感染管理認定看護師についてまとめました。

看護師の中のスペシャリストとして活躍する認定看護師は今、21の分野があります(最も早く始まったのは、「救急看護」と「皮膚・排出ケア」です。1997年6月に制度が始まっています)。

「感染管理」の場合は、2001年8月です。全体の中では早いほうです。

1.一番取得者が多い

2105年1月に発表された数字では、全国に2,053人います。

ちなみに認定看護師全体では14,172人です。実は認定看護師の中で最も多いのが、この感染管理認定看護師です。以下、皮膚・排泄ケアの2,040人、緩和ケアの1,641人と続きます。

2.内容

いったい何をやるのかといえば、この認定をしている日本看護協会では……

①医療関連感染サーベイランスの実践
②各施設の状況の評価と感染予防・管理システムの構築

……としています。

3.認定のためのテストを受ける条件

3-1.授業内容

資格をとるための授業ではどんなことをやっているか見てみましょう。

例は日本看護協会が持つ学校で行われているものです。よそも大きな違いはありません。

全認定看護分野に共通する科目

1.リーダーシツプ
2.文献検索・文献講読
3.情報処理
4.看護倫理
5.教育・指導
6.コンサルテーション
7.対人関係(選択科目)
8.看護管理(選択科目)

専門基礎科目

9.感染管理学
10.疫学と統計学
11.微生物学
12.感染症学
13.医療管理学

専門科目

14.院内感染サーベイランス
15.感染防止技術
16.職業感染管理
17.感染管理教育
18.洗浄・消毒・滅菌とファシリティマネジメント

実習と演習

19.演習
20.臨地実習

「全認定看護分野に共通する科目」は、「21のどのジャンルの認定看護師のどれになるにも必ず受ける授業」ということです。

ここに「リーダーシップ」とあるのは、認定看護師の特徴でしょう。看護学部などでお目にかかることはないですよね。

つまり、職場の中で、ほかの看護師の指導的立場になる(先生役やリーダー役になる)といったことがここに表れています。

具体的な仕事内容となると、「専門科目」から想像がつきます。

「14.院内感染サーベイランス」とは、「病院の中で、の感染予防が目的。そのために、院内を継続的に調査・監視するシステムのこと」です。つまり、どちらかいうと、「患者さん一人ひとりの治療や看護に当たる」よりも、「病院全体の感染症予防や対策をする」ということです。

15~18もこれとかかわりの深いことばかりです。

3-2.実務経験

認定のためのテストを受けるには、「実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)」となっています。

「この14~18にかかわりの深い仕事を3年以上してきた」というのが条件ですね。

念のために、日本看護協会の出している条件を挙げておきます。

①通算3年以上、感染管理に関わる下記のような活動実績を有すること。

・最新知見や自施設のサーベイランスデータ等に基づいて、自身が中心となって実施したケアの改善実績を1事例以上有すること。

・医療施設において、医療関連感染サーベイランス(血流感染、尿路感染、肺炎、手術部位感染)について計画から実施・評価まで担当した実績を1事例以上有することが望ましい。

②現在、医療施設等において、専従または兼務として携わっていることが望ましい。

もちろん、「認定看護師教育機関で6か月以上の課程を受ける」というのも、ほかの認定看護師と同じです。

4.感染管理認定看護師のためのコースがある学校

2105年を例にすると、次の11か所で授業が用意されています。このどれかに通う必要があります。

北海道
北海道医療大学・認定看護師研修センター 定員20名

東京都
日本看護協会・看護研修学校 30名

神奈川県
神奈川県立看護協会・看護研修学校 30名
神奈川県立保健福祉大学・実戦教育センター 30名

長野県
長野県看護大学・看護実践教育課程 20名

石川県
石川県立看護大学・付属看護キャリア支援センター 30名

愛知県
愛知医科大学・看護実践研究センター 25名

兵庫県
日本看護協会・神戸研修センター 30名

山口県
山口県立大学・看護研修センター 30名

福岡県
国際医療福祉大学・九州地区障害教育センター 30名

宮崎県

宮崎県立看護大学・看護研究・研修センター 15名

また、「休講中」としているところもあります。「年によっては開講される」ということです。

東京都
国立看護大学校・研修部

三重県
三重県立看護大学・地域交流センター

沖縄県
沖縄看護協会

こうやってみると、「県内だけではなく、隣の県にもない」ということもありそうです。「どうしても、授業を受けたい」というのであれば、「ほかの病院に転職する・引っ越しする」という必要のある人もいそうです。

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