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NICUの現場の暖かくも厳しい真実に涙。光あれ…新生児集中治療室は今…。命の最前線で戦う医師…病室を安らげる場所に

      2015/07/17

光あれ…新生児集中治療室は今…。命の最前線で戦う医師…病室を安らげる場所に

参考⇒https://www.youtube.com/watch?v=4gQRPeCFGJM

NICUで新しい命を大切に守る医師やナースの奮闘が心を打ちます。医療の現場にある思いやり、愛情はきっと小さな赤ちゃんにも届いていると思います。たくさんの命が幸せになれますように!!

 

テロップ:柳沢彩美
柳沢:特集です。
今日は生まれたばかりの赤ちゃんの救急医療を担うNICU、新生児集中治療室を取り上げます。
テロップ:特集 最新“NICU”で救う命
柳沢:医療が発達する中、過ごしやすさにも気を配った最新の病棟を取材しました。

テロップ:名古屋第二赤十字病院 昭和区
N(ナレーター):名古屋の第二赤十字病院。
この日、切迫早産と診断された女性が、帝王切開の手術を受けました。
麻酔が赤ちゃんに回る前に取り出さなくてはなりません。およそ9分後。
医師たち:おめでとうございます。
テロップ:帝王切開で生まれた赤ちゃん “暖かな光”が包み込む
医師:赤ちゃんと握手してあげてください。
母親:ちっちゃい。
N:2005グラムの男の赤ちゃん。低体重で呼吸がやや不安定。
すぐに病院内のある場所へ運ばれます。
医師:お願いします。
N:暖かな光で照らされた、特殊な病棟。
ここは命の危険がある赤ちゃんに緊急処置を行う、NICU、新生児集中治療室。
テロップ:NICU 新生児集中治療室
N:ただちに呼吸器を付け、肺を広げる処置を行います。
テロップ:名古屋第二赤十字病院 新生児科 田中太平 部長
この病院で新生児医療の責任者を務める、田中太平(たなかたいへい)医師。
田中:ぼやーっとした感じでハイパールセントがあるから…。
N:NICUを大幅に作り替えました。
田中:世界一のNICUをつくりたいと。
テロップ:世界一のNICUをつくりたい

N:名古屋第二赤十字病院は2009年に、
テロップ:名古屋大に赤十字病院 2009年 総合周産期母子医療センターに指定
N:国から、早産や先天性障害など、リスクの高い出産への対応病院に指定されたことで、
NICUに入る赤ちゃんが増えたため、改荘してベッド数を増やすことになりました。
先端医療の提供はもちろんですが、改荘でとくにこだわったのが、室内を照らす明かりでした。
テロップ:明かり

田中:もともと25床だったところが35床に増えると。
テロップ:名古屋第二赤十字病院 新生児科 田中太平 部長
もともと25床のところが35床に増える
かなり圧迫感があるだろうと
田中:かなり圧迫感があるだろうと。で、圧迫感っていうのは緊張感プラス圧迫感。
テロップ:緊張感と圧迫感で家族にも不安感を抱かせるし
スタッフも働きにくくなるだろう
田中:そうすると家族の人にとってもすごく不安感を抱かせますし、働くスタッフにとっても、
とても働きにくくなるだろうと。

N:そもそも、NICUは母親の子宮内の環境に近づけるため、明かりを暗くします。
テロップ:最先端 新生児集中治療室 母親の子宮に近づけるため…
NICU 子宮内の環境に近づけるため 
室内の明かりを暗くする必要がある
N:以前は、天井に蛍光灯が取りつけられ、
テロップ:以前のNICU
N:赤ちゃんの目に直接光が当たっていたうえ、薄暗くしていたため家族
テロップ:・赤ちゃんに直接光が当たる
・暗さがスタッフのストレスにつながるという心配がありました。

