夜勤専従看護師で働く!仕事内容・役割・給与。転職前にわかる業界おまとめ

     

看護士

1.夜勤を本当に理解していますか?

看護師さんにとって、「夜勤をどうするか。夜勤があるところにするか、ないところにするか」は、転職を意識し始めた時に、最優先で決めておかなければならないポイントでしょう。

この夜勤に対する姿勢は、「これから看護師としてどんな人生を送るか」にも直結します。

「夜勤も積極的にこなして、高給をもらう」「今は家庭との両立重視。しばらくは夜勤のないところで」「仕事はそこそこに。それよりもプライベート重視。だから夜勤はNG」などは当たり前に見られる判断です。

そんな大事なことなのに、意外と「夜勤とはどういうことか」を理解していない看護師さんは多いです。

2.夜勤の勤務パターン

警察・消防、24時間操業している工場、コンビニなど深夜営業のお店でも夜勤はあります。パターンも様々です。

看護師の場合は、「二交代」「三交代」の2つを頭に入れておけばいいでしょう。

「どちらのほうが楽か。働きやすいか」はなかなか結論が出ないようです。また、人によって、「自分にはこっちのほうが合っている」ということもあります。

2-1.二交代制

1日の勤務者を2つのチームに分けて、日勤と夜勤をカバーする形です。

実際の勤務時間としては、「日勤は8:30~17:30。夜勤は16:30~9:00」といった形が多いです。

夜勤の場合は、深夜も働くことになるだけではなく、勤務時間も長いです。そのため、後半の時間帯は「残業」の扱いにもなります。

また、途中で2時間程度の仮眠時間があるのが一般的ですし、正常です。

この仮眠時間もナースコールが鳴るなど、必要があればすぐに駆けつけることになります。そういう態勢で控えているわけですから、本当にまるまる休めたとしても、ちゃんと勤務時間に計算されます。

2-2.三交代制

1日の勤務者を「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3つのチームに分けます。

「日勤が8:30~17:30、準夜勤が16:30~25:30、深夜勤が0:30~9:00」といったような振り分け方になります。

このように1回あたりの夜勤(準夜勤、深夜勤)の勤務時間は二交代に比べ、半分程度になります。

その代わり、回数が多くなるのが一般的です。

「日勤をしたその7、8時間後に深夜勤」といった勤務もありえます。

こういった場合、「家に帰らずに、そのまま休憩室内で仮眠する」といった医療機関もあるようです。

2-3.当直勤務について

「夜勤」と間違いやすいものに「当直勤務(宿直勤務)」があります。

急に人手が必要になる時のために待機しているのが主な役割です。

思い切って単純にいってしまうと、「夜中でもバタバタ仕事に追われているのが夜勤。何かあった時のためにと、寝て待っているのが当直」です。

昼間の待機の場合は「日直」といいます。合わせて「当日直」といった言い方もします。

ただし、「当直」といいながら、実際にはほとんど夜勤と変わらないような医療機関もあります。

そのため、厚生労働省からは次のような通達が出ています。

・(当日直は)常態としてほとんど労働する必要のない勤務のみを認めるものであり、病室の定時巡回、少数の要注意患者の検脈、検温等の特殊な措置を要しない軽度の、又は短時間の業務を行うことを目的とするものに限ること

・相当の睡眠設備を設置しなければならない。また、夜間に充分な睡眠時間が確保されなければならない

(2002年3月「医療機関における休日及び夜間勤務の適正化について」)

