やせ菌できれいに痩せる?!ダイエットの天敵デブ菌を退治しよう!
2016/11/17
友人などの中に、「どれだけ食べても太らない」といった人はいませんか。
「自分は何をやってもやせないのに」という人には、うらやましい限りでしょう。
ですが、「太らない体質」とひとことで片付けてはいけません。ひょっとしたら、やせ菌のおかげなのかもしれません。
だとしたら、このやせ菌とうまく付き合うことで、自分自身も太らない体質を手に入れることができるはずです。
目次
1.でぶ菌とやせ菌
1-1.腸の中に住んでいる菌
腸の中には、500~1,000種類もの菌が住んでいると考えられています。
数にすると約600兆~1,000兆個、重さにすると1~1.5キロにもなるといいます。
これらの菌がそれぞれ種類ごとにある程度固まって繁殖しています。これを「腸内フローラ」ともいいます。
フローラ(flora)とは植物相の意味です。「腸内フローラ」という言葉からは、「腸の中のお花畑」をイメージしておけばいいでしょう。
腸内フローラがすごい!~お花畑を腸に作る、若さの秘密はここにあった!
これらの菌のうち、1割程度が体の役に立つもの(善玉菌)、2割程度が体に悪い影響を与えるもの(悪玉菌)、残りは「状況次第で、どちらにもなる可能性のあるもの」(日和見菌)です。
1-2.やせ菌ばかりでもダメ
この腸内に住む菌の中に特に肥満防止に役立つものがあります。それらがまとめて、やせ菌(痩せ菌、ヤセ菌)と呼ばれています。
「腸内細菌のバクテロイデーテス類(バクテロイデス類)」といった言い方をすることもあります。
これの反対が、でぶ菌です。こちらは「ファーミキューテス類」と呼ぶことがあります。
1-3.やせ菌とでぶ菌の働き
なぜ、やせ菌の数が多くて、活発に活動すれば、やせるのかはまだよくわかっていません。
ただ、マウスなどの動物実験で、やせ菌が多いほうが体脂肪が少ないという結果は出ています。
専門家の中には、「やせ菌は食物を分解する際に、短鎖脂肪酸を合成する。これが、悪玉菌の増殖を抑え、大腸の粘膜を刺激して蠕動活動を盛んにし、免疫力も上げる」と考えている人もいます。
単純に太らないだけではなく、健康全般に大いにプラスになるのです。
短鎖脂肪酸も脂肪の一種ですが、体の中の脂肪細胞に取り込まれることが少なく、効率よくエネルギーとして消費されます。
だから、「太らない、やせる」ということになるのです。
一方のでぶ菌は「もう消化が終わって、あとは便として排出するだけ」といったものまで、腸の中にとどめて、栄養を吸収してしまいます。
これでは食事から吸収するエネルギーの効率がよくなりすぎます。これが肥満につながるのです。
ただ、「でぶ菌が少なくて、やせ菌ばかりあればいい」ということもありません。でぶ菌6に対し、やせ菌4ぐらいがちょうどいいとされています。
2.やせ菌を増やす方法
2-1.実はやせ菌・でぶ菌とも日和見菌
ここまでの話で、多くの人は「やせ菌は善玉菌、でぶ菌は悪玉菌」と思ったかもしれません。
ですが、実は両方とも日和見菌です。つまり、善玉菌が優勢ならば、自分たちも善玉菌の側につき、悪玉菌が優勢ならば悪玉菌の側につきます。
つまり、腸の中の環境次第では、やせ菌までもが体にマイナスになる活動をし、肥満の原因まで作ってもしまうのです。
逆にでぶ菌も環境次第ではプラス面のほうが大きくなります。
2-2.必要なのはやせ菌とでぶ菌のちょうどいいバランス
「やせ菌もでぶ菌も日和見菌」「やせ菌だけあればいいのでなく、必要なのはでぶ菌とのちょうどいいバランス」が話のポイントです。
直接やせ菌だけを増やすような努力をしてもあまり意味はありません。また、そういった方法は知られていません。
3.やせ菌を増やすには腸内環境を整えるのが第一
「やせ菌を増やす方法」として、実際にやることは、ズバリ、「腸内環境を整える」です。
違う言い方をすると、「善玉菌を増やし、悪玉菌を抑える」です。
善玉菌を増やし、腸内環境を整えると、自然とやせ菌は増えますし、またそのやせ菌は、善玉菌の味方として働いてもくれるのです。
4.腸内環境を整える方法
実は、「腸内環境を整え、そのことでやせ菌を増やす方法」は、「便秘を解消する方法」「宿便をなくす方法」とほぼ同じです。
「な~んだ」と思ってしまうのではなく、「腸内環境を整えれば、便秘も肥満も解消する」と理解しましょう。一挙両得というやつですね。
