訪問看護師の仕事内容は?実態はどう?キツイの?

介護イメージ

訪問看護師は、病院勤務に比べて労働条件が厳しくないことから、看護師の転職先として人気があります。

ですが、いいことやメリットばかりではありません。また、性格の面からも向き不向きがあります。

こういったことをしっかりとチェックしておかないと、せっかく入職できても長続きしないことになります。

 

1.患者さんとの接し方

患者さんとの接し方は、病院勤務の時と大きく異なります。

訪問看護師は通常1人で患者さんの元を訪れます。お医者さんもいません。1回あたりの訪問での時間は決まっています。60分ということが一般的です。

自分は「もっとしっかりとケアしてあげたい。あれもしたい、これもしたい」と思っても、ケアの内容も使う時間も限られています。

患者さんの側でも、「もうしばらくいてほしい」とハッキリと言われることもあります。特に患者さんが一人暮らしの場合、話し相手も欲しいでしょう。ですが、次の訪問先の予定があれば、そうもしておれません。

また、病気にかかっていますし、高齢のせいで、身の回りのことも十分にできないことがよくあります。

部屋が散らかっていたり、ゴミだらけだったり、台所に洗い物が残っていたり・・・なんてこともあります。看護や医療に関係のある部分までは手を出せても、それ以上は見て見ぬふりをすることになります。

2.看取りという大きな役割

「看取り」の問題も訪問看護師にはつきものです。

病院勤務でも患者さんが亡くなることはあるでしょう。ですが訪問看護の場合は、それ以上に死に近い職場と言えます。

「病院にいても、もうできることはほとんどない」「最後は家で死にたい」という余命のほとんどない患者さんがたくさんいます。

回復の望みがないわけですから、最後は必ず死で終わります。

その日になるまで、自分の患者さんとして面倒を見るわけです。病院のように組織の一員として何人もでケアするのと受け止め方の大きさが変わってきます。

訪問看護師は、こういった心理面での負担も乗り越えていかなければなりません。

3.複雑な人間関係はない?

一般的には「病院勤務に比べて、仕事上の人間関係はむずかしくない」とされます。

病院勤務の場合は、上司・同僚もほとんどが女性です。そのせいだけではないでしょうが、人間関係に悩んで退職する人もたくさんいます。「結婚や・出産を口実にしていても、実は人間関係が退職の原因」ということもよくあるといいます。

訪問看護師の場合、こういった「女の園」での問題はあまりありません。代わりに訪問看護ステーションの所長や経営者との人間関係で衝突、トラブルになることがあります。

最悪、これらの人たちの経営方針と合わないために退職するような場合もあるのです。

ですから、求人広告に書かれていることばかりでなく、「患者さんに対してどのようなサービスを提供しているか」「利益ばかり追い求めているところではないか」といったことまでチェックする必要があります。

