手術看護認定看護師について

1.資格取得者数

認定看護師は、現在21あります。手術看護は2005年に新たに加えられました。

2015年1月に日本看護協会が発表した資料では、全国でもまだ314人しかいません。

認定看護師は全部で14,172人です。そのうちの2パーセント強ということですね。

(参考までに最も多いのは、「感染管理」で2,053人、次が「皮膚・排泄ケア」の2,040人です)。

認定看護師の中でもかなりの“希少価値”があると見ていいでしょう。

2.手術看護認定看護師の内容

何をやるのか、というのは日本看護協会の方で説明しています。

最もシンプルにいうと

①手術侵襲を最小限にし、二次的合併症を予防するための安全管理(体温・体位管理、手術機材・機器の適切な管理等)
②周手術期(術前・中・後)における継続看護の実践

となります。

3.認定のためのテストを受ける条件

3-1.授業内容

この認定看護師になるには、日本看護協会が指定した学校で半年以上の授業を修める必要があります。

そこで用意されている授業は次のようなものになります。例は兵庫医科大学医療人育成センターです。よそも大きな違いはありません。これを見れば、終日看護認定看護師に求められるスキルや知識が想像できるでしょう。

全認定看護分野に共通する科目
1.看護管理
2.リーダーシップ
3.文献検索・文献講読
4.情報管理
5.看護倫理
6.指導
7.相談
8.対人関係(選択科目)
9.臨床薬理学(選択科目)
10.医療安全管理(選択科目)

専門基礎科目
11.手術侵襲と生体反応
12.手術室医療安全管理
13.手術室における感染予防
14.手術を受ける患者・家族の心理
15.手術医療における倫理

専門科目
16.手術看護概論
17.手術看護技術
18.心理的支援の技術
19.手術チームマネジメント
20.手術看護技術指導

演習/実習
21.学内演習
22.臨地実習

「全認定看護分野に共通する科目」はほかのジャンルの認定看護師にも要求されるものです。

「リーダーシップ」があるのは、認定看護師はその職場での先生役・リーダー役になることが求められているのを反映しています。

「19.手術チームマネジメント」も同様ですね。

手術には多くの人がかわります。その中で、単に「歯車のひとつ」として働くのではなく、全体を把握し、まとめていくのが認定看護師の役割になります。

3-2.実務経験

実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)

これはほかの分野も同じです。

これを「手術看護」ということで、内容を見ると、次のようなことが「実務研修」と考えられています。

①通算 3 年以上、手術看護分野での看護実績を有すること。

②手術看護における器械出し看護師・外回り看護師の実績を有すること。

③現在、手術看護部門で勤務していることが望ましい。

4.手術看護認定看護師のためのコースがある学校

いざ、実際に認定看護師の認定を取ろうとして、ネックになることが多いのは、「近くに授業コースを用意している学校がない」ということです。

また、勤務を続けながらの勉強も厳しいです。

そのため、多くの人は出張扱いにしてもらっています。

これは、「認定のための準備をするには、職場の協力が欠かせない」ということです。

2015年を例にすると、「手術看護」の授業コースがあるのは次の3か所です。

東京都
聖路加国際大学・教育センター 定員30名

福井県
福井大学大学院・医学系研究科付属 地域医療高度化教育研究センター看護キャリアアップ部門 20名

兵庫県
兵庫医科大学・医療人育成センター認定看護師教育課程 30名

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