もし、これらが守られていないのであれば、夜勤に扱いを変えるのが本来のあるべき姿です。

この当直勤務を設けていいかどうかは、厚生労働省からの許可制です。違反が明らかになれば、許可は取り消されることになっています。

3.夜勤の72時間ルール

3-1.72時間ルールとは

夜勤が続いたり、日勤と夜勤がめまぐるしく変わると、体がついていきません。

そのため、国でも特に看護師さんのために制限を設けました。「看護師の夜勤の72時間ルール」です。

夜勤の勤務は1か月分をトータルして、72時間を超えてはいけないのです。

たとえば、二交代で夜勤の時間帯を「17:00~9:00」としているところがあるとします。1回で16時間です。これを4回すると合計で64時間です。

5回目に入ると72時間をオーバーします。

夜勤の勤務時間はどこでも大差がないので、「回数でいえば月に4回が上限」と考えていいでしょう。

同様に三交代制ならば、1回の勤務がきっかり8時間であっても、9回が限度です。実際には8回以下でしょう。

これを守らないと、その病院は「診療報酬」を大幅に減らされます。

つまり、患者を診察・治療した場合に、健康保険分として国から支払われる金額が減るのです。

この状態で経営できる医療機関はまずありません。ですから、表立って違反をするようなところもありません。

3-2.72時間ルールの例外規定

ただし、この72時間ルールには例外があります。次の2つのパターンの場合は、守らなくていいのです。

①勤務する部署が、集中治療系(救命救急センター、ICU、NICU、HCU)の病棟、回復期リハビリテーション病棟、緩和ケア病棟、認知症治療病棟の場合

「夜間だからといって、看護師の人手を減らすわけにはいかない職場」と考えればいいでしょう。

②夜勤専従者

夜勤だけを専門にやっている看護師さんは、かつては1か月あたり144時間(72時間の倍)が限度となっていました。

これは2012年に改められ、今は上限はありません。 

4.夜勤手当・残業手当の決まりごと

4-1.夜勤手当

「深夜勤務給」「深夜手当」などの名前になっている場合もあります。

夜勤手当は支払わなければならないことは法律で決まっています。これは看護師以外でも同様です。

医療機関側の都合で、「日勤の金額も高くしてあるから、夜勤も同じ金額で」とか、「経営が苦しいので、しばらくは夜勤手当はなしでお願いします」ということは許されていません。

適用される時間帯は「22時~05時」です。「日勤での給料に比べ最低でも25パーセント増し」となっています。

「看護師の転職案内」のサイトでも、「1回あたりの夜勤手当は、1,000円しかないような職場もあります」と、夜勤や夜勤手当の仕組み自体を間違って理解しているところがあります。

直接関係する法律ぐらいは、簡単にでも頭に入れておくようにしましょう。

※ちなみに、看護師全体の夜勤手当の平均は次のようになっています。
(日本看護協会「2014年 病院における看護職員需給状況調査」)

・二交代制=10,859円、
・三交代制・準夜勤=4,190円
・三交代制・深夜勤=5,259円

4-2.残業手当

「時間外勤務給」「超過勤務手当」「時間外手当」などと呼ばれることもあります。

特に二交代制の場合、夜勤の時間帯の後ろ半分は、同時に残業にもなっています。

「夜勤でいくら手当がもらえるか」が意識しないうちに、「夜勤手当と残業手当はいくらもらえるか」を意味していることなっていることも多いです。

しっかりと残業と残業手当の仕組みについって知っておかなければ、夜勤と夜勤手当を理解したことにもなりません。

これもまた、夜勤手当と同じように法律で決められています。

「1日に8時間あるいは1週に40時間を超えた分に対して、日勤での給料に比べ最低でも25パーセント増し」です。

二交代制でよくあるように16時間連続で勤務したならば、そのうちの8時間が残業の扱いになるわけです。

4-3.夜勤手当と残業手当は別々にプラスされる

もし、バイトなどで時給計算になっていて、日勤の時給が2,000円だったとします。

あるいは、正社員で月給制になっているのを、「日勤の場合の1時間あたり」で計算し直すと2,000円だったとします。

「17:00~9:00」の夜勤についた場合のお手当は次のようになります。

・夜勤手当の支払われる「22時~05時」はまるまる含まれていて、これが7時間。3,500円(2,000円×0.25×7)
・この場合、16時間の勤務なので、残業手当が適用されるのは8時間分。4,000円(2,000円×0.25×8)

これらは別々にプラスされます。つまりそのまま素直に合計していいのです。

ですから、この時のお手当は7,500円ということになります。二交代制の1か月あたりの上限である4回夜勤をしたとすれば、30,000円です。

4-5.実際にはいろいろな計算方法がある

しかも、これは「最低でも」という金額です。割り増しは30パーセントやそれ以上でも構わないのです。

また、中には「時間で計算した割り増しの上に、1回ごとに一定額をプラスする」というようなところもあります。

さらには、「時間での計算による割り増ししはなし。1回ごとに一定額をプラスする」の場合であっても、法律で決められている金額さえ超えていればOKです。

今、シミュレーションした勤務時間でいえば、「1回ごとに10,000円」ならば十分にこのラインを超えているわけです。

4-6.当直手当

先に紹介した「医療機関における休日及び夜間勤務の適正化について」では「宿日直勤務手当は、職種毎に、宿日直勤務に就く労働者の賃金の1人1日の平均額の3分の1を下らないこと」とされています。

ですが、これはあくまで「通達」であって、法律ではありません。

実際には、「当直手当」として、1回あたり2,000円~6,000円が支払われることが多いようです。

5.新しい働き方・夜勤専門の看護師

夜勤のメリットといえば「お手当がしっかりつく」、デメリットといえば「体がきつい」が、最もシンプルな考え方でしょう。

ほかにもいろいろとメリットを見つけて、あえて夜勤専門で働く看護師さんもいます。それも、子育て中のママさんナースまで含まれています。

また、先に見たように2012年からは「夜勤専門の看護師の夜勤は月に144時間」の制限がなくなりました。医療機関の方でも、職場に迎えやすくなり、募集も増えています。

