24歳新人ナースが過労死?!~看護師2万人が過労死の危険性~ナースが追い込まれている医療現場の根深い矛盾。
2015/07/17
人を支えるナースが、過労死で亡くなってしまう・・・
現在の医療現場はとても大きな矛盾を抱えています。現場で今起きていることは相当に根深い問題です。
J(女性アナウンサー):医療の現場を支える看護師たち。過酷な勤務を強いられている実態が明らかになりました。
日本看護協会が初めて行った実態調査によりますと、
テロップ:看護師 過酷な勤務が明らかに
J:過労死の危険性が高まるような勤務をしているような看護師は全国で2万人に上ると見られます。
若くして命を落とす人も出ています。
テロップ:看護師が過労死 過酷な実態
D(男性アナウンサー):埼玉県川越市に住む、
テロップ:高橋英徳さん
D:高橋英徳(たかはしひでのり)さん。
テロップ:看護師だった長女 おととし5月 過労死
D:一昨年5月、看護師をしていた長女の愛依(あい)さんを過労死で亡くしました。
テロップ:高橋愛依さん
D:愛依さんが東京都内の病院に就職したのは3年前。
常に患者の立場に立つ看護師になることが目標でした。
テロップ:高橋愛依さんの父 英徳さん
希望に満ちあふれていた あのときは
英徳さん:希望に満あふれていたんですね、あのときは。
テロップ:大きな病院で 実力・技術・経験を積む考えだったと思う
英徳さん:大きな病院で、実力っていうか、技術とか経験を積んでっていう考えだったと思いますけどねそれは。
テロップ:報告 米原達生 社会部
D:愛依さんが配属されたのは手術の担当部署。勤務は想像以上に過酷なものでした。
当時の勤務表です。緊張を強いられる手術に、ほぼ毎日立ち会っていたことが記録されています。
テロップ:出勤8:19 退勤10:07
D:そして朝8時過ぎから翌朝まで、24時間以上に渡る勤務。
テロップ:残業 月80時間近く
D:残業が月80時間近くに上ることもあったといいます。
当時愛依さんが友人に送ったメールです。
テロップ:キャパ=能力
女性の声:仕事量が確実に私のキャパ越えてる。
D:責任が重くなることへの不安も訴えていました。
女性の声:上の人が居ないんだよね。どんどん辞めちゃって。
教えてもらえない上に責任ある仕事押し付けられるようになる。
テロップ:先輩が辞め 新人の指導も
D:先輩の看護師が次々に辞めたため、2年目の愛依さんが新人を指導しなければならなかったというのです。
D:仕事を始めて、1年2か月、緊急手術を2つ行った愛依さんは、
テロップ:緊急手術後 仮眠中に
D:患者を運ぶストレッチャーの上で仮眠中に意識を失い、そのまま息を引き取りました。
24歳でした。
愛依さんの死因は不整脈。不規則で、過酷な長時間労働による過労死と認定されました。
テロップ:過労死に認定
テロップ:高橋愛依さんの父 英徳さん
看護師になって1年で死んでいる 職業選択を間違った
英徳さん:看護師になって1年で死んじゃってるので、まあ親としては、正直な話は、職業選択を間違ったと。
テロップ:納得できないというか 人を 労働者を軽く見ているんだろう
英徳さん:納得できないなというか、つまり恐らく想像するに、やっぱり人を、労働者を軽く見てるんだろうなと。
J:若い看護師に相次ぐ過労死。
テロップ:若い看護師に相次ぐ過労死
J:事態を重く見た日本看護協会は、
テロップ:日本看護協会
夜間勤務する看護師3,000人対象 初の実態調査
J:病院で夜間勤務をする全国の看護師3千人を対象に、初めての実態調査を行いました。
ひと月の夜勤の回数です。
テロップ:(調査 日本看護協会)
夜間勤務の回数(1か月)
平均8.5回(3交代勤務)
J:24時間を3交代で勤務する看護師の場合、平均8.5回でした。
テロップ:月60時間以上の残業 4.3%
J:残業時間が、月60時間以上の看護師も4.3%いました。
J:調査の結果日本看護協会は、
テロップ:過労死の危険高い看護師 全国で2万人と推計
J:過労死の危険が高い看護師が、全国で2万人に上ると推計しています。
テロップ:日本看護協会 小川 忍常任理事
小川:非常にまあ危険な働き方をしている看護師が多いということですね。
テロップ:残業が多くて夜勤も休みがとれない 人がいないから休みもとれない
J:残業が多くて、夜勤も休みがとれない、そしてさらに人がいないから休みもとれない。
そういう問題があります。
テロップ:看護師の過労死 どうすれば…
昭和大学病院 東京 品川区
看護師:はい。どうされました?
