に付ければいいようになっています。
7-2.即戦力
ただし、転職者の場合、「即戦力」として考えられていることがやっぱり多いです。
どういった形の「即戦力」かはその大学病院それぞれが抱えている事情によります。
たとえば、「臨床経験の豊富な看護師が相次いでやめてしまった」というようなところでは、やはり臨床の経験とスキルを持った人材を探しているでしょう。
あるいは、「若手ばかり多い。この人たちを指導できるような人がいない」というようなところでは、よその病院で主任などを経験した人が歓迎されるでしょう。
そう人数は多くありませんが、特定分野のスキルを持った看護師(専門看護師、認定看護師、認定看護管理者)が必要とされる場合もあります。大学病院は先端医療を行っていますので、一般的な病院よりも、こういった人を特に必要としています。
この場合は専門看護師かそれに近いような人でないと採用の対象にはならないでしょう。
また、「救急ケアの経験が3年以上」などと限定して募集するようなこともあります。
7-3.求人募集のチェックポイント
また、一般的にいわれている大学病院では、注射や点滴、採血などは、看護師ではなく医師が自分でやるという話には注意が必要です。
そう聞いて、「採血が大の苦手。大学病院ならば、気に病まなくてもよさそう」なんて考えている人もいるかも知れません。でもなかにはそういった大学病院もあるかなぐらいに考えておいたほうが良いでしょう。
どちらかというと、今では看護師もやるようなところが増えています。
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