ツアーナースになるのに資格っているの?仕事内容と役割、求人探し前のポイント
ツアーナースとして採用されるには、あまり資格の上では細かいことはいわれません。
看護師資格さえあれば、准看護師でも正看護師でも特に区別もされないでしょう。
ですが、「こうであれば、より採用されやすい」「次から優先的に仕事を回してもらえる」というものはあります。
目次
1.アピールポイントになる臨床経験
採用する側のアルバイト紹介会社やツアーナース業務委託業者に歓迎してもらえるのは、なんといっても臨床経験です。
これは「なぜ、ツアーナースが必要とされているのか」を考えると、すぐに想像できるでしょう。
当然、「旅行中の急病人への対処」や「持病を持っている人が、普段と違う生活をして、その症状を悪化させない」ということのためにいます。
また、よほど大規模な団体でない限り、ツアーナスはひとりきりです。お医者さんも同行していません。
自分ひとりで的確な判断をし、行動をしないといけないのです。
体調がよくない参加者がいたら「旅行を続けていいかどうか」「救急車を呼ぶかどうか」「現地で入院か。自宅に送り返すか」の判断だって頼られるでしょう。
当然、旅先ですから、手元には十分な医療器具や医薬品だってありません。
となると、「救急病棟での勤務経験がある」「集中治療室での勤務が長い」といったことは強力なアピールポイントになります。
特に募集が小学校の修学旅行のツアーナースで、自分に小児科勤務の経験があるのならば、忘れずにアピールしましょう。
これらと同じ理由で、新卒のナースを雇うようなところはまずありません。
2.海外旅行のツアーナースの場合
当然、ツアーナースが必要なのは国内旅行だけではありません。海外の場合だってあるでしょう。
となると、気になるのが語学力です。「日常会話ぐらい英語で出来たほうがいいのかも」ぐらいは考えるでしょう。
理想をいえば、当然できたほうがいいでしょう。また、行き先の国の医療事情にも通じていたほうがいいはずです。
ですが、どこまでそれを求めるかは、採用する側の判断ひとつです。
「多少英語ができるよりも、人柄で選ぶ」なんてところだってあります。なにしろ、旅行者にしたら、「全く知らない人が急にやってきて、旅行中ずっと行動をともにする」のですから。
「英語が全くできないから」といって、「海外旅行のツアーナースの募集を最初からあきらめる」という必要はありません。
3.求められるコミュニケーション能力
ツアーナースの求人をチェックしている看護師さんの多くは、今は休職中か、退職してからのブランクのある人でしょう。
どちらであっても、ほとんど問題はありません。
むしろ、若い看護師よりも主婦としての経験を積んだような人のほうが歓迎されるようなことだってあります。
任せる側にしたら、“おとな”の方が安心できるでしょう。
言い換えると、「落ち着きがあって、コミュニケーション能力の高い人がツアーナースに向いている」ということです。
4.仕事内容
4-1.服装
ツアーナースは基本的には私服です。白衣を着ることはありません。
自分が動きやすいものを、行く先の暑い・寒いに合わせて用意します。
といっても、たとえ観光旅行やスキーツアーであっても、自分自身のレジャーではありません。周りの人たちと違い、自分自身はお仕事です。当然、一定の節度は必要になってきます。
また、看護師としての仕事をこなすための備品だって考えないといけません。
・ジーパンやサンダルはやめておいた方が無難
修学旅行の同行の場合は、学校の先生たちの服装を参考にしましょう。
つまり、全く知らない人たちが見て、学校の先生の一員に見えればOKです。
また、スキーツアーやキャンプなどへの同行の場合もあるでしょう。こういった場合は、修学旅行よりもラフな服装でいいでしょう。
この場合、判断に迷うのが、ジーパンやサンダルです。
ジーパンは動きやすいですし、何よりも丈夫です。実用面からは申し分のない服装でしょう。また、日ごろからなじんでいる人も多いでしょう。
ですが、特に年配の人を中心に、「遊び着」や「野良着」といったイメージを持っている人がいます。
ですから、ジーパンの代わりにチノパンぐらいにしておいたほうが無難です。
また、サンダルも基本的には仕事の服装ではありません。カジュアルなものでいいですから、靴にしておきましょう。
ただし、かばんに関しては手提げよりはショルダーです。リュックサックもOKです。もちろん、荷物をたくさん運ぶことができることと、両手が空くのが理由です。
