過食症をひとまとめ。大食い芸人の異常なメカニズムが分かった!
2016/07/20
過食症や拒食症の摂食障害で自己嫌悪に陥っていませんか?実は、考え方次第で簡単に治ったり、発病を未然に防ぐことは可能です。考え方なんて簡単に変わらないと決めつけないで、悪化する前に対処しましょう。認知行動療法というシンプルな治療法が効果を示しています。
目次
摂食障害の原因と基礎疾患としてのうつ病
摂食障害の90%は女性であり、拒食症は10代の女性、過食症は20代の女性に多くみられる症状です。拒食症と過食症は摂食障害に分類されますが、基礎疾患としてうつ病があります。
うつ病で意欲が無い時は、食べる事自体が面倒になり拒食症になるのが一般的ですが、過食症になることもあり、身体的な反応のパターンには個人差が大きいのも摂食障害の特徴です。いきなり過食症になる場合は「非定型うつ病」の場合に多くなっています。
うつ病と関係のない場合では、行き過ぎたダイエットが原因で拒食症になることが多く、痩せすぎると女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減少して若年性更年期障害の原因にもなります。
摂食障害の原因と過食・拒食の代償行為
過食の場合はストレスを減らすために意識的に大食いをして過食の後に吐き出すということを行います。過食の後の罪悪感から罪を逃れようとする代償行為(下剤や嘔吐・絶食)が見られるのが摂食障害の特徴です。そして飲食物を排出した後に自己嫌悪に陥るのが一般的です。
食べ過ぎることでストレスを減らそうとする行為に対して、嫌悪感を抱いたり罪悪感を覚えたりするわけです。他にストレス解消の手段を考えようとしますが、過食の症状の根本にうつ病があるので、自室にこもったまま食欲との葛藤が続きますが、やはり食べることしかできません。
食料が豊富な生活、エンゲル係数100%!
食料の買い出しに行くと買い過ぎてしまい、一人暮らしの場合は借金をしてでも過食がやめられないというのは当たり前になってきます。過食のために食料を調達するまでは罪悪感も自己嫌悪もありませんが、自室で過食をしたあとに自己嫌悪に陥って嘔吐します。摂食障害という病気が治らない限り、このパターンはいつまでも続きます。
嘔吐くせがあると胃食道逆流症になったり、食道に胃酸が溜まって食道がんの原因にもなります。指を突っ込んで吐くようになると手に「吐きだこ」ができるようになり、胃酸による酸齲蝕(さんうしょく)が原因で歯が薄くなり、ボロボロに欠けたり折れたりすることも起こります。
過食症の場合、この一連の大食い、嘔吐、自己嫌悪などが特徴的で、嘔吐しやすいように最後はパンと牛乳を飲むという楽な方法をとる場合もありますが、その場合でもやはり自己嫌悪に陥るようです。代償行為を伴う場合は摂食障害として特定疾患に分類されて、公費負担で治療が行われます。
過食が拒食に、拒食が過食に変化することも。
過食による自己嫌悪から拒食が起きるのは、社会に適応できない性格が起こす心理的な影響が原因ですが、拒食もまた自己嫌悪の原因になり、過食と拒食を繰り返すこともあります。拒食と拒食の間に過食を行うこともあり、プラスマイナスゼロにしようとする代償行為(下剤や嘔吐)や自己嫌悪があると摂食障害とみなされます。
他の原因にダイエットに成功した時の達成感から、さらにダイエットを続けているうちに拒食症になってしまうことも多く、これが拒食症発症の原因の70%を占めています。慢性的な飢餓状態になると拒食のリバウンドとして過食を起こすようになります。
拒食の場合は肥満と違って判定基準があり、平均体重の80%以下になると拒食症の疑いあり、ということで治療の必要がでてきます。平均体重の60%を下回ると緊急入院ということもあり得ます。
ちなみに、フードファイターなどの単なる大食いは無意味に胃の柔軟性を増しているだけであり、食後の代償行為(食べ過ぎたものを嘔吐して結果的にカロリーオフを図る行為)がなければ摂食障害に該当しません。
一般的に、大食いが摂食障害に発展することもあり、摂食障害をテレビ局側が隠している可能性がないとは言えません。
拒食から始まる過食症のブログの多さ
ダイエットの拒食から始まって過食に落ち着いたという、女性のブログの多さには驚かされます。しかし、それほど深刻な内容ではなく、どちらかというと食べたものや過食嘔吐について、日課のようにブログに記録しているという人が多く、嘔吐をストレス解消の手段として代用しているように見受けられます。
「寝ても覚めても頭の中は食べ物のことでいっぱい」などと、明るい文体が不自然さを醸し出しているのも不思議ですが、同じ過食症にかかっているフードファイターが摂食障害で施設に入所していることもブログで公開しています。
「大食い選手権出演の三宅智子さんは摂食障害だった。食事後にトイレで嘔吐」などと書かれています。三宅智子が誰か知りませんが、三宅本人は治療目的の施設入所を機にフードファイターを引退して、自らの摂食障害や、「ほとんどのフードファイターが摂食障害である」という暴露話をブログに書かれていたという話もあります。テレビ局側も直後に嘔吐できるように配慮しているとのことです。
吐くために食う「大食い芸人」
内分泌学の鈴木眞理教授は、食べても痩せている人は全て摂食障害だと断言しています。「食べて普通に消化していれば間違いなく太ります」という教授のコメントも当然です。
しかし、「代謝が早ければ食べても太らない可能性があります」という怪しいコメントもありますが、10,000キロカロリーを軽く超える食べ物を胃に押し込んで全て消化すれば間違いなく太ります。
もし、消化して代謝しているのが事実だとすれば、甲状腺に相当な負担をかけていることになります。甲状腺機能が亢進する病気として難病のグレーヴス病がありますが、夜も昼も激しく代謝を行うので、寝ている間でも汗をかくほど疲れます。心拍数も上がりすぎるので、身体的な負担が大きすぎてドクターストップがかかることは予測できます。
甲状腺亢進症は極端な話であまり考えにくいものですが、それ以前にインスリンが消化に足りるほど分泌されるわけがなく、実際に消化や代謝は無理と思われます。ちなみに、ギャル曽根は無消化のまま消化器系をスルーしているようで、1日に7回ほどトイレに行くという話もあります。ちょっとした正統派のようですね。
過食や大食は芸のウチなのか?
