美容外科・美容皮膚科の看護師の離職率が高いって本当?
「美容外科・美容皮膚科の看護師は離職率が高い」というのは否定できません。
入職後数か月で辞めてしまう人も少なくなく30%ともいわれます。せっかくの転職活動の時間を無駄にしないためにも、なぜすぐにやめてしまうのか?長く続かないのか?という理由をおさえてから美容系病院(美容外科、美容皮膚科)への転職を検討していきましょう。
目次
1.どんな理由で辞めるの?
退職の理由はさまざまですが、一般の病院との違いに戸惑ってしまった、ついていけなかったという声が多いです。
辞めてしまった看護師さんの主な理由は
①性格的に接客に向いていなかった。
②美容に対して、あまり興味が持てなかった。
③やっている施術・治療の内容をよく知らないまま就職・転職してしまった。
④ノルマが負担でプレッシャーだった。
⑤人間関係が合わなかった。
⑥看護師としてのキャリアにプラスにならないと感じた。
⑦年齢が高くなってしまった。
といったものがみられます。
1-1.性格的に接客に向いていなかった。
美容外科は、通常の病院とやっぱり毛色が違う点が多いです。レーザー脱毛、ケミカルピーリング、プラセンタ注射、二重手術、脂肪吸引・・・などなど行っていることは美容サービスが中心です。また、保険が効かない高額な手術や美容施術を提供しています。そのため、自然と美容系の病院はエステサロンに近くなり、お客様へ丁寧な対応というものが求められてきます。
この接客というスタイル(丁寧な言葉づかい、敬語・・・)が看護師さんには合わない人が一定数います。普通の病院では気さくな感じで患者さんと接してきた、そのほうが自分の肌に合っているという人には窮屈な職場に感じてしまいますね。
また、接客に厳しい病院では、最初の3か月は試用期間として新人さんに研修とお試し期間を設けています。あまり向いていないと判断されたらクビ(解雇)となります。自分から辞めたというケース以外にも契約解除で退職ということもあります。この点も離職率が自然と高くなってしまう理由の一つです。
1-2.美容に興味が持てなかった。
女性であっても、それほど美容に関心が持てなかったと言う声も多いです。美容系の世界よりも患者さんとじかに向き合うほうがあっていた、現場に立って初めて気が付いたということです。
1-3.治療内容をよく知らないまま就職してしまった。
事前に調べていてもいざ、仕事について数か月働いてみてやっぱり違うかな・・・ということはありますので、この部分は自分の性格的にどうなのか?気にならないのか?というところも考えておきましょう。
脱毛クリニックなど美容系の職場は、一般の病院勤務と毛色は違います。また、大きな差はないけれど、美容外科と美容皮膚科も仕事の内容が変わります。
事前にきちんと仕事内容を把握して、転職を検討することが大切です。
⇒美容皮膚科と美容外科の違いは?仕事内容と、それぞれで働く看護師の適正、どっちが向いている?
1-4.ノルマ制がプレッシャー
④の販売や契約のノルマは課しているところとそうでないところがあります。また、ノルマの種類や厳しさも様々です。
美容外科は給料がいい!というイメージがありますが、基本給自体は実は他の病院や診療科とそれほどは変わりません。給料がいいのはこのインセンティブの分が手当として上乗せされているからです。しっかり稼ぎたい!年収「が高い仕事がしたいという人にはやる気やモチベーションアップにつながり、やりがいを感じる人もいます。
ただ、その一方で仕事自体は好きだけれど、契約が思うように取れない、いずらくなった・・・ということで辞めてしまうこともあります。
ノルマは嫌だなという人は、ノルマ制を採用していない転職先をきちんと調べておけば大丈夫です。
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1-5.美容外科独特の人間関係が難しい
美容外科ならではの特殊な人間関係もあります。販売や契約売り上げのノルマ制があるところでは、ライバル同士になるので競争があり、対抗意識むき出しで疲れてしまう、逆に契約が取れず冷たい視線、・・・などギスギスしやすい一面があります。化粧品メーカーの美容部員さんに似た雰囲気ですね(笑)。負けず嫌い、気が強いという女性に向いているともいえます。
また美容系の病院に限りませんが、女性ばかりの職場では人間関係はいろいろと複雑なものです。この点はどこの職場でも同じことなので、自分なりに無理のないように合わせていく必要はあります。
1-6.キャリアにプラスにならない
美容外科は、サービス業に近いところがあるので本来の看護師の仕事と関係ないものが中心になります。接客、受付、電話応対、クレーム対応、掃除、雑務、販売、営業。
また、整形手術をする場合でも、手術の種類は意外と限られてシンプルなものが中心です。長く勤めていても看護師の純粋なスキルというのは磨かれることはほとんどありません。もし、一般の病院や医療機関に戻るという場合でも、それまでの美容外科でのキャリアはほとんど評価されないというのが厳しい現実です。
看護師としてスキルを磨きたい!という人は転職先には他の分野の病院を選びましょう。
1-7.年齢が高くなってしまった
この年齢の問題も美容外科ならではです。やはり、美を提供する場となるので、そこのスタッフも若くてきれいな女性が優先されます。
現実には40歳を超えても美容外科の看護婦を続けられる人(転職できる人)は、ほんのひとにぎりです。ただし、急募の求人案件ではキャリアのある即戦力のスタッフ、オペ経験者を求めていることが多いので、そうした求人を中心に探してみるというのもおススメです。
2.まとめ
美容系の病院は自由診療制で保険が効きません。なので、看護学校では学ぶことも触れることもないので内情がよくわからない・・・という看護師さんの声が多いです。
また、離職率が高い!と言われていますが、実際には何%という具体的な数字ははっきりされていません。
病院側はイメージダウンにつながりますので、公表していなかったり、調べてさえもいないようです。全国展開しているような大手の美容外科などは、きっちりと数字を出しているところもありますが、この場合でも、転職サイトなどにこっそり提供しているだけ・・・。しかも、こういう美容外科は、一般よりもいい数値だから提供しています。
看護師の転職サポートを使えば内情の退職率を知ることができます。登録して本当のところの数字を自分の目で確認してから転職先を検討するのがやっぱり確実ですね。また、転職情報サイトは非公開の求人があり好条件の求人が見つかるうえ、転職アドバイザーが転職のサポート全般をしてくれます。ブラッククリニックも多いといわれる業界ですが、そうした内情も転職情報として教えてくれます。
離職の理由を細かく紹介しましたが、美容外科の求人に興味がある人は自分の性格にあっているかをじっくり考えてみてください。病棟勤務が合わない、お金もしっかり稼ぎたい、美容が楽しいという人には向いている職場です。
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