メリットには次のようなものがあります。

・夜勤手当・残業手当が毎回付く。勤務時間の長さから考えると割がいい

・二交代制の場合、1回出勤して2日分働くという形になる。なので、通勤にかかる時間がセーブできる

・日勤と夜勤が交互になる一般的な勤務よりも、夜勤だったら夜勤ばかりのほうが体調管理がやりやすい

・昼間自由にできる時間ができるので、趣味や勉強にその時間を回せる。意外に家事に使う時間とうまく分けることができ、家庭と仕事の両立もやりやすい

夜勤専門の看護師の募集がよく出ているのは、入院病棟、救急外来など、「72時間ルール」の適用外になっているようなところです。

激務のところが多いです。いくら「夜勤専門」と割りきっていても、疲労が蓄積するようでは長続きしません。

応募には十分な事前の調査が必要です。

6.夜勤に関連して起きる可能性のある問題

6-1.夜勤手当・残業手当がごまかされる

規定通りの夜勤手当・残業手当が出ていないところは論外です。すぐにでも転職したほうがいいでしょう。

中には、「月給の上ではちゃんと夜勤手当・残業手当が付いている。しかし、手当が多い月が続くと、ボーナスで“調整”される(減額される)」というようなところの話も聞こえてきます。

これになると、犯罪のレベルです。

また、「実際に残業した時間分を全部は計算してくれない」というのは、看護師や医療機関に限らず、日本の労働現場にはよくある話です。

なにしろ、「サービス残業」というように名前まで付けられているぐらいですから。

夜勤のあるような職場は、呼び出しだってあるでしょう。

「声をかけるまで病院内で待機してくれ」となって、結局は出番なしで終わっても、その時間は勤務とみなされます。給料の計算もするのが法律の上での決まりです。

これも守られていないことがままあります。

これらのところも、長く勤めるべき職場ではないでしょう。

6-2.規定通りの休憩時間がない

看護師の場合の夜勤は特に長時間勤務になります。このような職業はほかには珍しいです。

法律の上では看護師に限らず、「労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間の休憩」を用意する義務があります。

また、日本看護協会では、「16時間夜勤などの長時間勤務の場合、2~3時間の休憩時間があることが望ましい」としています。

多くの職場では、規則上はこの休憩時間や仮眠時間が用意されているはずです。

ですか、全くの空約束状態になることも珍しくありません。

また、この仮眠時間も勤務時間扱いになっているぐらいですから、急ぎの仕事は拒否できませんし、拒否する看護師さんないでしょう。

厳しくなる一方の看護師不足で、「休憩・仮眠が必要なことはわかっている。だけど、十分な数の看護師が配置できないので、無理」といったところも増えています。

6-3.体調不良

人間の体は、もともと昼間働いて、夜寝るようにできています。

それに逆らうわけですから、体調管理が難しいのは当たり前でしょう。

それをさらに難しくしているのが、一般的な勤務では日勤と夜勤が交互に入ることです。

睡眠障害、免疫力低下、疲労蓄積などは警戒が必要です。

こういったことを少しでも回避するためにあるのが、「72時間ルール」です。

しかし、先に見たように、これが適用外となっている職場もあります。

「適用外」となっている理由は、「夜勤につきものの問題が解決されているから」ではありません。「夜間も人手を減らすことができない職場だから」です。

つまり「看護師さんの健康よりも、職場の事情が優先されている」ということになります。それだけの覚悟を持って勤務することが必要です。

7.求人広告をチェックするときの注意

この記事の最初に「夜勤の仕組み自体を全く理解していないような説明だってまかり通っています」として挙げた例は、おそらくは「夜勤」と「当直」の区別がついていないのでしょう。

あるいは、「実態としては夜勤なのに、雇用主側が当直勤務として扱っている」という場合もあるかもしれません。

「夜勤手当」や「夜勤手当プラス残業手当」であれば、いくら時給や月給1時間あたりの金額が低くても、「1回1,000円」という計算にはなりません。

もし、本当に「1回あたりの夜勤手当は、1,000円しかないような職場」があるのならば、そこは法律違反です。転職先の候補からは真っ先に外しましょう。今勤めているのならば、すぐにでも転職を考えましょう。

このようにどんな看護師さんでも、転職を考えていようがいまいが、「1回あたりの夜勤手当は、1,000円しかないような職場もあります」に、「その話はおかしんじゃないの?」と、ピンとくる程度には、夜勤について知っておく必要があります。

これぐらいはは、看護師としてだけではなく、社会人として、また労働者としての基本です。

また、給料がいいなどほかの条件がよくても、忙しすぎるところは要注意です。意気込みのある最初のうちは、まだしもいいでしょう。ですが、疲労が蓄積してくると、仕事上のミスが増えます。人間関係もぎすぎすします。長く勤めるのは難しいでしょう。

「夜勤の勤務中はどのくらい忙しいか」「夜勤があるぐらいだから、呼び出しもあるだろう。回数は多いのか」といったことは、いくら自分で調べても調べきれることではありません。

看護師転職サポートを利用するのもひとつの手です。

ただ、簡単に任せきりにするのではなく、いくつか登録し、その業者同士を比較することも必要です。

担当者が実際に自分の足で医療機関を訪ね歩いているところでなければ、意味はありません。候補に挙げてくる病院などの内部の話に、具体性がないような業者は外します。

信頼できるところと二人三脚で望む職場を探すようにしましょう。

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