透析看護認定看護師について
1.背景
認定看護師の制度が始まったのは1997年です。最初は「救急看護」と「皮膚・排泄ケア」の2つの分野だけでした。それが次第に増え、今は21分野あります。
透析看護認定看護師の現状
透析看護認定看護師が加わったのは、2005年と比較的最近です。また、人数は2015年に公表された資料でも182人しかいません。
認定看護師は21分野全部合わせると、14,172人いますから、全体の1パーセント程度、ということになります。
ですが、透析は「人工透析科」として診療科を独立して設ける病院もあるぐらい、専門性の高い分野です。
すでに透析にかかわる病棟や診療科で働いている人は、透析看護認定看護師の資格を取って置くのは無駄にはなりません。しっかりと自分のスキルと知識をアピールできるようになり、将来、役に立つ場面があるでしょう。
2.透析看護認定看護師の内容
透析看護認定看護師の「知識と技術」としては、日本看護師協会では……
①安全かつ安楽な透析治療の管理
②長期療養生活におけるセルフケア支援および自己決定の支援
……を挙げています。
3.認定のためのテストを受ける条件
3-1.授業内容
「もう少し具体的な内容は」ということであれば、この認定看護師を受験するための条件とされている授業コースをチェックすればいいでしょう。
この授業コースは最低でも半年かかります。これを修めていないといけないのです。
授業コースは東京女子医大認定看護師教育センターの例です。
共通科目
1.リーダーシップ
2.文献検索・文献講読
3.情報管理
4.看護倫理
5.指導
6.相談
7.対人関係
8.看護管理
専門基礎科目
9.透析看護概論
10.病態生理と治療法概論
11.透析療法の理解
12.患者及び家族の理解のための理論
専門科目
13.血液透析技術
14.腹膜透析技術
15.透析部門における安全管理
16.透析療法を必要とする患者及び家族の
17.生活支援
18.透析看護におけるチームアプローチ
19.透析看護におけるコーディネート
演習・実習
20.学内演習
21.臨地実習
この東京女子医大では、手術看護の認定看護師のコースもあって、そことの共通になっています。
というよりも、よその学校の認定看護師コースでも内容としては同じです。
「リーダーシップ」や「指導」などはおそらくはどの看護師も初めて受ける授業でしょう。看護師の免許を取るための学校では扱っていませんから。
これらの内容を最低でも半年かけて修めなければなりません。単に資格を取るだけではなく、今までやってきた自分の看護の見直しにも役立つでしょう。
3-2.実務経験
このコースを修めることにプラスの条件では
実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)
これはほかの分野も同じです。もちろんその「実務研修」の内容は分野ごとに違います。
「透析看護」の場合
①通算 3 年以上、透析看護分野(血液透析療法)での看護実績を有すること。
②透析導入期・維持期の血液透析患者の看護を 5 例以上担当した実績を有すること。腹膜透析患者の看護実績を有することが望ましい。
③現在、透析部門に勤務していること、または透析部門での勤務が予定されていること。
4.透析看護認定看護師のためのコースがある学校
ほかの分野の認定看護師も抱えている問題ですが、この授業コースを設置している学校が限られます。
なかでも、この透析看護の場合は極端です。2015年の場合……
東京都
東京女子医科大学・看護学部認定看護師教育センター 定員20名
……が唯一です。
この授業に通う半年間は、職場に協力してもらって勤務を外してもらうのが、ほかの分野でも一般的です。
それに加えて、東京やその近郊以外からの場合、住むところも用意する必要が出てくるでしょう。
また、授業料もかかります。
職場の協力が必要なのはもちろんのこと、自分自身でもしっかりと覚悟を決めて用意する必要があります。
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