みなし訪問看護とは
訪問看護の場合、看護師さんは「訪問看護ステーション」に所属します。そのステーションに正社員、パート、アルバイトなどとして雇われるわけです。
訪問看護ステーション設立2つの方法
この訪問看護ステーションを始めるには2つのやり方があります。
①届け出が必要
・常勤のサービス提供責任者(介護福祉士、1級ヘルパー、実務経験3年以上の2級ヘルパー、介護職員基礎研修修了者、保健師、看護師、准看護師)を1人以上置く
・保健師・看護師・准看護師を常勤換算で2.5人以上配置する
……などの条件を満たした上で、都道府県に「介護事業者指定申請」を出します。
この申請のチェックをパスして初めて、訪問看護ステーションの事業を始めることができます。
②届け出が不要(みなし指定)
実は、もうひとつ、別のパターンがあります……
健康保険法の保険医療機関(病院、診療所、クリニック)に指定された医療機関は、介護保険法による医療系サービス(訪問看護ステーション、居宅療養管理指導、訪問リハビリ、通所リハビリなど)の事業者として、指定をされたものとみなされる
……となっています。
つまり……
健康保険指定の医療機関であれば、そのまま訪問看護ステーションなどをやってもいい
……ということです。届け出さえ不要です。
これを「みなし指定」と呼びます。
事業者ごとに違いがある
実際にどういったところが訪問看護ステーションを経営しているかを見ると……
①医療機関(病院、診療所、クリニック)以外の事業者が経営する場合
②病院などを経営している事業者が、病院とは別に独立させて訪問看護ステーションを経営する場合
③病院を経営している事業者が、病院の中の一部の部署として運営する場合
……といった様々な形があります。
これらの場合、③はもちろんのこと、②も「みなし指定」で事業を始めることができます。
また、①と②の「訪問看護ステーション」と区別するために、特に③を「院内訪問看護」という言い方をすることもあります。
これらは事業を経営する側からすると、「①のほうは新しく看護師全員を確保する必要がある。②と③は今いる看護師の配置転換での対応も可能」などの違いがあります。
どこが働きやすいの?
自身が看護師さんならば、それよりも、「どちらのほうが働きやすいのか」「待遇の違いはあるか」が気になるところでしょう。
①の場合……
・訪問看護は今後成長が見込める分野なので、医療にも福祉にも全く関係のなかった事業者が新規参入することも多い。経営者が看護師の仕事について理解していないこともあり得る。
・そういったところの多くは経営は小規模で、安定もしていない
……といったデメリットがあります。
②や③は逆です。
特に訪問看護まで始めるような病院は規模の大きいところが多いです。経営は安定していますし、福利厚生なども充実しています。
もし、「①か、②・③か」ということだけでいえば、看護師さんには②・③のほうがおすすめです。
ただし、①の場合は、経営者や訪問看護ステーションの所長次第で、仕事内容・職場の雰囲気・待遇も変わります。
ステーションごとの違いが大きい分、よくよく見ていくと、魅力的なところや、自分の働き方に合ったところが見つかる可能性もあります。
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