テロップ:名古屋第二赤十字病院 新生児科 田中太平 部長
コンセプトは「光と影」暗い部分をいかにきれいに見せるか

田中:自分のコンセプトとしては、光と影と。そこを、とくに暗い部分をいかに綺麗に見せるかと。

N:自ら、照明学と建築学を勉強したうえで、今年4月に完成させたのがこのNICU.
天井は奥行きを感じさせるため、滑らかな曲線を描く二重構造にして。
そこに電球の色合いに近いLEDを3千個配置。
間接照明で赤ちゃんの目に優しく、部屋全体が温かい印象を持つように作りました。

テロップ:暗い所だとロウソクのともしびのような色が心地良く感じる
田中:暗い所ですと、ロウソクのともしびのような光の色が心地良く感じるということで、
ちょうど電球の、豆電球のような、そんなような意図で全部光のほうがセッティングされています。

N:切迫早産で帝王切開を受けた氏家佑季(うじいえゆき)さん。
テロップ:氏家佑季さん
N:出産後初めてNICU訪れました。
氏家:ちっちゃい。
N:保育器の中で、小さな足を懸命に動かす我が子。
テロップ:良かった…元気そうで

氏家:良かった。元気そうで。
N:強い芯を持ち大きく育ってほしいとの願いを込めて貫太(かんた)と名付けられました。
テロップ:貫太(かんた)

テロップ:氏家佑季さん
Q.このNICUの印象は?
オペ室みたいな緊張感があるところを
創造していたけれど
氏家:オペ室みたいな緊張感がある感じを想像してたんですけど、
テロップ:おだやかな雰囲気で
リラックスして赤ちゃんに会えるかな

氏家:すごい穏やかな雰囲気で、確かになんかリラックスして赤ちゃんに会えるかなと。
ここで過ごせたら安心です。
テロップ:(赤ちゃんが)ここで過ごせたら安心です

N:NICUには入院が長期に渡る赤ちゃんもいます。
テロップ:NICUで長期入院も… 母子に寄り添う“光と影”
小倉朱々ちゃん
N:小倉朱々(こぐらすず)ちゃん。
今年8月、およそ600グラムで生まれ、今体重は1300グラムを超えました。
テロップ:母 有紀さん
小さく生まれたから
生後1週間は命が危ないと言われて
有紀さん:すごいちっちゃく生まれたから、生後やっぱり1週間は、
ちょっと命の状態が危ないからどうなるかわからないよって言われて、
で、私もすごいなんかちょっとやっぱり自分を責めたというか、
ちょっとなんか、もっとこうしてあげれば良かったなとかいろいろ考えることもあったんですけど。

テロップ:私も自分を責めた
もっとこうしてあげればよかったとか

N:朱々ちゃんの上に2人の娘がいる母親が普段NICUを訪れるのは娘たちが眠っている夜明け前です。
有紀さん:だいたいその時間帯に来ると、やっぱり外は暗いけど中は明るいみたいな。

テロップ:その時間帯に来ると
外は暗いけど中は明るい
有紀さん:ここに入ってくるとすごい光が明るいというか、なんかやわらかい感じなので、
テロップ:ここに入ると光が明るくやわらかい感じなので
有紀さん:リラックスしたり、話を聞いてもらうことで、
やっぱりちょっとこう安心したりとかということもできて。

テロップ:リラックスして話を聞いてもらうことで安心して
有紀さん:それで温まった気持ちで帰れるみたいな感じだったんです。
テロップ:温まった気持ちで帰れる

テロップ:名古屋第二赤十字病院 新生児科 田中太平 部長
お母さんが早産や病気の子どもを産んだとき

田中:例えばお母さんが早産で、小さい赤ちゃんを産んでしまった。
それからなにか奇形のあるお子さん、いろんな病気を持ったお子さんを産んでしまったというときは、
テロップ:気持ちが暗闇に包まれている
自分を責める気持ちがあると思う

田中:やっぱり気持ちの中で、暗闇に包まれてると。
自分を責めてしまうですね、そういう気持ちが必ずあると思うんですね。
テロップ:そこに光を当てる方法として
視覚もプラスになるのではないかと考えた

