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アサツーディケイ(ADK)の年収はどれくらい?アニメに強い業界3位の魅力

      2016/12/17

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advertimes.com

「激務らしいが、仕事は面白いらしいし、給料は高い」として新卒者からも、転職者からも注目を浴びているのが、広告代理店です。

まず多い浮かべるのは、電通と博報堂でしょう。「電博(でんぱく)」という言葉もあるぐらい、その存在感は圧倒的です。

「その次は?」となるのが、このアサツーディケイです。

規模では劣ります。ですが、電博との社風の違いもあり、「広告業界で就職・転職するのならば、ここしか考えられない」という人も決して少なくありません。

1.広告業界では電通・博報堂に次ぐ、ナンバースリー

売上高で、広告会社上位5社をピックアップすると、

電通=単体 1兆5,351億円/連結 2兆4,192億円(2015年3月期)
博報堂=6,587億円/1兆1,310億円(2015年3月期)
アサツー ディ・ケイ=3,068億円/3,519億円(2015年12月期)
サイバーエージェント=1,706億円/連結 3,107億円(2016年9月期)
大広=1,400億円 /(博報堂の子会社のため、数値なし)(2015年3月期)

、となっています。

アバウトにいえば、「電通の半分が博報堂、さらに半分がアサツー ディ・ケイ、さらに半分がサイバーエージェントと大広」となります。

これらのうち、サイバーエージェントはインターネット専門の広告代理店、ほかの4社はネット・テレビ・新聞・雑誌なども対象にしている総合広告代理店です。また、大広は博報堂の子会社です。

ですから、比較相手としては、やはり電通と博報堂の2社を意識しておけばいいでしょう。

大まかにいえば、「アサツー ディ・ケイは給料の点では電博に劣る。だけども、仕事内容や社風に魅力を感じる人も多い」といったところです。

2.年代ごとの電通とアサツー ディ・ケイの年収など

経済誌の『週刊東洋経済』は毎年、いくつかの切り口で年収のランキングを出しています。電通とアサツー ディ・ケイの名前も見えますので、ピックアップしてみましょう。

順位は全上場会社3千数百社の中でのものです。また、それぞれ発表時期はずれますが、現時点で最新のものです。

・30歳推定年収

電通=917万円、13位
アサツー=595万円、295位

・40歳推定年収

電通=1,238万円、13位
アサツー=804万円、160位

・平均年収

電通=1,301万円(平均39.5歳)、16位
アサツー=827万円(平均41.7歳)、295位

・生涯賃金

電通=4億5,843万円(平均39.5歳)、13位
アサツー=2億9,763万円(平均41.7歳)、197位

この週刊東洋経済の年収ランキングの中に博報堂の名前は見当たりません。

というのは、博報堂は持ち株会社化しており、有価証券報告書の形が違います。比較しにくいのです。

ですが、数年前まではこの持ち株会社「博報堂DYH」も採り上げられていました。それによると、どの年代でも金額は電通の8割程度でした。

同じような給与システムになっているはずですから、博報堂単体の数値とも大差はないでしょう。

つまり、「博報堂の年収は電通の5分の4程度。アサツー ディ・ケイの年収は博報堂の5分の4程度。電通とアサツー ディ・ケイでは3分の2程度」ということになります。

やはり、広告業界の2強と、3位のアサツー ディ・ケイでは小さくない差があると、いうしかないでしょう。

ただ、そのアサツー ディ・ケイでも全上場企業3千数百者の中で、200位-300位にいるわけです。こちらの面から考えると、そうは悪い年収・順位ではありません。

3.アサツー ディ・ケイという会社

3-1.歴史

アサツー ディ・ケイの起源となる会社はふたつあります。

ひとつは1956年に設立された「旭通信社」です。

特にアニメの企画・制作を盛んに行い、他社を全く寄せ付けませんでした。

『ドラえもん』『機動戦士ガンダム』『クレヨンしんちゃん』『巨人の星』『天才バカボン』などは、旭通信社がかかわったテレビアニメです。今でも、古いアニメの再放送をみていると、クレジットに「旭通信社」の名前がしばしば出てくるはずです。

