コムレケアの評判は？副作用に注意の漢方錠剤

もし、こむら返りやほかの部位の局所性痙攣が癖になっているようならば、小林製薬の「コムレケア」を手元に用意しておくようにしましょう。

1.コムレケアの特徴

1-1.こむら返りの市販薬は漢方が一般的

こむら返り（局所性痙攣）で病院で診てもらう時、処方される薬は、この湿布薬か、そうでなければ内服薬の筋弛緩剤です。

また、てんかんの治療薬が使われることもあります。発作による痙攣を治す作用が、筋肉の収縮しすぎにも効くのです。

市販薬ならば、

ツムラ漢方 芍薬甘草湯（ツムラ）、

芍薬甘草湯エキス細粒（クラシエ）、

コムロン（小太郎漢方製薬）、

コムレケア（小林製薬）などがあります。

いずれも芍薬甘草湯（しゃくやくかんぞうとう）を中心にした漢方薬です。

ツムラとクラシエのものは商品名にあるように顆粒（細粒）です。コムロンはカプセルです。コムレケアのみが錠剤です。

いずれも予防効果はありません。症状が出た時に使います。ですから、「どんなタイミングでも、さっと飲める」ということが大事です。「昼間は外に出ていることが多い」「用心のために持ち歩きたい」という人であれば、やはり錠剤のコムレケアがおすすめです。

24錠入りと、48錠入りがあって、定価（希望小売価格）はそれぞれ税込みで1,080円と1,944円です。

アマゾン、楽天、マツモトキヨシ（マツキヨ）、ケンコーコムなどの通販でも取り扱いがあ利、実際の値段はもう少し安いです。もちろん、ドラッグストアや薬局でも定番の商品です。

1-2.芍薬甘草湯とは

その名前の通り、芍薬（しゃくやく）と甘草（かんぞう）のふたつの生薬でできています。両方ともが筋肉の緊張を和らげる効果があります。

また、ひとつずつでは痛みを弱める効果は少なめですが、ふたつあわせると相乗効果を発揮して、強力になります。

古くから痛み止めに使われてきました。手足の筋肉の痛みだけではなく、腰痛、胃痛、月経痛、胆石や尿路結石の痛みの治療薬としても、評価・評判が高いです。

筋肉の緊張を和らげ、痛みをおさえ、さらには即効性まであるので、こむら返りにも最適な薬です。

1-3.コムレケアの副作用に注意

ただし、コムレケアもほかの芍薬甘草湯にも、注意が必要です。

漢方薬といえば、副作用がないというイメージがあるかもしれません。これはウソです。漢方薬にもやはり副作用はあります。

この芍薬甘草湯の場合、ふたつの生薬のうち、特に甘草が問題になります。大量に飲んだり、長く続けると、むくみや血圧上昇がみられます。ですから、心臓病や高血圧など循環器系の持病がある人は先に医師に相談しておいたほうがいいでしょう。

また、飲み合わせの問題もあります。

ループ系・チアジド系の利尿剤、グリチルリチン酸やその塩類を主成分とするものは要注意です。また、甘草が含まれたものは、芍薬甘草湯に使われている分と合わさって、量がオーバーしてしまいます。

飲み方や分量など用法をしっかり守って使い、もし、７、８回服用しても効き目がないようならば、芍薬甘草湯での回復はあきらめ、医師と相談の上、ほかの方法を検討する必要があります。

2.こむら返りとは

2-1.ふくらはぎ

スポーツをやっている最中、あるいはその直後の休憩中、さらには睡眠中に、筋肉が引きつり、強烈な痛みが襲う……全く健康な人でも、ときどきはなるのがこむら返りです。

この「こむら返り」は漢字で書くと、「腓返り」です。

「腓（こむら）」とは、ふくらはぎのことです。たしかにこのトラブルがよく起きるのは、ふくらはぎの筋肉（腓腹筋、ひふくきん）です。「足がつった」という言い方もします。

2-2.他の部位でも

ですが、同じようなトラブルは体のあちこちで起こります。土踏まず、肩、首、指などが比較的多いです。

こむら（ふくらはぎ）ではない部位まで、「こむら返り」と呼んでしまうことも多いですが、ちょっと変ですね。医学的にいうならば、ふくらはぎもほかの部位も含めて、「筋肉の局所性痙攣」です。

