デンソーの年収はどれくらい？トヨタ自動車とどっちが高収入？

2016/08/18 2017/01/24

デンソーといえば、「トヨタ自動車の子会社で、トヨタ自動車向けの部品を作っている会社」とのイメージがあるかもしれません。

ですが、資本の面からも一般的に思われているほどトヨタ自動車とのつながりは強くありません。

また、自動車部品はトヨタ自動車に限らず、世界中の自動車メーカーに供給しています。

おそらくは、あなたが思っているよりも大きな会社で、優良メーカーです。

デンソーの平均年収ってどのくらいなのか知っておこう

初任給はデンソーが発表しているものです。

また、30歳推定年収、40歳推定年収、平均年収は東洋経済新報社がそれぞれ計算した最新のものです。順位は3千数百社ある全上場企業の中でのものです。

デンソーの本社の社員

初任給（月額、2015年4月実績）

総合職
・博士修了=26万0,000円
・修士修了=22万6,000円
・大卒、高専卒（専攻科）=20万4,000円

実務職
・四大卒=18万6,000円
・短大卒=16万6,000円

年齢別
30歳推定年収＝627万円、213位
40歳推定年収＝789万円、214位

平均年収＝846万円（平均42.7歳）、146位

3000社以上の中で146位ですから、デンソーの年収は高いといえるでしょう。初年度から他社に平べても高い年収といえるともいます。

大学院卒は高収入なの？

博士修了の初任給が公表されているのは、さすがに技術開発に力を入れている企業ならではです。40代の年収としては悪くありません。

デンソーには限りませんが、研究職などは最低でも修士修了が条件になっています。院卒の人だけが目指せる世界なのです。

他の会社と比較

比較の対象となるのはまずは、アイシン精機でしょう。同じくトヨタ系の部品メーカーです。また、トヨタ自動車の給料も気になるところです。

ちなみにトヨタグループの中で、最大の売り上げがトヨタ自動車、その次がデンソー、さらにアイシン精機と続きます。

アイシン精機

初任給（月額、2015年4月実績）
・修士修了=22万6000円
・大学卒=20万4000円
・高専卒（専攻科）=20万4000円
・高専卒（本科）=17万8000円

30歳推定年収＝590万円、341位
40歳推定年収＝742万円、363位
平均年収＝707万円（平均38.3歳）、500位以下

トヨタ自動車

初任給（月額、2015年4月実績）
事務系・技術系
・学部卒業=20万5000円
・修士修了=22万7000円
・博士修了=26万1000円

業務職
・大学卒業=18万6500円
・短期大学・専門学校（2年制卒業）=16万6500円
30歳推定年収＝683万円、114位
40歳推定年収＝859万円、121位
平均年収＝838万円（平均39.1歳）、160位

平均年収で、デンソーのほうがトヨタ自動車よりも8万円高くなっています。ただし、平均年齢も3.6歳デンソーのほうが高いです。この分まで考えると、実際にはトヨタ自動車のほうが高いでしょう。

アイシン精機との比較であれば、いずれもデンソーのほうが上です。

もし、給料だけで選ぶのならば、①トヨタ自動車、②デンソー、③アイシン精機になります。

50代は？

また、東京経済新報社では50歳での推定年収のランキングは出していません。もし、出していたとしても、この3社ともあまり参考にはならないでしょう。

役職についてるかどうか

というのは、50代ともなると、課長クラス、部長クラスの役職に就く人とそうでない人が出ます。「出世に差が付く」ということですね。

その出世次第で、給料には大きな差が付きます。

出向・転籍

もうひとつ、見落としてはいけないのが、出向・転籍です。年代が高くなるほど、この可能性が高まります。

デンソーも多くの子会社を持っている分、出向先・転籍先もたくさんあるのです。

行った先の業績や自分に用意されたポストによっても、給料は大きく変わります。

自動車業界に関する基本的な知識

2015年1～12月の世界の自動車販売台数は、トヨタ自動車グループが
1,015万台、フォルクスワーゲングループ（ドイツ）が993万台、ゼネラル・モーターズ（アメリカ）が984万台でした。

つまり、トヨタ自動車グループが世界最大の自動車メーカーです。

ちなみにホンダは471万台で7位、スズキが288万台で10位でした。

また、日産は今やルノーの配下にあり、もはや外資系企業です。それでも参考に挙げておくと、ルノー・日産アライアンスとして853万台で4位でした。

また、トヨタ自動車の売上高は、単独で11兆2,094億円（2015年3月期）、連結で27兆2,345億円でした。単体では日本で最大の企業です。

また、自動車を1台作るには、多くの産業がかかわっています。

機械・組み立て関連はもちろんのこと、鉄鋼・金属、軽金属・ガラス・ゴムなどの素材、計器・装置に使う電子部品、また車載電子機器をコントロールするためのコンピューターソフトなど、挙げていけば切りがないぐらいです。

このため自動車産業は多くの国で基幹産業になっています。自動車メーカーが好調かどうかは、その国の景気を大きく左右するのです。日本も例外ではありません。

デンソーについて

昭和24（1949）年にトヨタ自動車の電装部が独立して、デンソーができます。当初の社名は日本電装でした。

電装（電装部品）とは、自動車関連の場合、元はエンジンに使われるスパープラグなどの電気系統の部品のことをいいました。今では、エアコン、カーナビ、カーオーディオまで含みます。

今でもトヨタ自動車とのつながりは強いものの、けっしてトヨタ自動車の下だけで事業を展開しているわけではありません。

資本関係を見ても、デンソーの全株式の中でトヨタ自動車が持っているのは4分の1程度でしかありません。

また、親会社の支配が強い場合、社長や重役の多くも、親会社から送られてきます。ところが、デンソーの場合、歴代の社長は、社内で新人社員・平社員、部長などの管理職、重役と順番にポストを上がってきた生え抜きです。

従業員は連結子会社を含めると世界の38か国に14万7千人います。これは期間工などは含まない数字です。売上高は4兆3,098億円（2015年3月期、連結）です。

取引相手は、トヨタ自動車・ダイハツなどのトヨタ自動車グループはもちろんのこと、ホンダ、マツダ、三菱自動車、さらにはゼネラル・モーターズ、フォード、クライスラー（以上、アメリカ）、メルセデス・ベンツ、BMW（以上、ドイツ）、プジョー（フランス）、フィアット（イタリア）、現代自動車（韓国）などなど、世界中のほとんどの主要な自動車メーカーです。

さらには、自動車業界以外の、コマツ、クボタ、小松、日立建機、三菱重工などにも部品を納めています。「自動車ではなくても、乗り物でさえあれば、デンソーの部品を必要としている」といったところです。