博報堂の年収ってどのくらい？電通とくらべるとこれくらい違う！

電通のライバルとされるのが、博報堂です。二つ合わせて、「電博（でんぱく）」といった呼び方もします。

ですが、この二つを比べると、電通の存在感・影響力の大きさが圧倒しています。博報堂は、やや電通の陰に隠れているような印象があるのは否定できないところです。

このような状況ですから、博報堂を理解するには、電通との比較で考えるのが早道になります。

≫やっぱり電通は年収が良いのか？あまり知られていない電通の年収について

まず、「博報堂」といった場合……

①持ち株会社である「博報堂DYホールディングス（博報堂DYH）」。

②同じく「博報堂DYH」の言葉で、子会社である「博報堂」「大広」「読売広告社」の広告代理店業三社を意味する。さらには、周辺事業をまとめた「博報堂DYメディアパートナーズ」などを加えて考える。

③「博報堂DYH」の子会社のうち、「博報堂」のみ。（この場合、特に「単体の博報堂」といった呼方をすることもある）

……のどれを意味しているかを分けて考える必要があります。

電通の場合は、持ち株会社制を採っていませんので、①の「博報堂DYH」に相当するものはありません。

子会社も含めての「電通グループ」が、②の意味での「博報堂DYH」に相当します。

③に相当するのが「単体の電通」です。

売上高の比較では……

電通（単体）＝1兆5,351億円
博報堂（単体）＝6,588億円

電通グループ＝2兆4,192億円
博報堂DYH（博報堂、大広、読売広告社、博報堂DYメディアパートナーズなど）＝1兆1,310億円

……といったように、どちらで比べても、博報堂側は電通側の半分程度でしかありません。

博報堂の年代別年収

また、経済誌の『週刊東洋経済』がいくつかの切り口で出している年収のランキングでは……

30歳推定年収＝1,023万円、7位。784万円、43位

40歳推定年収＝1,284万円、11位。984万円、50位

平均年収＝1,191万円（平均39.1歳）、20位。1036万円（平均42.8歳）、55位

※左が「電通」、右は「博報堂DYH（持ち株会社）」

……となっています。

この年収の数値は持ち株会社の「博報堂DYH」が計算されています。ですが、その子会社の「博報堂」なども大差はないと考えていいでしょう。

つまり、ほぼすべての年代で……

博報堂の給料は電通の給料の8割前後

……ということになります。

博報堂について

「博報堂DYH」傘下の広告代理店には、「博報堂」「大広」「読売広告社」がありますが、その中核となるのは、「博報堂」です。

創業は明治28（1895）年ですから、電通よりも6年前になります。

「大広」は大阪を中心にしている広告代理店です。本社は今も大阪にあります。

「読売広告社」は、読売新聞社の広告枠買い付けから始まっています。ですが、読売新聞社の系列だったわけではありません。アニメ番組の広告買い付けなどを得意分野にしています。

このようにこれら三社はもともと別々の会社で、しかも互いが競争相手でした。ですが、電通の存在があまりに大きく、団結して対抗するために、業務提携を始めました。それは徐々に強化されていきます。

その仕上げが、2003年、持ち株会社である「博報堂DYH」の設立です。三社はその子会社となりました。

また、それぞれが持っていた広告代理店業以外の部門は、「博報堂DYメディアパートナーズ」にまとめられました。業種としては「広告・セールスプロモーション」になります。

グループ企業

これらのグループ企業全体では、電通グループとカバーする範囲はほぼ同じです。

ですが、グループ企業の構成は少し異なります。

電通の場合、広告代理店業だけでもグループ内に数社あり、さらに広告制作会社、PR会社などが並列して、いくつもある形です。

こちらの博報堂グループの場合は、持ち株傘下に「博報堂DYメディアパートナーズ」があります。メディア関連などは、この「博報堂DYメディアパートナーズ」が一手に引き受けています。

また、この「博報堂DYメディアパートナーズ」のさらに子会社として……

・博報堂DYミュージック&ピクチャーズ（アニメーション制作、映像ソフトの制作・発売、イベント・プロモーション事業、映画の製作・配給など）

・博報堂DYインターソリューションズ（インターネット広告）

・博報堂スポーツマーケティング（スポーツ団体向け事業支援・マーケティング）

……などがあります。

このようなグループ企業の構成ですから……

「広告会社の営業マンになりたい」という場合は、博報堂、大広、読売広告社を目指す。

「イベント屋や広告マンになりたい。CMやテレビ・映画の制作関連で働きたい」というのであれば、博報堂DYメディアパートナーズを目指す

……といったように考えればいいでしょう。

ただし、このどちらであっても、社内には一般事務の部門もあり、そこに回される可能性はあります。

社風

社風については、「電通は荒々しい武士。博報堂はお公家さん。品が良くてのほほんとした人が多い」といった声もあります。

ですが、この言い回しは、「三井はお公家さん、住友は武士」や「日立は武士、東芝は公家」といったように、よそでもいわれている表現を転用しただけのものです。

どちらかといえば、電通よりも博報堂のほうが好意的に表現されることが多いようです。ですが、これもナンバー2であるために、矢面に立つことが少ないことが影響している可能性があります。

あまり真に受けないほうがいいでしょう。同じ業種であるからにはそう大きな違いはないと考えたほうがいいです。

忙しさ

「仕事が激務」「コネ入社も比較的多い」といった点でも電通と同様に考えたほうがいいようです。

書籍

また、博報堂について書かれた本も電通のようには多くありません。

もし、おすすめするとしたら、電通に関してもご紹介した……

・『大手広告代理店のすごい舞台裏 電通と博報堂が圧倒的に強い理由』本間龍（アスペクト・2012/6）

あるいは……

・『博報堂スタイル』高橋宣行（PHP研究所・2008/3）

……あたりです。

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