4.勤務形態

手を取り合い微笑む高齢者と介護士

訪問看護師の勤務で、多くみられる一般的なパターンをいうと

①ほぼ日勤のみ
②土日は休み
③訪問は1日あたり、4、5軒(件)のことが多い
④1件あたりのケアは60分が基本

の4つです。

このように、体に負担の大きい夜勤はありません。また、急な呼び出しや残業もほとんどないでしょう。

ただし、例外もあります。24時間体制をとっていたり、月に数日の「自宅待機」にして、急な呼び出しに備えるとしているところもあります。

これは事前にわかることですから、応募の際にしっかりとチェックしましょう。

5.仕事内容

5-1ケア

ケアの内容は、病院での勤務に比べると、広い範囲をカバーすることになります。ひょっとしたら、これに戸惑うような人もいるかも知れませんね。

血圧・体温・脈拍といったバイタルチェックはつきものです。ですが、病院ですでに経験済みでしょうから、これは問題はないでしょう。

医療機器も自分で操作することになります。人工呼吸器、持続点滴、膀胱カテーテルなどが考えられます。

褥瘡管理も重要です。つまり「床ずれを防ぐ」ということです。何しろ、相手は寝たきりの人もたくさんいます。

5-2.リハビリ

これら以外に、訪問看護であるために比重が高くなるのものには、在宅でのリハビリがあります。各種の機能の回復の訓練です。

認知症のケアも多くなるでしょう。自宅の様子を見て、事故を防ぐような指導も必要になってきます。

5-3.介助

また、食事、入浴などの介助といったお世話もあります。余命がいくらもない終末期の患者さんのケア(ターミナルケア)もあります。

病院と違って、患者さんが日常生活を送っているところに、こちらから出かけるわけです。日ごろの生活にまで踏み込んでかかわります。ですから、食事内容や日々の運動の種類と量も、目配り・気配りが必要です。

本人や家族からも、アドバイスを求められるでしょう。このときに、しっかりと話し合うことが必要です。

5-4.コミュニケーション

病院であれば、どういった治療をするかは、お医者さんの判断によるものがほとんどでしょう。

訪問看護の場合は、その患者さんや家族自身の考えがより尊重されます。「どんな種類のケアをするかは、患者さん側が決めることも多い」ということです。

こういったところから、病院での勤務に比べ、より高いコミュニケーション能力も必要になります。

ケアについての説明を十分にし、患者さんにしっかりと情報を提供しなければなりません。また、患者さんや家族側の希望も間違いのないように聞き出し、理解する必要があるからです。

6.やりがい

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訪問看護師のやりがいは、いくつかあります。よく挙げられるものの一つは、自分一人に任される仕事が大きく、患者さんとの密な関係が築ける、という点です。

これは病院勤務との比較の上で話になるしょう。

病院ならば、同僚もたくさんいます。勤務もシフトが組まれていて、患者さんから見ると、何人もの看護師さんが立ち代わり入れ替わりすることになります。

また、特に夜勤の時など、看護師は常にナースコールに追われて、向こうから迫ってくる仕事を何とかこなしているような状態でしょう。

「作業に追われるばかりで、患者さん自身を見ていない」なんてことになりがちです。

6-1.患者さんとの関係が密

これが訪問看護師になると、訪問の時は自分一人です。「私の患者さん」といった思いが強くなるのは当然です。

また、逆に患者さんの方でも、「私の看護師さん」として見てくれています。中には、「週に一度来てくれるのを楽しみにしている。また、早く顔を見たい」といった思いの患者さんも少なくありません。これは特に、寝たきりなど、外出することができない患者さんの場合にいえることです。

6-2.カバーする病気の範囲が広い

訪問看護ステーションにもよりますが、特に内科とか外科とか決めていないのが普通です。それに加えて、リハビリの知識も必要になってきます。

患者と看護師のほとんどマンツーマンの関係ですから、「だんだん良くなってきた」「病状が軽くなった」「少し前までできなかったことができるようになった」というのを見守っていくことになります。その分だけ、患者さんの喜びを自分の喜びとして感じることができます。

6-3.自分で決められることが多い

病院勤務に比べて、「裁量権」が大きいです。つまり、「どういったような看護・治療をするか」をだれかに指示されるのではなく看護師の判断で決められる範囲が大きいのです。

病院勤務だと、お医者さんやほかの看護師と相談したり、指示されたりといったことが常にあるでしょう。

もちろん、訪問看護の場合も、主治医・担当医はいます。ですが、一緒に行動しているわけではないのです。

「自分の判断でできる」というのは、難しい面や責任の重さもあります。ほとんどの訪問看護師はそれを高いモチベーションとし、やりがいに感じています。

逆に辛いこととしては、「患者さんを看取ることが多い」というのを挙げる人もいます。「人生の最後は病院ではなく、自宅で過ごしたい。自宅で死にたい」という人も受け持つことになるのです。

ですが、これも「患者さんが穏やかな死を迎えるために、自分が役に立っている」と仕事の充実感・やりがいとしてとらえている人も少なくありません。

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