臨死体験者による死後の世界とは、思い込みと幻覚である。
臨死体験とは死の直前の思考なのか、死後の世界なのか?
臨死とは完全な脳死が一時的にあり、肉体と精神の完全な代謝停止であるべきですが、臨死は近似死体験または臨死体験と呼ばれています。
一時的な心停止からの復帰や一時的な呼吸停止はどちらも死とは無関係の出来事であって、心臓が動き始めたとか自発呼吸が始まって意識が回復したというのは、おそらく死とは無関係のように思えます。
臨死体験は英語ではNear Death Experienceであり、「死の直前の状態を体験」という意味で捉えている医師が多いようです。心停止後に蘇生したケースはAEDを使って助かった者全てということになります。
ともかく、心肺停止に陥って脳死には至っていない患者が蘇生したことで、死の瞬間に起きたことを話しています。
臨死体験者に共通した感覚や出来事など
不思議なことに、臨死体験者が話すことにいくつかの共通点が見られます。
1、医師による死の宣告の声が聞こえる。
2.穏やかで安らぎを感じる
3.不快な音や声が聞こえる
4.暗いトンネルに入っていく。その出口には光のシャワーのようなものがある
5.自分の肉体から離れていく。自分を客観的に見る。体外離脱
6.死んだ親族や他の人物に出会う
7.光に包まれて漠然とした他の生命に出会う。
8.視覚や聴覚が敏感になる。人生を回顧する。
9.孤独感に襲われる。死後の世界に進むことを遮られる
10.蘇生する
死の直前まで聴覚と嗅覚は残るといわれているので、周りの話声は聞こえるのは当然です。医師が死の宣告をされる事も聞こえてくるはずです。
しかし、自分の肉体を傍観しながらその会話を聞いているという体験を話す人も多くいます。離人症でも自分の肉体を客観的に見る事があるので、死と関係あるかどうか不明です。
脳の血流が止まっても30秒間思考している
臨死体験では、超常現象に近いようなことが起きているようにも感じますが、実は脳の血流が止まった後でも30秒間は脳の活動が停止することはなく、思考を行う事が可能というのがミシガン大の研究チームによって明らかになったため、心停止後30秒以上は視覚、聴覚、嗅覚や感情があっても不思議な事ではありません。
臨死体験とは心停止後の心理状態を、死後の体験談と勘違いして話しているに過ぎないかもしれません。心臓にATP(筋肉や細胞のエネルギーの元)が残っている限り心臓単体で動き続けるのと同じように、脳の血流が止まってもブドウ糖やATPが残っている限り、完全に機能を失うとは限りません。
蘇生した時に体験談を話すというのは、この時の思考であって、ほとんどの体験が希望を含んだようなこと、または生前に想像していたような出来事に過ぎません。似たような体験が多いとしてもある程度の個人差があることから、個人の死後の価値観に関係しているように思えます。
または、他の臨死体験者の話を聞いた時の記憶も混じり、それを思い出した結果、共通した体験をしたように感じるだけかもしれず、ヒトに共通した考えとして本能的な一面が関係している可能性もあります。
いずれにしても、全ての臨死経験者に共通している新しい体験がないので、それが信用できない理由として最も大きなものです。
ヒトの完全な死とは何でしょう?
脳の代謝が行われなくなった時が人間の死と定義すべきでしょう。意識がある者でも植物人間扱いされるケースは多かったものですが、最近になって患者の脳代謝を検査することによって、思考している事が明らかになる時代になったところです。
fMRIやPETで反応の有無を確認するのが確実な人間の死であって、心臓が1分間止まったからといっていちいち死亡宣告していれば不整脈の患者は何度も臨死体験していることになります。
そもそも死後の世界があるのか、魂があるのか、生まれ変わりがあるのかということさえ証明されていません。脳死の瞬間に体重が30グラム減るのはなぜなのか?という疑問も残されたままです。その不確実なことを放っておきながら、「死後の世界はこんな感じだった」と話すのは間違っているような印象を受けます。
誰かの生まれ変わりである新生児が、過去の出来事を正確に話す事ができれば、生まれ変わりはあるのかもしれません。
関連記事
-
-
うんち移植が今、有名大学で行われている?!難病に効くうんこの力~なんと1700年前からあった、抗生物質いらずの神治療法だった!!
腸内フローラ(腸内細菌叢)をそのまま移植! 全国に腸内フローラを有名にしたNHK …
-
-
既視感(デジャヴ)とは一時的な記憶障害なのか、過去に見た経験があるのか?という謎
既視感(デジャヴ)とは一時的な記憶障害なのか、過去に見た経験があるのか?という謎 …
-
-
高気圧酸素療治療で病気が治る!?と思えば、検査技師や家族を巻き込んで全員が即死。中国で圧倒的に多い医療事故。
酸素欠乏症を劇的に改善させる、高気圧酸素療法 高気圧酸素療法とは、酸素を取り込む …
-
-
まだ生きているよ!なのに死亡宣告されてしまう怖い閉じ込め症候群。最大の誤診をさけるにはどうすればいい?
「助けてくれ~おれは、まだ生きているぞ~」 いくら叫んでも叫んでも、自分の声が届 …
-
-
尿検査でわかること。蛋白、潜血、白血球、ph、糖をチェックすればなんでもわかる!薬物検査も逃げられない?!
conobie.jp 尿検査は、学校や会社の定期健康診断でもおなじみです。 注射 …
-
-
コムレケアの評判は?副作用に注意の漢方錠剤
もし、こむら返りやほかの部位の局所性痙攣が癖になっているようならば、小林製薬の「 …
-
-
夜納豆の正しい知識。朝ではなく夜食べるべき!納豆の力がスゴイ。
「夜納豆」とは新しい納豆の種類ではなく、納豆の食べ方です。夕食のメニューとして納 …
-
-
クラッシュ症候群(挫滅症候群)の正しい処置とダイレクト・リプログラミング
大災害でがれきの山と化した時。 そのがれきの下に埋もれてしまった人には、助けたく …
-
-
孤独なマラソンランナーとランナーズハイの危険
長距離ランナーはなぜ孤独? アラン・シリトー作「長距離走者の孤独」が英国で「長距 …
-
-
乳酸菌のとりすぎって体に悪い?正しく健康になるために知っておきたい乳酸菌の力
乳酸菌は、「美容や健康にプラスになる」としてすっかりおなじみですよね。「腸内の善 …