4-1.食事
「これがおすすめ」というもはります。ですが、それらばかりとっていては、体全体の健康も崩してしまいます。これでは、腸内環境どころではありません。「栄養バランスのいい食事を心がける」が、土台となる考え方です。
その上で考えるのは、①「善玉菌がたくさん含まれた食材をとる」と、②「善玉菌のエサになる食材をとる」です。
4-1-1.善玉菌
善玉菌の代表は、なんといっても乳酸菌です。
発酵食品には、乳酸菌がたくさん含まれています。ヨーグルト、チーズ、つけ物、みそなどなど、身近なものもたくさんあります。
ただし、その中でも種類と食べ方に注意です。
動物性乳酸菌
ヨーグルトやチーズで繁殖している乳酸菌を、動物性乳酸菌と言います。
実はこれらは、胃の酸などにやられて、腸まではほとんど届きません。ですから、特に腸まで届くような工夫がされたものを選ぶようにしましょう。
植物性乳酸菌
一方、つけ物などに繁殖しているものは、植物性乳酸菌です。一般的には、こちらのほうが腸まで生きたまま届きます。
また、どんな種類の乳酸菌であっても、熱には弱いです。もし、乳酸菌目当てでみそを使うのであれば、みそ汁よりも生のまま使う和物などにしなければいけません。
4-1-2.善玉菌のエサ
善玉菌のエサになるものの代表はオリゴ糖と食物繊維です。
オリゴ糖を含む食材は、なんといっても豆類です。いんげん豆、えんどう豆、あずき、そら豆、なた豆、大豆などがあります。
ほかには、ごぼう、玉ねぎ、はちみつ、ヤーコンなどがあります。
ただ、自然の食材からはなかなか十分な量をとるのは難しいです。サプリメントなどをうまく利用するようにしましょう。
食物繊維
もうひとつの方の食物繊維といえば、すぐに「便秘解消に役立つ」の方をイメージする人も多いでしょう。
食物繊維には、2種類あります。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、水に溶けやすく、便を柔らかくして、排出しやすくする効果があります。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は、水を抱え込んで膨らむ性質があります。便にまじると、体積が増えます。これが大腸を刺激することになり、蠕動運動が活発になります。
これら食物繊維には、それに加えて、「善玉菌のエサになる」という役割があるのです。二重・三重にも腸内環境の改善に役立っているわけです。
水溶性の食物繊維は、こんにゃく、らっきょう、海藻類などにたくさん含まれています。不溶性食物繊維ならば、豆類、きのこ類、ごぼうなどです。もちろん、納豆、豆腐、黄な粉のように豆を加工した食べ物もOKです。
中でも、大麦、もち麦といった麦類は、両方の食物繊維が豊富です。更には、品種改良で含有量の更に増やしたスーパー大麦といったものもあります。
お米に混ぜて、麦ごはんにしてもいいです。もっと、お手軽にやるのならば、これらが入ったオートミールやグラノーラを利用するのもいいでしょう。
4-2.そのほかの方法
・よくかんで食べる
よくかむことで、唾液も十分に出、消化酵素もたくさん分泌されます。
これで食べたものの消化・吸収がよくなり、胃腸への負担も減ります。
・ストレスをためない
ストレスがたまると、ホルモンバランスが崩れます。胃腸ももちろん影響を受けます。
胃腸の活動が悪くなると、それだけでも悪玉菌が優勢になってしまいます。
・規則正しい生活を心がける
これもやはりホルモンバランスを崩さないためです。
「起床・就寝時間をいつも同じにする」「ダイエットなどとして、気まぐれに食事の量をへらさない」「たまのことだからと、ドカ食いをしない」といったことを心がけましょう。
・体を動かす
できれば、ウオーキング、ジョギングなどがおすすめです。
それが無理でも、「買い物も近い距離ならば、自動車を使わず、歩いて行く」「エレベーターやエスカレーターがあっても、あえて階段を歩く」といったことでも十分に変化はあります。
もちろん、これもホルモンバランスにプラスになります。それだけではなく、体全体が揺れ動き、血液も盛んに流れることで、蠕動運動も活発化します。
「便秘も解消する」ということですので、悪玉菌のエサになる古い便ともサヨウナラできます。
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