もうひとつは、1951年に設立された「第一企画宣伝」です。

こちらの方は特にマーケティングで高い評価を受けていた会社です。

この2つが合併してできたのが、アサツーディ・ケイです。「アサツー」はもちろん「旭通信社」から、「ディ・ケー」は「第一企画」から取られています。

また最近では、「ADK」の略称もよく使われています。

従業員数は、アサツー ディ・ケイ単体で約1,900人、連結子会社を含めると、約3,500人います。

全体の売上高だけではなく、従業員数も、電通、博報堂に比べるとかなり少ないものです。ですが、今でもアニメの分野では圧倒的な強さを見せています。

3-2.特徴・社風

電通の場合、とにかくモーレツ広告マンが多いです。「力ずくでも広告を取ってくる」という雰囲気です。「典型的な体育会気質」というのも、よく指摘されるところです。

そのライバルの博報堂は、「おしゃれでスマートな人が多い」との評価もあります。ですが、これは「あくまで電通と比較して」ぐらいに思っていたほうがいいでしょう。

絶対的な首位の電通が悪い面でも注目を浴びがちなので、第2位の博報堂は、その批判票を集めていることもあります。実際よりも良い評価を受けやすいのです。

仕事の範囲は全く電通と重なります。それだけに電通にも負けないぐらいの強引さを持っている社員も多いようです。

電通や博報堂は明治時代にすでにスタートを切っています。先行し、順調に発展した分、この2社でのシェアは圧倒的です。

戦後発足した旭通信社や第一企画はどうしても、正面からは太刀打ちできず、そのニッチ(すき間)を埋めるような分野が活躍場所となりました。

旭通信社時代から得意にしているアニメの企画・制作はその典型です。

この路線が成功し、独自の強みがあるせいか、電通や博報堂の社員とは違った雰囲気があるといいます。

クライアントなど、アサツー ディ・ケイの社員との付き合いのある外部の人たちからよくきかれるのは、「広告マンらしさがあまりない」です。電通・博報堂が標準だと思っている人たちからすると、「ガツガツしたところがない」「穏やかな雰囲気の人が多い」ということになります。

3-3.関連会社・子会社

電通や博報堂に比べ子会社の数は多くありません。売上高でも、電通の場合、連結子会社分だけでも約1兆円あるのに対し、アサツー ディ・ケイの場合は450億円ほどです。20分の1もありません。

その中で目立つのは、やはりアニメ関連です。

・ADKアーツ=(1)テレビCM・映像・グラフックなどの制作関連、(2)映画・音楽・放送番組、CD、DVDその他のコンテンツの企画・制作、(3)催事・展示・装飾のほか、展覧会・博覧会、コンサート・スポーツ等各種イベントの企画・立案、といったように制作関連を一手に引き受けています。

・エイケン=1952年にテレビ受像機輸入販売会社の「日本テレビジョン」として始まりました。すぐに、CMのためのアニメ制作やテレビ番組のアニメ制作などへも事業内容を広げます。その後、アニメ部門だけ独立する形し、社名も、「テイ・シー・ジェー動画センター」となります。『鉄人28号』、『サザエさん』などはこのテイ・シー・ジェー動画センター時代に始まっています。

「エイケン」の社名を使うようになったのは、1973年からです。2002年にアサツー ディ・ケイが株式の70パーセントを取得し、子会社化しました。

・ゴンゾ=1992年に設立されたアニメ制作会社です。アニメ番組を作るほか、テレビドラマ『電車男』、映画『ガメラ 大怪獣空中決戦』の中のアニメ部分なども制作しています。2016年にアサツー ディ・ケイが株式の80パーセント余りを取得し、子会社化しました。

・アニメコンソーシアムジャパン=バンダイナムコホールディングスなどとの合弁会社です。日本アニメの海外向け配信やアニメ関連商品の販売を展開しています。

・スーパー・ビジョン=アニメーション作品の映像ソフトの制作・販売が中心です。

・アニマックス=ソニー・ピクチャーズ、サンライズ、東映アニメーションなどとの共同出資で設立されたアニメ専門チャンネルです。

4.アサツー ディ・ケイについて知るには

アサツー ディ・ケイへの就職のための情報としては、

・『アサツーディ・ケイ(ADK)の会社研究 2017年度版―JOB HUNTING BOOK (会社別就職試験対策シリーズ) 』就職活動研究会(協同出版・2016/2)

、があります。

少し古い本なのですが、社風を知るのにおすすめなのは、

・『アサツーDK創業者稲垣正夫が明かす「全員経営」のすすめ―グローバル時代に生きる経営理念と実践』板垣 英憲 (日本文芸社・2001/3)

、です。

また、アサツー ディ・ケイについて考えるには、どうしてもその上の二強、電通と博報堂についても知る必要があります。実際に面接などに臨むと、「なぜ、電通・博報堂ではなく、アサツーディ・ケイを選ぶのか」をきっちりと説明することが欠かせません。

・『大手広告代理店のすごい舞台裏 電通と博報堂が圧倒的に強い理由』本間龍(アスペクト・2012/6)

これあたりが参考になるでしょう。

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