J:なぜ、看護師の勤務がここまで厳しくなっているのでしょうか?
もっとも大きな要因は、医療の高度化です。
テロップ:“医療の高度化”
医療の現場で使われる、機器や薬品。それに治療や検査の技術は、飛躍的に向上しています。
看護師は日々進歩を続ける医療に、ついていかなければならないのです。
看護師:はい、あーん。
J:患者の高齢化も、忙しさに拍車をかけています。
テロップ:“高齢化”
J:お年寄りの入院患者が増え、これまで以上に、頻繁に、食事やトイレの介助が必要になっているのです。
看護師:1日、なんかあっという間でした。この時間までが。
テロップ:1日があっという間でした
J:医療の安全対策も
テロップ:安全対策
J:繁忙化を増す要因になっています。
看護師:お願いします。
6月3日。3本目。
テロップ:6月3日 3本目
J:ミスを防ぐため、薬の種類や量は必ず二人で声を出してダブルチェック。
こうした取り組みに力を入れるほど、現場の負担が増すという皮肉な事態が起きています。
テロップ:昭和大学病院 市川幾恵 看護部長
看護職場の変化は 非常に忙しくなってきている
市川:看護職場の変化は、まず忙しさでいうと、非常に忙しくなってきています。
テロップ:人員はまったく今のままでは 十分だとは思っていない
市川:人員はですね、まったく今のままでは十分だとは思っておりません。
テロップ:増やしたいと思っているが
増やしたいなという風に思ってはいるんですが、
テロップ:今の診療報酬の態勢では 増やしていくのは困難な状況だ
市川:今の診療報酬の態勢では、増やしていくということが、困難な状況があります。
J:看護師の娘を過労死で亡くした高橋英徳さん。
こうした悲劇を繰り返してはならないと訴えています。
テロップ:高橋愛依さんの父 英徳さん
人の命を救う立場の人が その過程で 先に死ぬことがあってはならない
英徳さん:少なくとも人の命を救う立場の人が、その過程で、
先に死んじゃうなんていうようなことがあってはならないと思うし、
テロップ:(医療現場が)医師や看護師の犠牲のうえに
成り立つことにならないようにしてほしい
英徳さん:医療に携わる、医者や看護師の犠牲のうえに
成り立つようなことにならないようにしてほしいと思います。
J:本当に私たちの命を救う看護師が、自分の命すら救えないというこういった状況はなんとかしなければいけませんよね。
D:医療現場ではですね、これまで医師不足が問題になっていたんですけれどもそれだけではなくて、
実は看護師不足も深刻なんですね。
まあ看護師さんの絶対数を増やさない限り、なかなか問題は解決しないんですけれども、
増やすためには、指摘がありましたように、診療報酬を引き上げる必要が出てくるんですね。
J:ええ。
D:まあそうなりますと、私たちが支払う医療費も上がる可能性があるんです。
医療にどこまでお金をかけて、それを誰がどう負担するのか。
医療界だけではなくて、国民を巻き込んで、きちんと議論しなければ、
医師や看護師不足の問題は解決しないんだと思います。
引用 ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=yDv6FKEkGpQ
参考
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