ともかく、視聴者の需要がある限り、摂食障害の過食も芸のウチということで、何か問題が起きればテレビ局が責任を取ることになりそうです。この場合は食べ物を無駄にしているという意識は出演者には不要かもしれません。
摂食障害の場合、食べている時は気分がいいらしく、嘔吐によって過食の原因のストレス発散を行っているとも言われているので、仕方がないという面もありそうです。
「早食いは芸のウチ」とは言いますが、「大食」はダンテの神曲の7つの大罪の一つであって、過食嘔吐はさらにイメージが悪いですね。「飽食」の方が表現としてはマイルドです。
ストレスから過食症を患った、ダイアナ妃
ロンドンで一人暮らしをしていたダイアナ妃は、チャールズ皇太子に言い寄られて仕方なく結婚したものの、結婚生活でストレスが溜まり、うつ病を発症して過食に走ったとのこと。手足を切りつけるなどの自虐的な行為を繰り返している最中に別居生活が始まり、5年間の不倫生活を認める。という妙な私生活を送っていたようです。
「私が信用できる男は息子だけ。チャールズ皇太子はただの相談相手」などという浮気の当人の言葉も有名です。このような人間関係による心理的ストレスや社会的適応性に問題があった場合、依存症として摂食障害を起こすことがあります。
過食と拒食を繰り返した、カレン・カーペンター
摂食障害という病名の認知度を上げる原因になった、カレン・カーペンターの拒食は愛情不足と自信のなさによる心の寂しさだったという説もあり、自分は太っていると勘違いした思い込みにより、神経性食欲不振症(思春期やせ症)という拒食症の一歩手前の症状になります。この時点では神経質症というレベルの軽い症状でしたが、やがて拒食症を発症します。
結婚翌年に破綻するという悲惨な結婚生活と離婚絡みのストレスがあり、拒食症と過食症を繰り返して、電解質の異常により心臓に負担を与え続けた結果、急性心不全で死亡しています。
摂食障害の入院治療と公費負担
摂食障害というものは食欲と関係なく、ストレスと自分の体や外見に対して自己嫌悪が原因になる難治性の疾患なので、特定疾患に指定されて治療費は国の負担になっています。酷い場合は精神科に入院して心理療法やカウンセリングを受けない限り、自分の意思では治すことが難しいものです。
拒食症の肉体的な負荷は大きく、低血糖になりやすく意識障害に及ぶこともあります。電解質異常によって心機能が低下して、カリウム値が減少すると心不全を起こしやすくなり、またエネルギー不足によって脳細胞にダメージを受けると、脳の萎縮などが起きて回復不能な状態に陥ることもあります。
拒食症や過食症といっても簡単に治る病気ではなく、入院治療が必要になるほど深刻な病気だということを、家族や本人は理解して積極的に治療を受けましょう。そのための治療費無負担の措置です。
ただ、難治性と一般的に言われていますが、臨床心理士や医師が認知行動療法を行う事が出来れば、背食障害は難治性の疾患ではありません。
拒食症と過食症とうつ病の治療
認知療法や認知行動療法は、拒食や過食に実績のある治療法であり、認知の誤り(偏った考え方)を無くすことで考え方が合理的になり、精神的にも楽になるというものです。周りからどのように思われているか?という社会不安障害も影響するため、臨床心理士による心理療法も必要になる場合があります。
認知療法の一例としては、「痩せなければいけない」と主観を基準にして考えるのは間違いで、周囲の客観的評価を取り入れると、それが必ずしも必要な事ではないことに気付きます。
もう一つ認知療法の例を挙げると、「ダイエットの目標を100%達成しなければ意味がない」というのは拒食症にありがちな考えですが、妥協点を下げて80%で満足するのも悪くないと考えると強迫観念にとらわれずに済み、自分を苦しめることも無くなります。
認知療法に関してはほんの一例なので、他にも数多くの項目がありますが、理屈で考えるのではなく、直感的に自分の思考の一部にします。
考え方を少し変えて楽に生きましょう
過食の原因としてストレスがありますが、その対処法として過食を選んだわけで、ストレス解消のはずの過食に対して嫌悪感や罪悪感があると、ストレスは解消されず、精神的にはさらに病むことになります。過食と嘔吐は間違った対処法ではないので、罪悪感に苛まれる必要はありません。
偏った考え方を改めて、妥協点を下げながら楽に生きるべきです。
基礎にある疾患としてうつ病や抑うつに対しては、薬物療法としてSSRIやSNRIなどの抗うつ剤が使われます。うつ病は治る病気です。軽い抑うつの状態であれば、ベンゾジアゼピン系の軽い抗うつ作用のある薬で治療を始めると早く治ります。
そして、過食や拒食がなくなれば摂食障害が治ったわけではなく、食べる、食べないという心理的な葛藤が無くなった時点で治癒になります。
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