田中:そこに光を当ててあげるという方法は、無意識のうちにそういう視覚的なところも、
恐らくはプラスになってくれるんじゃないかなと考えました。

N:医療スタッフも、この明かりで以前より過ごしやすい環境になったと言います。
テロップ:NICUで働く医師
(これまでのNICUは)急に画面や赤ちゃんを見ると
見にくかったりまぶしかったりするが
NICUで働く医師(男性):例えば急に画面を見たりとか、急に赤ちゃんを見たりとかすると、
ちょっと見にくかったり、まぶしかったりするんですが、
テロップ:そういった光の変化が少ないので
過ごしやすい 1日いて目の疲れが少ない
NICUで働く医師(男性):そういった光の変化が少ないので、割と過ごしやすいというか、
1日いて目の疲れが少ないですね。
テロップ:NICUで働く医師
働く環境としても明るいのでポジティブになれる
NICUで働く医師(女性);働く環境としても、やっぱり明るいことでポジティブな感じになれるというか。

N:こだわりはNICUへ向かう廊下にも。

テロップ:小さな命を救う闘い
最先端NICUの挑戦

N:突きあたりの窓には、西陽に照らされるよう、特注のステンドグラスを配置。
家族の緊張を少しでもやわらげたい思いがそこにはあります。

N:このNICUには扉で仕切られた小さな部屋があります。
天井には青空が。しかしこれは特殊なフィルムに描かれた人口の空です。
テロップ:人口の空
テロップ:本物の空を見られずに最期を迎える赤ちゃんに
空を見せてあげたい

田中:本物の空を見れずに、最期を迎える赤ちゃんのために空を見せてあげたいということで、
このような「看取りの部屋」という風に呼んでますけれども、そういうスペースを作りました。

テロップ:「看取りの部屋」

N:第二赤十字病院のNICUには、年間およそ400人の赤ちゃんが入院しますが、
中には手を尽くしても助からない子が数人はいます。
そうした失われる命への思いも込められているのです。
テロップ:失われる命

テロップ:先月10日
N:この日は年に1度開かれる第二赤十字病院のNICUの同窓会。
NICUを卒業した子どもたちが元気になった顔を見せます。

テロップ:参加した母親
こんなに元気に育つと思っていなかったので
ありがたいというか
参加した母親:もう本当にこんなに元気にっていうか、育つって自分では思っていなかったので、
すごくありがたいというか。
感謝します。命があることに。

テロップ:感謝しますね

テロップ:ハンディキャップをもって
退院する子どももいるが
田中:ハンディキャップを持って退院されてく方もいるんですけども、
テロップ:こういう状態の子どもを出産して
ケアをしていった中で
田中:自分がこういう状態のお子さんを出産されて、ケアをしていった中で、
テロップ:逆に自分(母親)が育てられる部分もある

田中:逆に自分が育てられる部分も結構あるんですね。

テロップ:子どもを産んで良かった ここで入院して良かったと
そう思ってもらえるNICUをつくっていきたい

田中:で、お子さんを産んで本当に良かった。ここで入院をして、ケアをしていただいてもらって本当に良かったと。
そう思っていただけるようなNICU、そういうものをつくっていきたいなとは思っています。

N:生まれてくる小さな命を救う闘いが、暖かな光の下で今日も続いています。

柳沢:第二日赤病院のNICUには、低体重の他にも心臓病ですとか、呼吸障害という疾患を持った赤ちゃんが入院しているんですね。

男性アナウンサー:はい。まあ赤ちゃんが生まれてね、すぐに入院した場合に、母親が自分を責めてしまう。
そんなお話もありましたけども、こういう気持ちが落ち着く環境があるとですね、
お母さんも育児などに前向きに取り組めるんじゃないかななんていう風に思いますけどね。
そんな期待もあるわけです。
特集でした。

小児科の看護師の業務内容は?外来、小児病棟、NICUの違い

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