川島なお美を激やせさせた「肝内胆管がん」とは? 肝臓の腹腔鏡下手術の難しさと予後について
2016/07/31
川島なお美(54)体重30キロ前半、激やせの原因とは!?
胆管がんに罹った時点で発熱、倦怠感、食欲不振、体重減少は起きて当然で、手術前からすでに痩せていたと想像できます。
しかし、2015年1月28日の手術から8か月近く経過しているにも関わらず、未だに体重が増えないというのは闘病生活を送っているのかもしれません。
「寛解ということはない」という本人の言葉から、重量子腺か何らかの治療のスケジュールが残っているのかもしれません。化学療法や放射線療法は体力が持続するとは思えないので、当分の間は経過観察の可能性もあります。
手術で肝臓をどの程度切除したのかわかりませんが、3分の1程度残っていると仮定すると肝機能低下に伴って中性脂肪が肝臓で作られない状態になります。
血液中の中性脂肪値が低いだけでなく、胆汁の減少によって腸内で中性脂肪の吸収が行われなくなるので、皮膚や内臓に付いていた脂肪が分解されてエネルギーとして消費されると限りなく痩せていきます。
HDLコレステロールは限りなく少なくなり、LDLコレステロール値も低下していきます。LDL低下によってさらに脂質吸収不良が起こり、脂溶性ビタミンA・E・Dの吸収障害も起こります。コレステロールから女性ホルモンが作られなくなり、更に弊害が増えてきます。
脂溶性ビタミンと脂肪酸、コレステロールの補充が必要ですが、肝臓で中性脂肪を産生する負担を減らすために、中性脂肪をダイレクトに腸に入れるということが行われているのかもしれません。
腹腔鏡下手術の難しさと、保険適応外の肝臓区画切除術
川島なお美さんの「肝内胆管がん」とは肝臓内にできるタイプの悪性腫瘍で、肝臓の部分切除は免れません。というより、腹腔鏡下手術によって部分切除ができただけでもマシと言えます。
腹腔鏡下手術といえば、例の群馬大学病院や千葉県がんセンターなどの4病院で死亡事故が相次いでいますが、特に群馬大学病院の執刀医の場合は「100例以上の経験がある技術認定医」ではないにもかかわらず、高難度の肝臓部分切除を行っていたようです。
当然ですが、大腸がんの腹腔鏡下手術が100例であれば、肝臓の部分切除が出来るわけがありません。
今年1月の手術は肝臓の部分切除(区域切除)であり、悪性度の高い高度進行がんの腹腔鏡手術になります。そして、可能な限り正常な肝臓を残すという保険適応外の区域切除手術です。
当然ながら熟練した肝臓・胆嚢専門の腹腔鏡執刀医の腕次第で予後は変わってきます。
正常な肝細胞を3分の1以上残せた場合、半年程度で肝前駆細胞によって元の形に再生されます。
あとはどれだけ血管を残せたか?という点が問題になります。肝臓の中心部分に肝静脈が通っているので、静脈を残したまま肝臓を切除というのはかなり難しそうな印象があります。8か月経過してもなぜ痩せるのか?という疑問が残ります。
肝内胆管がんとは? あまり意味のない5年生存率
参考 胆道の疾患 胆嚢癌
この肝内胆管がんというものは初期症状がないので、気付いたら進行性の悪性腫瘍になっていたという事が少なくありません。
肝内胆管がんと聞くとどの部分か分かりにくいと思いますが、肝臓内に広がっている胆管が集まっている部分で、ちょうど肝臓の中央あたりにある器官です。もし再発を起こして、「肝外胆管がん」まで広がった場合は手術ができなくなる可能性は高くなります。
半年間手術を迷った挙句、手術前に遺言書を書いたようです。手術後に破り捨てたという本人の話なので、ある程度は大丈夫なのか、死を目前にして開き直ったのかその辺りの心理状態も不明です。
手術前の死亡率10%、手術後では平均的な5年生存率が40~50%という話ですが、もし再発した場合を考えれば、5年生存率は限りなく低くなりそうです。油断すると再発は避けられない病気だけに、アルコールを飲んで大丈夫なのか?と心配になります。
この5年生存率の意味ですが、「心臓移植の時に5年間拒否反応が出なかったら治癒ですよ。」という使い方で、5年目がボーダーラインでしたが、今では「5年後に生存している確率」と使い方が変わってきたようです。
症状から他人の手術まで想像してみると・・・
あの痩せ方を見ると胆管や胆嚢を切除しているのかもしれません。肝臓から胆管をバイパスでつないで直接十二指腸に流している可能性は高いですが、そうなると治癒する確率の方が高くなります。
しかし、「泣くと目がチクチク痛む」ということは、胆汁酸が皮膚と眼に与える刺激を言っているようにも思えるので、ある程度の胆汁は肝臓から逆流しているのかもしれず、想像の域を出ない部分は多く残っています。
手術に関しては全て内密にしてきたにもかかわらず、守秘義務を無視した医師によって広まってしまったという、今回の激やせ報道と、いたるところで「5年生存率予想」のような不謹慎なことが起きるという事態です。
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