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ハローワークで失業保険(雇用保険)を受給するやり方。休職中の人必見!

   

基本手当(失業手当)は失業したからといって、自動的に支払われるわけではありません。

「失業給付をもらう資格がある」「国が考える失業の状態である」「手続きをする」といった条件が必要です。

この認定をしてもらったり、手続きをする場所はハローワーク(公共職業安定所)です。

失業は本人や家族には大事件で、すぐにでも再出発も考えないといけない人が大半でしょう。そういった時に、けっこう面倒な手続きをしなければいけません。

余分な手間をかけたり、もらえると思っていたのがもらえなくて神経をすり減らしたりしないよう、準備できるものは手際よく用意してからハローワークに行くようにしたいものです。

 

1.失業保険・失業手当と雇用保険・基本手当(失業給付)について

今でも「失業保険」「失業手当」といった言い方も普通に使われています。実はこれらは古い制度や名前で、今は正式には使われていません。

「前もって保険に入っている人が、離職・失職して、ハローワークで求職のための申し込みをし、『就職する積極的な意志があり、また働くだけの能力がある』と認められた場合に支給されるお金」を、「基本手当」といいます。別名は「失業給付」です。

これ以外には、65歳以上の人が対象の 「高年齢求職者給付金」、季節的労働者の「特例一時金」、日雇い労働者の「日雇労働求職者給付金」といったものもあります。

さらには、「技能習得手当」「受講手当」「通所手当」もあります。これらは再就職のために職業訓練校に通った場合に、その支援のために出されるお金です。

「雇用保険」といった場合には、これらすべてが含まれます。

「雇用保険は失業した人らがお金を支給してもらえる制度。そのお金のうちのひとつが、基本手当(失業給付)。この基本手当が、昔の言い方では失業手当」と覚えておけばいいでしょう。

2.基本手当の受給資格

働いていたのが正社員としてでだけではなく、パート・アルバイト、派遣社員、契約社員などでも、次の条件を満たしていれば、基本手当の受給資格があります。パートなどの場合は突然の失業ではなく、契約期間終了なども問題ありません。

A.失業(退職)日直前の2年間に、雇用保険に加入していた期間が合計で1年以上あること

B.現在失業しており、かつ、すぐにでも働く意思があること(求職活動を行えること)

「雇用保険に加入していた期間」がこれだけ必要なのは、自分の方から退職した場合です。また、この2年の間にも転職しているのならば、その全部の職場での期間をトータルして、1年を超えていればOKです。

会社側の都合でやめた場合は、「失業(退職)した日より前の1年間に、雇用保険の被保険者であった期間が合計で6ヶ月以上」と条件が緩くなります。

「現在失業している」「働く意志がある」も含めて、これらの判定はすべてハローワークが行います。

3.雇用保険の加入期間

「雇用保険の加入期間」といっても、自分では支払っていた気がしていない人もいるかもしれません。これは給料から天引きされて、会社から納められているのが普通です。といっても、勤め先がブラック企業の類で、しかもバイト・パートなどで働いた場合、払っていないこともあります。

また、あくまで「加入期間」でカウントします。期日がギリギリの人は、働いていた期間ではないことに注意が必要です。

心配な人はまずは、この期間分の給料明細をチェックしましょう。「雇用保険料」の項目があるはずです。この方法で確認できないのならば、かつての勤め先の経理担当者に自分に問い合わせます。あるいは、ハローワークから手続きを取ってもらい、ハローワーク経由で回答をもらうこともできます。

基本手当の支給を申請したら、もちろんハローワークの方でももう一度しっかりとチェックが入れます。必要な期限に1日でも欠けていたら、資格はありません。

4.退職の理由

「退職の理由」が必要になるのは、「離職(失業)した日より前の1年間に、雇用保険の被保険者であった期間が合計で6ヶ月以上」の条件で支給を受けようとする場合だけではありません。これでもらえる金額(支給額)や期間(給付日数)も変わってきます。

退職の手順が正常に行われたのならば、勤め先との間で「雇用保険被保険者離職票(離職票)」が作られているはずです。法律上、遅くとも退職後10日以内に発行しすることになっています。

これには退職理由を書く欄もあります。ハローワークもまずはこれを確認します。

とはいえ、勤め先側は「自分の都合で辞めていった」とし、自分の側は「会社から退職するように求められ、それに応じた」と意見が割れることがあります。いつまでたっても離職票が作られないようなところまであります。

会社側が「希望退職(自分の側からの退職)」と書いてしまっているような場合でも、簡単にあきらめる必要はありません。ハローワークの担当者に説明し、その担当者が「会社都合だ」と納得すればいいのです。

そのためには、もし問題になりそうならば、きちんと説明ができるような準備をしておきましょう。たとえば、会社側からの退職を求めるような書面でも残していれば、有力な証拠になります。

5.働く意志

5-1.受給できない人

基本手当は「最近職を失い、働きたいけども働けない」という人のための者です。なので、次のような人はもらうことはできません。

・仕事に差し支えるような病気やケガをしている人
・妊娠・出産・育児などが理由で、しばらく復帰できそうにない人
・専業主婦・家事手伝いなどになろうという人
・しばらくは休養期間にあてようという人

