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キーエンスの年収についてのまとめ

      2018/02/22

「給料がいい会社はどこか」と調べ始めると、必ず目に入るのがキーエンスです。なにしろ、生涯収入、年収といった各種のランキングでは必ず最上位に入っています。

ただ、「何をやっている会社か」となると、ピンとこない人も多いのではないでしょうか。

それがわからないと、「なぜ、こんなにも高い給料が出せるのか」「もし、就職したらどんな仕事を任されることになるのか」もわかりません。

1.年代ごとのキーエンスの年収

いろいろなところが年収のランキングを出しています。ここは最も信頼できる「週刊東洋経済」のものでチェックしてみましょう。何しろ『会社四季報』も出している経済誌なのです。

発表時期は少しずつずれますが、最新のものでは以下のようになっています。順位は3千数百社ある全上場企業の中でのものです。

初任給(月額、2016年4月実績)=修士修了22.5万円、学部卒20.5万円、500位までのランクに入らず

30歳推定年収=1,546万円、3位

40歳推定年収=1,793万円、1位

平均年収=1,688万円(平均35.3歳)、3位

生涯年収=6億7,323万円、1位

初任給が平凡な数字なのがやや意外です。ただ、初任給の数字はあくまで基本給です。参考程度に考えておきましょう。

それ以外は「日本で最も給料高い会社」という評判を裏付けています。

30歳推定年収と平均年収でキーエンスより上にいるのは、いずれもM&Aアドバイザリー・仲介会社のM&AキャピタルパートナーズとGCAサヴィアンです。これらの会社は経営状態のアップダウンも激しいです。安定してこの位置にいることはないでしょう。

製造業のキーエンスが各種ランキングで最上位にいるのは、極めて異例なことなのです。

2.電子機器製造・販売業について

キーエンスの事業内容は、同社では「ファクトリーオートメーション用の各種センサ、測定機器及びその他電子応用機器の開発並びに設計、製造及び販売」としています。

ひとことでいえば、電子機器製造・販売業です。キーエンスの場合、そのまま消費者・利用者の手元に届くような製品ではなく、部品が中心です。「エレクトロニクス関連の部品製造業」といったほうがピンとくる人もいるかもしれません。

ライバルとなるような企業は、日本電産、ローム、TDK、ヒロセ電機、堀場製作所、ファナック、京セラ、村田製作所、日東電工などです。これらの企業は電子部品を国内外のほかの製造業に供給し、ハイテクを支えています。

近年、日本の製造業の低迷ぶりが語られることが多くなりました。ですが、これらの電子部品メーカーは海外での売り上げの比重が高いため、それほど影響は受けません。

大手電子部品メーカーのほとんどが高収益・高給を維持しています。その中でもひときわ目立つ存在が、キーエンスなのです。

3.キーエンスについて

キーエンスの創業は意外に新しく、1974年、滝崎武光が兵庫県尼崎市に起こしたリード電気に始まります。

現在の社名「キーエンス」になったのは、1986年です。「Key of Science」を縮めて、「KEYENCE」となりました。

現在本社を大阪市東淀川区に置くほか、拠点は国内各地はもちろん、北米・南米に30カ所以上、ヨーロッパ・アフリカに20カ所以上、中国に15カ所、アジア・中東・オセアニアに15カ所あります。

トータルでは世界44カ国、200拠点で事業を展開しています。

現在の従業員数は連結子会社を含めると、約5千人です。

製品の種類は、

・センサ(ファイバセンサ、光電気センサ、近接センサ、超音波式センサ、接触式センサ、画像判別センサ)
・変位センサ(接触式変位センサ、面光電センサ、レーザ式変位センサ)
・変位計、寸法測定器、投影機
・安全機器
・PLC、モータ
・タッチパネル・FAデータ収集機器
・バーコード・2次元コード、RFID
・マイクロスコープ顕微鏡、三次元測定
・データロガー、記録計・レコーダ
・流量・圧力センサ
・静電気対策機器、クリーン機器
・レーザーマーカ、インクジェット
・3Dプリンタ
・PLC、ACサーボ

などです。

こうやって見るとわかるように、センサ関連が多いです。ほかのメーカーは工場などでこれらのセンサなどを使って、自社製品を製造するのです。

年間の売上高は、連結で2,912億円、単体で2,289億円です。驚異的なのは、この売上高ではなく、営業利益の方です。それぞれ、1,555億円、1,383億円あります。

