公務員看護師の育休手当てっていくらくらい?
産休・育休をとっている間の育休手当ては2種類あります。「育児休業給付金」と「育児休業手当金」。これらは、自分の肩書(公務員か準公務員か)で受け取れる育休手当ての種類や申請先が変わります。
※よく、「産休・育休をとっている間も、基本給の何割かは給料が出る」と勘違いしている人がいます。それは正確には「給料」ではありません(病院や診療所、あるいはそれを運営している団体といった雇い主からお金が出ているわけでもありません)。
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1.育児休業給付金
計算方法が毎年のように変更されますので、平成27年冬の時点のものを参考にしてみます。育休を取った期間としては一般的な限度である「子供が1歳になるまで」とします。
元の給料(月給)が25万円ならば、トータルで約150万円。
30万円ならば、約180万円
準公務員・・・「公務員看護師」の中でも、「非特定独立行政法人」が雇い主の場合
1-1.準公務員
この育児休業給付金を受け取れるのは、「厳密には公務員ではないけれども、公務員に近い」とされる、いわゆる「準公務員」です。
勤務先としては、まずは「国立大学付属病院」、「公立大学付属病院」、「労災病院」があります。
これ以外では、「県立病院」「市立病院」などと呼ばれていても、実際の運営は「非特定地方独立行政法人」に移されているものです。ただし、数は多くありません。
注意が必要なのは、「国立病院機構」です。2014年度までは、「組織は国のものではない。だけどもそこに正規職員として雇われている人たちは、国家公務員と同じに扱われる」という「特定地方独立行政法人」でした。それが「非特定地方独立行政法人」に変更されました。なので、今後はこの金額になります。
1-2.支給元
この育児休業給付金は、民間企業の場合と同じく、国が用意している「雇用保険」の中の制度です。「失業手当を出しているところと同じ」ということです。
1-3.計算方法
・180日目(6か月)までは、休みに入る前の半年間の平均月給の67パーセント
・181日目以降は、平均月給の50パーセント
となっています。
・上限
支給額は上限が決まっていて、最初の6か月は、月額で285,621円、残りは213,150円です。
上限に達する人は月給で約43万円かそれ以上もらっているような人たちです。出産するような年齢の人たちではなかなかいないでしょう。
・期限
子供が1歳になるまで。ただし、生後の2か月程度(8週間)は育児休暇ではなく、産休の扱いになっています。10か月分で計算することになります。
例えば月給25万円の場合では、
・最初の半年、一か月分は、25万円×0.67=16万7,500円。その6か月分で、100万5,000円
・残りの4か月分は、1か月分は、25万円×0.5=12万5,000円。その4か月分で、50万円
となり、
トータルでは150万5,000円になります。
・延長
「両親ともに育児休暇を取る」「保育所が見つからない」などの条件で、お金が出る期間を最大で半年延ばせます。
2.育児休業手当金
元の給料25万円ならば、トータルで約205万円。
30万円ならば、約246万円
2-1.公務員
国、地方自治体(都道府県・市町村)から直接雇われている場合です。「本当の意味での公務員」といってもいいでしょう。
看護師の勤務先でいえば、国のものでは、自衛隊病院、宮内庁病院、国立印刷局病院などです。そうは多くありません。
一方、地方自治体(都道府県・市町村)では、ほとんどがこれに当たります。
2-2.支給元
「共済組合」が用意しているものです。
「共済組合」とは、病気になったり、退職したりといった、お金などの助けが必要なときに、同じ職業の人や同じ職場にいる人たちが 互いに助けあうために作られている団体です。
国家公務員の場合は、「国家公務員共済組合」があります。
地方公務員の場合は、「東京都職員共済組合」、「地方職員共済組合」、「指定都市職員共済組合」、「市町村職員共済組合」などです。
国家公務員・地方公務員として働いている場合は、同時にこのメンバー(組合員)となっているのです。また、組合員でいるために、お給料の中から一定額(組合費)が天引きされています。
2-3.計算方法
・育児休業に入って180日までは、標準報酬日額(月給の22分の1)の67パーセント
・それ以降は、50パーセント
となります。
・上限
こちらも上限額が決まっていて、「67パーセント」の時期は1日あたり約13,000円、「50パーセント」の時期は、10,000円弱になっています。
こちらも、上限額に達するのは、月給で43万円か44万あたりです。
・期限
期限は「給付金」同様に、「子供が1歳になるまで」です。
実際に月給25万円で計算すると
A.診療報酬日額 25万円÷22日=1万1,367円
B.給付日額(最初180日) A×0.67=7,614円
最初の180日分 B×180=137万0,520円
C.給付日額(残りの120日) A×0.5=5,684円
残り120日分 C×120=68万2,020円
となり、
トータルは205万2,540円ということになります。
・延長
これまた同様に、「両親とも育児休暇を取る」「保育所が見つからない」などの条件で、最大で半年延ばせます。
3.まとめ
制度が分かりにくいですが、大切な手当です。具体的に受け取ることができる金額や期間をきちんと理解して、正しく活用しましょう。
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