5-2.働く意志の確認

「失業認定」とは、「その後、就職していない。働いていない」という確認です。また、「職探しをしている」「次の就職のための準備をしている」ということもわかるようにしなければいけません。

ハローワークに行き、書類にその間の求職活動の報告を書いて提出します。

最初の失業認定は、自己都合での退職の場合、3ヶ月を過ぎたところに設定されます。会社側の都合での退職の場合は、1-3週間後です。自己都合は基本手当の給付も遅くなるように設定されていますので、最初の失業認定も遅くなるのです。

自己都合での場合は、最初の失業認定を受けるまでに3回、会社側の理由での退職の場合は、最初の失業認定を受けるまでに1回の求職活動をする必要があります。

といっても、最初に基本手当にかんする講習会があり、これに参加しているはずです。これも求職活動として扱われ、1回分にカウントされます。ですから、実態としては、自己都合の場合は2回、会社側都合の場合は0回です。

どちらの場合も、その後は4週間(28日)ごとに失業認定があります。「働く意志がある」とするには、その間に最低で2回の求職活動が必要です。

その「求職活動」には次のようなものがあります。

・ハローワークが扱っている求人に応募する
・ハローワーク、民間の職業紹介会社・人材派遣会社、地方自治体などが実施している職業相談、職業斡旋、講習会・セミナーなどを受ける
・再就職につながるような資格・検定を取るための試験を受ける

単に「ハローワークに行って、求人票をチェックした」ぐらいでは、求職活動として認めるハローワークと認めないハローワークがあるようです。実際に面接などに足を運んだほうが間違いないです。

基本手当を受けるだけのために、形だけの求職活動をするようでは、担当者の心象を悪くします。担当者から詳しく説明を求められるだけではなく、最悪は基本手当の受給にも悪影響を与えます。

講習会・セミナーは「面接の受け方」「履歴書の書き方」といったものまで含まれます。資格の方は、ごく一般的なパソコン、秘書、簿記といったものでもほぼ大丈夫です。あくまで「受けた」というのが実績として見られますので、試験にパスする・しないは関係ありません。

以上のものは、あくまで「基本として」です。たとえば、面接や筆記試験などは内容によっては1回だけで条件を満たしたとみなされる場合もあります。「働く意志がある・ないは、ハローワークの担当者が判断する」という点を忘れないようにしましょう。

また、身体障害者、知的障害者、精神障害者、保護観察中の人らは、「就職困難者」として、また別の決まりになっています。4週間ごとの失業認定の間に必要な求職活動は、1回です。

6.不正受給について

4週間ごとの失業認定では、自分の方からその間の状況を申告します。ですが、担当者の方でもチェックを入れます。

例えば、「民間の職業紹介会社で出ていた求人に応募した」といったものは、担当者からその職業紹介会社に確認のための連絡を入れるようなこともします。

もし、ウソの申告をし、バレた場合には基本手当の支給がストップするようなこともあります。

よくあるのは次のようなパターンです。

・実際にはやっていない求職活動を申告した
・すでに就職・就労した、あるいは自営で仕事を始めたのに、申告しない。
・内職などでの収入があったのに申告しなかった

就職・就労はパート・アルバイト、日雇い、臨時職員なども含まれますので、注意が必要です。「どんな形であれ、少しでも賃金をもらえるようなことをしたら申告の必要がある」と覚えておくようにしましょう。

7.手続きに必要な書類

基本手当をもらうためには、まずはハローワークに行き、手続きをしなければいけません。そのために自分で事前に用意する書類は次のものです。

・雇用保険被保険者離職票-1(離職票-1)

基本手当の振込先を指定するための用紙です。

振込先として予定している金融機関で確認印をもらっておくのが原則です。そのためには、事前に金融機関の窓口に通帳などを持参し、手続きを済ませておきます。

あるいは、これが間に合わない場合、通帳そのものをハローワークに持参します。これでもOKです。

金融機関といっても、郵便局や外資系銀行、インターネットバンキングなど利用できないところもありますので、注意が必要です。

・雇用保険被保険者離職票-2(離職票-2)

退職理由と最後の6ケ月間の給料が記入されています。

ボーナスは含まず、残業代や交通費は含まれます。また、税金や社会保険料を引く前の、いわゆる「額面給与」の数字になっていなければいけません。

もし、間違って少なくなっていたら、基本手当の支給額も低くなってしまいます。ここでの数字が支給額の計算の土台になるのです。

また、ここに記載された退職理由は、先に挙げたように、自己都合での退職か、会社側の都合での退職かの判断のもとにされます。

・雇用保険被保険者証

・印鑑

・写真2枚(タテ3cm×ヨコ2.5cmの正面上半身)

・運転免許証、住民基本台帳カード、パスポートなど本人確認ができるもの

・マイナンバーカード、マイナンバーの記載がある住民票の写しなどマイナンバーが確認できるもの

・預金通帳(雇用保険被保険者離職票-1に金融機関から確認印をもらっていない場合)

これらのうち、雇用保険被保険者離職票の1と2が手元に来るのが遅れている場合があります。その場合は、先にハローワークに連絡して、ハローワークから催促してもらうこともできます。

ほかにも必要な書類はありますが、ハローワークに置いてあります。これだけあれば、後はハローワークに行くだけです。

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