認知症看護認定看護師とは

1.現在の取得者数

認知症看護認定看護師は今のところ(2015年1月)、全国でも472人しかいません。

認定看護師は全体でも14,172人ですから、「認知症」も少ないのはある程度は仕方ないかもしれませんね。

現在は21まで増えたジャンル(看護分野)に「認知症看護」が加わったのも2006年7月です。比較的最近です。

2.内容

この認定看護師の制度を作った日本看護協会の説明では、この「認知症看護認定看護師」の「知識と技術」は次のようになっています。

①認知症の各期に応じた療養環境の調整・およびケア体制の構築

②行動心理症状の緩和・予防

3.認定のためのテストを受ける条件

これも資格をとるための授業の内容を除いてみることで、「どんな仕事か」「看護の中でもどんな範囲を扱っているか」を探ってみましょう。

3-1.授業内容

例は地域医療機能推進機構・本部研修センターの認知症認定看護師教育課程です。課程の内容は日本看護協会がしっかりと決めています。よそも大きな違いはありません。

全認定看護分野に共通する科目

1.看護管理
2.リーダーシップ
3.文献検索・文献講読
4.情報管理
5.看護倫理
6.指導
7.相談
8.医療安全管理
9.臨床薬理学

※これらはほかの20 のジャンルとおなじです。「看護師の中でも、指導的立場(先生役やリーダー役)になる」ということですね。

専門基礎科目

10.認知症看護原論
11.認知症病態看護論
12.認知症に関わる保健・医療・福祉制度

専門科目

13.認知症看護倫理
14.認知症患者とのコミュニケーション
15.認知症看護援助方法論 I(アセスメント)
16.認知症看護援助方法論 II(生活・療養環境づくり)
17.認知症看護援助方法論 III(ケアマネジメント)
18.認知症の介護家族支援、認知症患者・家族関係調整
19.認知症ケア連携体制の構築

演習/実習

20.学内演習
21.臨地実習

この中で比較的分かりにくいのは、14の「アセスメント」でしょう。「環境の変化が心身に影響を与えていないかの確認」「感覚機能の変化の見極め」といったことを指しています。

15から17あたりを見ていただけば分かりますが、認知症の患者さん自身に対する治療だけでなく、その環境への取り組みも重視されています。

認定のためのテストを受けるには、「実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)」となっています。

3-2.実務経験

これも、「実務研修」にかんして、日本看護協会がどのように定めているかチェックしておきましょう。

①通算 3 年以上、認知症者の多い医療・福祉施設(在宅ケア領域を含む)等での看護実績を有すること。

②認知症者の看護を5 例以上担当した実績を有すること。

③現在、認知症者の多い医療・福祉施設(在宅ケア領域を含む)等で認知症者の看護実践に携わっていることが望ましい。

もちろん、「認定看護師教育機関で6か月以上の課程を受ける」というのも、ほかの認定看護師と同じです。

4.認知症看護認定看護師のためのコースがある学校

2015年を例にすると、次の7か所で授業が用意されています。このどれかに通う必要があります。この7か所の定員のトータルは180名です。ほかのジャンル比べ比較的多いです。ですが、兵庫県が最も西です。四国、中国、九州には全くないのには注意が必要です。

北海道
北海道医療大学・認定看護師研究センター 定員20名

秋田県
日本赤十字秋田看護大学・教育研究開発センター 20名

東京都
聖路加国際大学・教育センター 30名
日本看護協会・看護研修学校 30名

山梨県
山梨県立大学・看護実践開発研究センター 30名

長野県
長野県看護大学・看護実践国際研究センター 20名

兵庫県
兵庫県看護協会・認定看護師教育課程 30名

また、休講中のところは次の2カ所あります。年によっては開講される可能性があります。

千葉県
地域医療機能推進機構・本部研修センター認定看護師教育課程

東京都
日本赤十字看護大学・看護実践・教育・研究フロンティアセンター

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