その部分の自由がきかないだけではなく、強烈な痛みも襲います。

また、繰り返し起こるようならば、深刻な病気が隠れている場合もありますので、決して軽く見てはいけません。

3.筋肉の局所性痙攣とは

3-1.局所性痙攣がよく起きる部位と場面

筋肉の局所性痙攣が最もよく起きるのは、何といっても水泳中のふくらはぎです。その痛みに気が取られたり、手足が動かなくなって、おぼれ死ぬことまであります。

マラソン、ゴルフ、テニス、サッカー、登山といったスポーツ中に経験したことがある人も多いのではないでしょうか。

ただ、激しく体を動かしている時だけとは限りません。単に駅の階段を上り降りしているだけでなる場合もあれば、「運転中にアクセルを踏む足がつった」といった人までいます。

寝ている最中も多いです。「夜中に嫌な夢を見ている時に、急に痛みが襲ってきて目が覚める」といった場合もあれば、昼間にウトウトしている時にもしばしば起こります。

「どうなれば、痙攣が来る」というは、はっきりとは決まっていません。それでも比較的多いのは、疲れている時、激しい運動をしている最中やその直後などです。ランニングしている方向を急に変えたり、体をひねるなどして、使う筋肉が急に変わったのがきっかけになる場合もあります。

登山の場合でいえば、こういった条件がそろいやすいせいか、行きの登りよりも、帰りの下りの方によく起こります。

それらだけではなく、心臓の筋肉も局所性痙攣を起こすことがあります。これを心室細動といいます。

心臓の筋肉が収縮してしまい、鼓動のリズムを失います。もちろん、血液もうまく送れません。不整脈だけで済めばいいほうで、ヘタをすればショック死です。

3-2.局所性痙攣の原因

実はこむら返りやほかの局所性痙攣が起きるメカニズムはよくわかっていません。

ただ、「こういう状況では起きやすい」というのはあります。

・過呼吸のせいかも

「過呼吸症候群（過喚起症候群）が引き金のひとつになる」と考えている専門家もいます。

この場合は次のような説明がされています。

（１）水泳中・怖い夢を見ている時・疲れ果てて眠り込んでいる時などは、過呼吸が起きやすい
（２）血液中には酸素が必要なのは間違いないけども、とり過ぎると、炭酸ガス（二酸化炭素）が減る
（３）炭酸ガスが減ったせいで、血液は強いアルカリ性に傾き、そのせいでカリウムが減る
（４）カリウムが減ったことで、筋肉が興奮する。その興奮し過ぎの状態が痙攣となる

「特に水泳中や明け方に多いのは、冷たい水や、気温の低下のせいで、筋肉の中の血液循環が悪くなるため」ともいいます。

・病気でも起きやすくなる

こむら返り（局所性痙攣）は特別に体のトラブルがない人にも起きます。ですが、繰り返されるようならば、病気を疑ってみる必要もあります。

関連していることが多いのは次のような病気や症状です。

a.骨盤内腫瘍、静脈血栓、静脈瘤などで、下腿（ひざから足首の部分）の静脈がうっ血している
b.コレラ、下痢、糖尿病などで、血液中の水分が少なくなっている
c.アルコール中毒、脚気、坐骨神経症など

また、病気ではありませんが、妊娠中にもこむら返り（局所性痙攣）は起こりやすくなります。

4.局所性痙攣の予防と対策

4-1.予防方法

予防方法は、引き金となるようなものを避けることです。

a.運動前にはストレッチなど十分な準備をし、筋肉を温めておく
b.気温の低い場所でのスポーツは避ける、あるいは防寒をしっかりする。低い水温のところでは泳がない。
c.疲労した筋肉はしっかりと回復させておく
d.日ごろからエクササイズなどを欠かさないようにし、適度な量の筋肉を維持する
e.食事内容、衣服など体を冷やさない工夫をする
f.運動中やその直後、暑い季節にはしっかりと水分補給をする

食事内容でいえば、果物や生野菜など、カリウムの多いものを意識してとるようにしたほうがいいです。

4-2.起きてしまったら

最もこむら返り（局所性痙攣）が起きやすく、命を落とす可能性まであるのが、水泳中です。

この場合は、体の自由がきかないからといって、あわてて呼吸を確保しようとすると、逆効果になります。

呼吸は止めて、顔を水の中に入れ、背中は浮かすようにします。

この状態で、つっている足は伸ばし、その親指をつかみます。その状態で何回も手前に引っ張ります。そうやって、筋肉の緊張状態をほぐします。

また、普段の生活の中で起きた時には、紙袋かそれに代わるようなものをみつけ、口と鼻を覆います。

自分の吐いた息をもう一度吸うのです。そうすることで、血液中の炭酸ガスの濃度が高くなり、過呼吸症候群からくる筋肉の緊張がほぐれます。

また、マッサージや湿布薬も有効です。この場合の湿布薬は温感タイプにしましょう。