4-2.備品
服装ではありませんが、「看護師としての備品はどうするか」という問題も考えないといけません。
修学旅行の場合は、学校側から「これを使ってください」と一式を手渡されることがあります。
一般の旅行でも旅行代理店によれば、そういうこともあります。
ですが、まるっきり看護師任せのところも珍しくありません。その場合に用意したものは、経費としてお金を支払ってくれるところもあれば、自分持ちになるところもあります。
といっても特別なものや高価なものはないでしょう。事前に問い合わせて、もし用意がないようでしたら、自分でそろえましょう。
特に修学旅行などバスでの旅行の場合は、「嘔吐セット」が必需品です。
・ポリ袋(あるいはエチケット袋)
・ゴム手袋
・ティッシュ・ウエットティッシュ
・手指用消毒液
・マスク
もちろん、聴診器や体温計は看護師としての必須(ひっす)アイテムも忘れないようにしましょう。
5.評価を決めるのは服装と言葉遣い
ツナーナースとして同行しても、ほとんど仕事らしい仕事がないようなことも珍しくありません。
あくまで、「旅行参加者が体調を崩した時の万一の用心」として看護師が求められているのが実情です。ある程度は当然のことでしょう。
ですから、「あのツアーナースがよかった」とか「機会があったらまた同じ人にお願いしたい」というのは、看護師としてのスキルや知識よりも、服装や言葉遣いで決まることが大半です。
ツアーナースの募集はほとんどが単発とはいえ、こうやって評判を上げておくと、アルバイト紹介業者などもいずれ優先的に仕事を回してくれるようになるでしょう。
ですから、服装や言葉遣いは気を抜いてはいけません。
6.臨床経験はどれくらい必要?
ツアーナースの募集の中には、わざわざ「3年以上の臨床経験があること」と条件が付けられている場合もあります。
また、そうなっていない場合でも、「ほかに応募者があった場合、臨床経験者の方を優先的に採用する」ぐらいは考えていたほうがいいでしょう。
6-1.修学旅行の場合
ツアーナースの中で最も募集が多く、また、臨床経験もチェックされることが多いのは、修学旅行や移動教室、林間学舎の場合です。
それも中学校や高校ではなく、小学校の場合です。
中には、「小児科での勤務経験があること」と限定している場合もあります。
小学生の場合、体調が悪くてもなかなか自分の方から訴えることができません。我慢してしまったり、自分の状況を説明するにも、言葉が不十分なこともあります。
「子どもたちの状況をいち早く察知できる」「扱いがなれている」と期待されて、「小児科の勤務経験」が求められるのです。
6-2.修学旅行の場合の業務内容
「臨床経験が求められる」といっても、あくまで「いざという時のために」ぐらいのことです。
ほとんど何事もなく終わる方が普通でしょう。
そういった場合、業務内容は「学校側との事前打ち合わせ」「アレルギーのある子供がいる場合に、食事などへの警戒」「服薬中のこどものケア」「乗り物酔いのケア」ぐらいです。
これで済むのならば、「臨床経験」の出番もないでしょう。
ただし、ずっと気を張っているわけではありませんが、事実上長時間勤務です。
ツアーナース業務委託業者の中には、学校側への説明として「対応時間は子どもたちの起床から就寝まで。またこれ以外にも救急には対応します」としているところもあるぐらいです。
体調不良者が出れば、夜中でも対応しなければなりません。やはり、雇う側から考えても、またなにより看護師自身から考えても、臨床経験があった方が心強いのは事実です。
6-3.個人の旅行の同行の場合
また、最近求人が増えているのが、個人の旅行への同行です。
たとえば、「家族に高齢者や障害・持病のある人がいるけど、どうしても一緒に旅行したい。そのケアのためにツアーナースをお願いする」といったケースです。
当然、そのケアが必要な人に直接関係しているような臨床経験があると有利になります。
念のためにいえば、高齢者ならば老人病棟勤務、循環器系の病気のある人ならば循環器系の診療科勤務といったぐあいです。
ただ、いくら「増えている」といっても、自分にピタリと当てはまるような求人がコンスタントにあるわけではありません。
「アルバイト紹介業者などに登録しておいて、求人があった時に向こうから声をかけてもらう」といった形になるでしょう。
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