つまり、製品を100万円売れば、50万円以上もの利益が出るわけです。これは高い利益率を誇るエレクトロニクス関連の中でも際立つ数字です。一般的な製造業であれば、10パーセントに届けば大成功です。

キーエンスの作り出す製品はそれだけ必要とされており、他社ではまねのできないことの証拠のひとつです。

4.キーエンスについて知るには

これほどの優良企業で、「日本で一番給料の高い会社」なのに、企業そのものや創業者・経営者についての情報は、極めて少ないです。

理由のひとつは、一般の消費者がキーエンスの製品を目にすることは少なく、買い手もメーカーであることです。

ですが、これだけでは説明がつきません。

たとえば、同じエレクトロニクス関連でも、日東電工はたまにはテレビCMを出したり、スポーツイベントなどのスポンサーにもなっています。日本電産ならば永守重信、京セラならば稲盛和夫、堀場製作所ならば堀場雅夫と、創業者がマスコミにも登場して、日本経済やエレクトロニクス業界について語ったり、自らの経営哲学を披露したりしています。

知名度アップに励んでいるエレクトロニクス関連企業も少なくないのです。

一方、キーエンスが一般の人にまで名前を売ろうとすることは、まずはありません。創業者の滝崎武光は29歳でリード電子を創業し、自分一代で今のキーエンスにまで育てた優れた経営者ですが、テレビには出ませんし、講演会もありません。ほぼ無名のままです。

こういったキーエンスのスタンスは、秘密主義とまでいわれています。

ただし、本であれば、kindle版も含めてたくさん出ています。やはり、超優良企業の秘密に迫りたい人は多いようです。

・『会社の歩き方2014 キーエンス』ダイヤモンド会社探検隊(ダイヤモンド社 ・2012/12)

・『ビジネスケース『キーエンス~驚異的な業績を生み続ける経営哲学』―一橋ビジネスレビューe新書No.7』一橋大学イノベーション研究センター など(東洋経済新報社 ・2014/4)

・『[実践] 超高収益商品開発ガイド 粗利80%実現7つのステップ』高杉 康成(日本経済新聞出版社・2013/10)

・『元キーエンスのトップセールスが教える 誰でも売れる「プロセス思考」営業術』藤岡 晋(日本実業出版社 ・2013/9)

などがおすすめです。

5.キーエンスという会社

キーエンスは大阪の東淀川区に本社を置く電気機器メーカーで、主に産業用エレクトロニクスの分野で自動制御機器・計測機器・情報機器・光学顕微鏡などを手がけています。

同社は国内の製造業の中でも飛びぬけて高収益を生み出せる企業として知られています。

6.高収益と高待遇で人気

特に近年では自動車の生産自動化に用いるセンサーで増収増益していおり、平成26年3月期に発表された売上高は2,650億円にのぼり営業利益は驚きの1,306億円になり、営業利益率でいえば49.3%で純利益は859億円に及ぶ優良企業です。
また同社は電機業界の平均年収ランキングで1位の常連であることから一般に広く知られるようになりました。
これは各種媒体の調査でも常に上位にランクインしており、優良企業ランキングや生涯給与ランキングではいずれも長期に渡り1位に選ばれているのです。

キーエンスの年収について

同社の平均年収についてですが社員全体の平均年収は1398万円とされており、同業他社を圧倒的に引き離しています。

例えば同じくセンサー等を取り扱う大手のオムロンでも平均は800万ほどに留まり、双方には実に600万円ほどの開きがあるのです。

続いて年代別に見てみると

30歳で1292万円、

40歳で1622万円

とされており、累積した生涯給料は5億6千万円ほどにのぼります。

7.なぜキーエンスは高収入なの?

同社について話を聞く時には給料が高い点だけを取り上げられる事が多いですが、なぜ高い給料を支払う事ができるのでしょうか。
まず同社で販売されている製品についてですが、新商品として販売する商品のおよそ70%が業界初・国内初・世界初になりますので、企画力や開発力が圧倒的に高いことがよく分かります。

社内の半数が営業マンでコンサルティング営業に力を入れており、また部品製造を外部委託するファブレス経営も大きな特色です。
さらに顧客対応から営業マンの管理などを徹底して行い、ずば抜けた利益を出すための仕組みづくりを細かく作り上げている点も特徴になります。

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