病院小児科と保育園の看護師の仕事内容の違いは?

折り鶴を手に持つ女の子

「子どもが好きだから」という理由で看護師さんになった人って、けっこう多いですよね。小さい子どもって、見ているだけで癒されますから。

中には進学先を決めるときに、「保母さんになるか、看護師さんになるか、最後の最後まで迷った」という人もいます。

こうした人たちが気になるのが、「保育園看護師」でしょう。つまり、「看護師として保育園に勤める」ということです。

1.保育園看護師はまだ新しい

この制度は2007年に始まりました。あまり歴史がありません。若い看護師であっても、「自分が保育園児の時にはそんな人はいなかった」ということになります。

また、いっぺんに広がったわけでもなく、募集は少ない上に、あまり表に出てきません。転職サポートサービスが非公開求人にして扱っていることがほとんどです。

ですから、情報も少ないです。「どんなことをするの?」というのもイメージがわきにくいです。

2.保育園看護師の業務内容

主に次のような内容です。

①園児たちの健康管理

②ケガ・急病の時の応急措置

③健康診断の準備や立ち会い

④職員らへの健康指導に関するアドバイス

⑤保護者ら向けの「保健だより」の作成や、保護者からの健康相談への対応

こうしてみると、病院の小児科やほかの診療科に比べて、事務仕事が多いのが分かります。

看護師らしい仕事は、①~③ですね。

3.小児科との違い

さらにその上で小児科との違いを挙げると

小児科の場合

実際に体調が悪くなってから来る。看護師はその病気の子どもの診察の補助や看護をする。

保育園看護師

予防の方に重点が置かれている。保健師の仕事の範囲までカバーする必要もある。

といったことでしょう。

たとえば、②の「ケガ・急病……」にしても、本当に悪ければ、そのまま病院に送ります。保育園看護師はその後の治療にかかわることはありません。

また、日ごろの子どもたちへの観察も重要な仕事になります。遊んでいるときや食事をしているときの様子を見て、「元気がない」「体調が悪いらしい」「熱っぽいのかも」といったことをいち早く見つけてあげなければなりません。

中にはアレルギーや慢性疾患を持っている子どももいます。こういった子どもたちは特に注意が必要です。

4.経験者向き

このようにカバーする仕事の範囲は広いです。実際に保育園看護師になるのは、小児科などで3~5年の経験を積んでからのほうがいいでしょう。

というのは、ほとんどの保育園で看護師は1人しかいません。半人前の看護師を指導する人がいないのです。

たまに「新卒可」となっているところは、保育園の規模も大きく、複数の看護師がいるところです。

5.残業や夜勤がほとんどない

それと、仕事内容の大きな違いとしては、「(夜間保育をやっている特殊なところを除いて)保育園ならば、夜勤はなく、残業もほとんどない」ということがあります。

小児科で入院設備があるところは、当然、夜勤・残業はあります。しかもPICU(小児集中治療室)などの担当になると、「72時間ルール」が適用されません。「月あたりの夜勤の回数制限もない」ということです。

基本給に大きな違いがなくても、夜勤手当、残業代がない分、月給に差が出るのは承知しておきましょう。

参考
→保育園の看護師の転職!離職率はどれくらい?求人探し前の確認ポイント

小児科の看護師の求人探し!中途採用ってどう?募集はあるの?転職成功のポイント

看護士
なんといっても子どもたちは可愛いですものね。また、子どもを相手にしている看護師さんも、いかにも「優しい看護師さん」といったように見えます。

今は内科や外科で大人の患者を相手に働いている。でも、ちょっと隣の小児科をのぞいてみると、つい「あっちは楽しそうだな」なんて思ってしまう、なんて人も多いのではないでしょうか。

それで、「小児科に移りたい」という人もいるでしょう。そのためにクリアしなければいけないことをピックアップしておきましょう。

 

1.異動する

まず、同じ病院内に小児科がある場合です。

病院内で診療科を異動できるかどうかは、その病院の方針次第です。実際に上司などに聞いてみるのが手っ取り早いです。

次に「異動できない」とか、「今の病院に小児科はない」場合です。これはよその病院を当たるしかありません。あるいは「ブランク後の復職」という場合です。

2.中途採用

気になるのが、小児科の中途採用の募集は多いのか?という点です。

結論をいうと、小児科の募集は多めです。

ただし、途中採用の募集のある・なしは、地域による偏りが大きいのも小児科の特徴です。当然、お年寄りしかいないような土地には、小児科自体が多くありません。また、近年は少子化のせいで、小児科を置く病院も減っています。

「自分が勤めようと思っている地域には、小児科は多いかどうか」はしっかりチェックする必要はあります。

3.小児科は離職率が高いの?

求人数が多いのは、小児科の看護師は離職率が高めなためです。

一方で人気もそこそこありますから、「新しい人が来ては、辞めて……また、新しい人が来て」なんて、困った病院もあるようです。

応募する前に、「なぜ、離職率が高いのか」の理由はしっかりと頭に入れておきましょう。そうしないと、今度は自分も同じ立場になりかねません。

この理由としては

・診なければいけない疾病の範囲が広い

・新生児や乳児は急変が多いので、勤務している時の緊張感が高い

・患者本人だけではなく、親までちゃんと対応しないといけない

・仕事が大変なのに、お給料はほかの診療科と変わらない

・小児科の中でも配属される部署はいくつかあり、それによっては、看護師としてのスキルがつかない

といったことが挙げられます。

4.サポートがしっかりした病院を

「これらは気にならない」「乗り越えるだけの覚悟はある」という人に限って、実際に転職へと動き出すようにしましょう。

また、ほかの診療科への転職も同じことですが、小さい病院ほど、即戦力として扱われます。逆に大きい病院だと、ちゃんと教育のためのプログラムなどが用意されていて、仕事を覚えるのにも時間的な余裕をくれます。

特にこれまでに小児科での勤務の経験がなく、あまり自信が持てない人は、このプログラムが用意されているようなところを選んだほうがいいでしょう。

繰り返しになりますが、小児科の看護師をイメージだけであこがれると、失敗のもとになります。

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